職員を評価する制度ができるそうである。私が思うに、誰が評価できるのか、評価できるものを配置できるのか、どういう基準なのか、などを明らかにして欲しいものである。人間が人間を評価はできない。評価できる人間は存在しない。 そこで敢えて評価制度を導入するからには、現在の幹部どもの感覚に沿わねばならない。そうなると日本はどういうことになるのだろうか。評価制度自体が日本の運命を左右することになる。職員以外の方たちも知っておいて欲しいものである。特定の個人のお気に入りにならなければならない。これは冗談ではない。
今までは金を使えば使うほど出世ができる時代だった。これは元々間違いであり県幹部も心を入れ替えねばならないが、どうだろうか。(つまり借金のこと)
人事課は3月末退職の管理職に3月に管理者研修を行っている。これほどの無駄はないことを知るべきである。そして平職員をいじめてばかりいる。職員を評価できる管理職は何人いるのだろうか。
県民のみなさんには恥ずかしい話だが、ほとんど出世主義者である。これでは上司の顔色を見るだけの職員がますます増えて、県民が期待するような仕事にはならないだろう。上司に抗議してまで頑張っている人はいなくなるでしょう。こんなことでは、県民のための県政など出きる筈もない。当局や人事課は県民向けのアリバイ作りのために研修を行うのではなく、真に職員が磨きをかけることを考えて欲しい。
当局は「県民奉仕」を履き違えている。そこで働く労働者の労働条件をどれだけ切り下げるかと考えており、県民の要求や財政、福祉など真に県民が求めているものに対しては、金を使えば使うほど県民が喜ぶと思っている。政治を動かしているのは一握りの幹部クラスだが、この連中は次の天下り先を競っているのが実態である。恥も外聞もないのかと言いたい。
研修を受講したものがまともな仕事ができない。自分中心である。すべて県当局の責任である。いつまでも私はカバーはできないしカバーするつもりはない。
職員評価制度のあり方研究会中間報告
論点整理
1.はじめに……………………………1
2.職員評価の背景……………………2
3.民間や社会状勢の動き……………3
4.公務職場の動き……………………5
5.調査報告……………………………6
6.私たちが考えねばならないこと…8
7.今後の研究会の進め方……………9
1.はじめに
1−1.研究会の目的
1−1−1.今なぜ評価制度が問題か
@全国的な背景
まず第1に、2001年12月に閣議決定された公務員制度改革大綱に沿った公務員制度改革が2006年度実施予定です。労働基本権や天下りなどキャリア優遇という問題点以外にも、人事給与制度の大幅変更が盛り込まれています。その主な内容は、
(1)「新たに能力等級制度を導入し、これを基礎として任用、給与、評価等の諸制度を再構築すること」
(2)「能力や業績を適正に評価した上で、真に能力本位で適材適所の人事配置を推進するとともに、能力・職責・業績を適切に反映したインセンティブ(目標達成するための刺激)に富んだ給与処遇を実現する」
(3)地方公務員制度においても、「能力本位で適材適所の任用や能力・職責・業績 が適切に反映される給与処遇を実現する」
というものです。こうした大幅な制度変更を実施する場合、当然新しい人事評価制度の再構築が前提となります。
A特殊性
第2に、2003年秋闘で県当局は「大規模な賃金制度改悪提案」を行いました。主な内容は大きく3点に区分されますが、そのなかの一つとして、問題点が多いため、長く凍結されている、旧態然とした現在の「勤務成績評定」による「特別昇給」を復活させるという内容が含まれていました。この提案に対し県職労は、
(
1)県当局は「特別昇給」の復活と言うなら、まず評価制度の内容を提案・協議すべきである。
(2)被評価者(組合員)の納得が得られる評価制度が確立されるまで、賃金への反映はすべきでない。
と主張してきました。その結果、県当局はほぼ全面的に提案を撤回しました。また、評価制度設計にあたっては、県当局と県職労で協議することも確認しました。
