国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律案について
1 目的
国際的な武力紛争において適用される国際人道法に規定する重大な違反行為を処罰することにより、刑法等による処罰と相まって、これらの国際人道法の的確な実施の確保に資すること
2 定義
この法律において用いる次の語について、定義する。
(1) 捕虜国際的な武力紛争において適用される国際人道法において捕虜として取り扱われるもの
(2) 傷病捕虜捕虜であって、精神的又は肉体的機能が著しく減退したと認められるもの
(3) 文民紛争当事国又は占領国の権力内にある者で、その紛争当事国又は占領国の国民ではないもの等、国際的な武力紛争において適用される国際人道法において被保護者として取り扱われるもの
3 重要な文化財を破壊する罪
武力紛争において、正当な理由がないのに、その戦闘行為として、歴史的記念物等で重要な文化財として政令で定めるものを破壊した者を処罰する。
4 捕虜の送還を遅延させる罪
捕虜の送還に関する権限を有する者が、捕虜の抑留の原因となった武力紛争が終了した場合等において、正当な理由がないのに、当該武力紛争の相手国への捕虜の送還を遅延させたときは、処罰する。
5 占領地域に移送する罪
武力紛争において、その国が占領した地域に入植させる目的で、当該国の国籍を有する者等を当該占領地域に移送した者を処罰する。
6 文民の出国等を妨げる罪
出国等の管理に関する権限を有する者が、正当な理由がないのに、文民の出国等を妨げたときは、処罰する。
7 国外犯
3から6までの罪の国外犯を処罰する。
8 その他
施行期日等について規定する。
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