Bまとめ
以上のような@全国的な背景A県職労としての特殊性から、人事評価制度をめぐり労使の協議が避けられないからです。労働組合が当局と交渉を進めるにあたり、人事評価のあり方と制度構築に必要な事項について、県職労として組合員の納得が得られる基本的な方針を確立することが不可欠です。したがって、この研究会は、調査研究した内容を討論素材として県職労執行委員会へ報告し、その方針作成に資することを目的としています。
1−2.現在の人事評価制度とは
この報告では、以下に各論を掲載しますが、はじめに現在の勤務評定の概要について述べ、その内容を確認したいと思います。
1−2−1.これまでの人事評価制度
これまでの人事給与システムは、職員の能力・実績を長期的な目で見て評価し、給与面を含めた人事処遇に反映するといった考え方でした。しかし、これから政府が導入しようとしている制度は、アメリカ型の短期的評価で人事処遇を行おうとしている点で大きな相違があります。
1−2−2.現在の勤務成績評定とは
現在の富山県の勤務評定は、被評定者として所属長は除外され、全体として5段階の相対評価となっています。また、書式・評定の時期と過程・結果など一切が極秘扱として非公開です。
A.勤務実績判定---勤勉性、責任感等の16要素から総合評価
B.適正---現在の仕事に非常に適している、適している等4段階評価
C.人物評---明朗、誠実等の11要素について判定
D.指導・措置---記述
E.本人の希望等に対する所属長の意見---記述
F.特記事項---記述
鳥取県職労は、新評価制度導入にあたり、後述する4原則・2要件を最低条件として交渉し、実施させています。この4原則・2要件にてらせば、現在の富山県の制度は、0点と言わざるを得ません。
2.職員評価の背景
2−1.研究会のこれまでの議論の内容
2−1−1.調査
公務員制度改革の内容やそれをめぐる動きについて研究しました。また、電気関連の民間企業の実態を調査し、さらに、鳥取県と広島県の状況について現地調査を実施しました。今後も他自治体などを調査予定です。
2−1−2.検討の内容
研究会では、能力実績評価制度について様々な意見が出されました。幾つかを紹介しますと、「導入しても飛躍的に能力が向上することはなく、それよりも現在の職員がやる気が出るような方策が必要。」「富士通は能力給を導入したが失敗し、現在は修正してグループの評価を取り入れていると聞きます。
職務の難易度等でなく、性格的特徴も含めた個人の評価で決めるという評価の手法は確立されない。」「40代・50代の中高年層を下げるための口実。」「県庁というムラの中の仕事になっていることもある。県民ではなく幹部の顔色ばかりを伺ってしまう。どこを見て仕事をしているのか。」
連合役員を交えての意見交換会では「昇進・昇格、能力・実績給といってもうまくいったのはほとんどが運ではないですか。商品開発・営業・時代・チームワークその他いろいろ複合的に重なっての結果であり、運です。」「ミスは他人に押しつけて、成果は自分のものにするでしょう。」「例えば、製造ラインは複数で仕事しており評価は難しいです。集団で仕事をしていると、一人が頑張ってもうまくいかない。1分間にどれだけ作ったかを判断し評価する。
それが能力・成果なのか疑問です。」「目的は、エキスパート集団を作ろうとしていることです。しかし、社会は20%が猛烈に働き、80%は普通又はちんたらしています。さらに、そこから20%を選択しても、やはり20%しか猛烈に働きません。これは余裕がないといけないことを示しています。どこかできしみが生じ、メンタル問題も出てくるでしょう。」等の意見がありました。
また、成果主義・能力主義賃金制度について管理部門から一般職へ拡大しようとする不穏な動きが全国的な民間状況になりつつあり、公務員にも同様にという流れがあります。
しかし、社会的な流れだからと公共事業に関する部署や徴税部門、福祉、病院、庶務など様々な職種が存在する公務職場に当てはまるでしょうか。宮崎市の場合、公平な評価に対する不安は全職員が制度を理解すればなくなるといっていますが、表面的には納得したとしても深層では納得できないでしょう。
評価結果は自分が原因、給料が低いのも自分が原因、この職場に配属されるのも自分が原因、学歴も自分が原因、家庭環境も自分が原因、身体・健康も自分が原因、忙しいことも自分が原因と全て自分に原因があることに意識が進み、モノ言えぬ公務職場になるでしょう。さらに、本庁地区では「管理職適性調査」を実施していますが、評価者としての管理職員の資質も今後問題になると考えられます。
公務員制度改革の内容や情勢、先行する公務職場、民間での実態調査の結果を今回示します。
3.民間や社会情勢の動き
3−1.バブル経済崩壊の打開策
バブル経済崩壊以降、長期の不況を続け、民間企業の間で停滞や閉塞を打開するために90年代を通じて採用が広がってきました。
業績や能力が違うのに賃金が同じなのはおかしい、社員の売り上げ成績や収益アップに向けた企画力など貢献度によって賃金に差を付けようと導入されてきました。
「成果を上げた人には賃金や昇格で最大限報いることで、社員全員が頑張り、組織全体の成果も高まる」、「総人件費の増大に歯止めをかけなければ競争力を維持できない」、「経済が成長しないのに、賃金だけが年功序列で右肩上がりとはいかない、企業の売り上げが伸びないのだから増える人件費を減らすための成果主義」競争による格差を広げることや差別化だけが社会の活性化や不況を乗り越える唯一の解決法と信じられています。
会社は自分の会社さえ助かればよい、個人も自分だけでも助かりたいという考えが見えてきます。
3−2.進化する成果主義
近年、一般社員にも大きく広がってきています。毎日のように新聞の紙面を賑わしています。
日立製作所、トヨタ自動車も今春から年齢給の廃止を決定、ソニーは住宅・家族手当も廃止し、個人の業績や成果を反映させた「基本給」に給与を一本化。
退職金も昇格が早ければ早いほど高くなるアサヒ飲料、三洋電機は何と新卒から能力・技能に応じて賃金格差を設けるそうです。また家族手当、住宅手当についても成果に関係がないと廃止という見直しも進んでいます。
この話を聞く限りなんとも凄まじい、個々の顔や生活は希薄になり、仕事の業績や企業業績や貢献というますます生活給という人件費から設備費(生産機材)に近づいている気がします。
小さくなり続けるパイを奪い合っているにすぎないとわかっているが、止められない、止められない。
3−3.成果主義賃金は万能か
意欲を生む成果主義といいますが、ここで会社という小さな単位ではなく社会全体をみてみましょう。成果主義により、世の中の危機感と緊張感やスピードに身を任せパフォーマンスが向上する場合ももちろんあるでしょう。
しかし社会の安定性の中で発展する人も多数いるのではないでしょうか。
また、個人・家族の生活設計は可能なのか、社会的安定は可能なのか?努力しても報われない人たちが多数産出する可能性はないのか、見通しが立たない生活、リストラ・失業・減収の不安、長時間労働の増、自殺、社会的不安要素が増大しないのか。
少なくとも不安感の増大からも国内の一般国民の実質(収入減)・名目(財布の紐)共に消費力はますます減少するでしょう。
近年刊行された太田肇「選別主義を超えて」(2003.9)では、「成果主義賃金」が既に大きな軌道修正が始まった事実を指摘し、さらに内橋克人は従来の「年功型賃金制度は個人の成果を強く深く反映し、かつ職場の連帯感も損なわないよう図る長期視点のシステムとし、悪平等、非効率的との非難はあたらない」(読売新聞2004.1.16)としています。
3−4.では成果主義制度は実現可能か
さて個人の成果を反映していないとされる年齢という悪平等に代わる評価基準を運用できているのでしょうか。
富士通では会社の業績が2期連続赤字。しかし社員に自らの評価に満足しているかどうかの調査では約7割が満足と回答しています。仕事の成果で賃金を決めるようにしたが、実現可能な低めの目標を設定する社員が増え、「チャレンジ精神が薄れてしまった」。
そこで意欲的な目標を掲げた社員ならどれだけ努力したかも見えるようにし、その結果は社員の満足度は向上したが、思うように組織としての成果が上がらない事態になっています。
「上司に好かれているかどうかで決まる」、「目先の利益ばかり追う」、「相対評価の評価を巡り不満噴出」、「絶対評価にしたらテクニックが幅を効かせた」、「達成しにくい目標は設定しない」。ブリジストン、4人に1人しか勝ち組Sに入れないため「どうせ自分は評価されていない」、「こんな仕事はSランクの人がしたらいい」、「勝ち組からも年収が上がってもこんなひどい仕事はしたくない」。このため見直しも進んでいます。
さまざまな側面からのプロセス評価、個人成果だけでなく部門・企業業績などを多面的に反映、トータル成果主義を取り入れてきています。これにより逆に年功的なものが形を変えて入っていきているところもあります。東海ゴム工業が4月から管理職の年齢給を復活するのも、個人の成果の評価が難しいからです。
人件費を下げるという目的以外の本来の目的(組織力の向上)を達成できるかさえ不明ですが、成果を客観的かつ公平な基準で判定が可能かもっと深く考えた方がいいでしょう、人間は機械や道具ではないのです。
4.公務職場の動き
4-1.公務員制度改革関連法案を巡る動き
昨年7月の通常国会に提出されかけた国家(地方)公務員制度改革関連法案(総務省他200307)は、これまで公務員連絡会やILOからも是正勧告のあった中身(労働基本権の付与問題、労働団体との誠実な話合いの確保など)を全く無視した内容でした。
2003年6・7月の統一行動によっても、働者としての権利をあまりにも無視した前時代的な内容に政府与党内でも政府案として提示するには拙速すぎるという観点で見送られて来ました。
その後、10月の内閣改造、金子行革担当大臣が就任し組合との交渉の中で仕切り直しを示唆する(自治労公務員制度改革情報No187)などやや軌道修正がされています。
さらに1月19日に召集される次期通常国会では、「分権新時代の地方公務員制度?任用・勤務形態の多様化」(地方公務員制度調査研究会2003.12)をベースにした地方公務員法の改正案が法案として示されますが、その中ではこの公務員制度改革に関して「職務遂行能力荷関する基準の策定」、「人事院及び職員団体との十分な意見交換・調整などの検討」を踏まえてとあることもこの情勢を裏付けていると言えます。
しかし、2006年の公務員制度改革のタイムスケジュールには現時点では変更が見られないことから、情勢は極めて流動的です。
4-2.公務職場での能力主義賃金
富山県での能力給を巡る情勢は、すでに「1.はじめに」で触れたとおりですが、全国的には導入がすすめられている自治体もあります。
北陸3県では福井県鯖江市が、99年に自己目標に基づき達成度や上司との面談によって賃金を決定するという手法を取り入れました。最も進んでいる例では、宮崎県宮崎市で現在管理職を中心に能力査定が行われています。この2年間試行期間をおいて4月から実施しています。S級からD級までの5段階の達成度ランクを設け、これによって昇格・昇級などが決められる状況にあります。
宮崎市労働組合の調査では、
@ふだん接していない職員の評価を面接で達成度をはかることに無理がある。
A面接で考課結果を出したが、設定・進行状況などは各自に任せっきりで恣意的な人物評価しかできない。
B新規事業が見込めない職場では当局の言うような目標設定によるステップアップは考えられない。
などが、既に指摘されています。
自分の成果が期待できない職場に多くの不満の蓄積や、管理強化だけが進んだといえます。宮崎市の評価手法は、日本経営協会(民間コンサルタント)が2003年8月から9月にかけて実施した「平成15年度人事評価制度構築指導説明会資料」(日本経営協会関西本部2003.08)に近似しており、自治体での新賃金制度構築にこのような団体が介入していることを裏付ける資料として考えることができます。
この説明会資料では「目標管理制度」がかなりウエイトを占めています。営利を追求する企業体では、目標管理制度はその団体の発展利益を大きな目標とすることで各管理職の部下管理マネイジメントに方向性を持たせることができます。しかし、公務職場の場合は、例えば組織目標として住民サービスの向上という曖昧な目標を具体化させるために、一方が開発行為によって住民サービスの向上という方向性、もう片方では開発をしないことで住民サービスを向上させるという互いに相反する手法によって目標を達成しようとする場合、結果はどのように理解すればいいのでしょうか。
5章で触れますが、今回研究会で調査を実施した鳥取県では、労使ともに話し合う中で公務職場において目標管理制度が馴染まないことを互いの共通理解とし、評価制度からは除外しました。
また、先に紹介した鯖江市の事例では、上司の査定が賃金決定に直結していることから自分が正しいと思うことが主張しにくい、モノを言いにくい職場になったと意見が出ています。そんな状況に陥ったとして本当にきちんとした住民サービスが続けられるでしょうか。
4-3.公務職場のアウトソーシング
民間では総人件費抑制の手法として「能力主義賃金」を一般労働者に用いていることはこれまでに触れて来た内容ですが、もう一つの人件費抑制策としてアウトソーシングが行われつつあります。公務の職場では、地方独立行政法人化として今後注意すべき部分です。
1996年に制定された行政改革大綱は、国の行政機構の再編を大きく唱え、その手段の一つとして出先機関の独立行政法人化に積極的に言及してきました。
これは、「公務職場を企画立案部門と事業実施部門に分離し、企画立案部門だけを残す」といった方針の中で国での独立行政法人化は、2001年1月から具体化し、試験研究機関を皮切りに大学・病院など徐々にすすめています。
5.実態調査報告
5?1.鳥取県の事例
鳥取県では、2000年に賃金体系改悪の提案が行われ、交渉の中で従前の「勤務評定」に対する見直しに、あくまでも人材育成に力点をおいた評価制度の試行、それを通じながら個人的な心情に左右されない評価基準の確立を目指すこととして来ました。
また、同時に逆勤務評定を制度として導入させ、職場でのコミュニケーションに活用することも特色としてあげられます。
鳥取県での調査では、労働組合と県当局が4原則2要件(別表)を前提条件に交渉し、一定の共通認識として確認できたことは、
@誰もが納得できなければ人材育成という観点での評価は成り立たない
A成績良好者への特昇などに用いることは結果として組織パフォーマンスが低下する危険性がある
B恣意的な感情での評価という感想を部下が持つことになれば結果として評価そのものへの信頼が揺らぐ
Cいわゆる成果主義賃金の根幹をなすといわれる目標管理制度そのものが公務に馴染まないという判断のもと評価制度から除外されていることなどです。
また、苦情が発生した場合には、組合としての関与や、人事委員会内部に対応機関を設けさせ、それにあたることを検討しています。さらに現在試行段階の中で個人評価が難しい職場(病院や施設)、管理職の存在しない職種(現業など)においても管理職員が積極的にその職場へ赴き内容を理解することを求めています。
4原則・2要件について
原則1 公平・公正の原則
評定者の定期的訓練・研修の実施評定項目に自己評定項目を入れる 定期的な面談の実施。だめな場合の再面談を含む。
原則2 透明性の確保
要件1 労働組合の関与
本人への結果の開示と説明実施 システムの構築にあたっては組合との協議・参加を保障すること
原則3 客観性の確保
要件2 苦情処理制度の構築
説明後、本人による評定の評価 労使同数の苦情解決委員会の設置
原則4 納得性の確保
5?2。広島県の事例
広島県では1998年に特別昇級制度の凍結、8級運用の見直しなどの賃金体系見直しがすすめられて来ました。その後2000年に1職1級制を提唱し、同時に職場のフラット化を行って来ました。従来の課を室にし、部の下に総室、室をおく機構改革を実施して来ました。
さらに2001年に新人事制度が導入されました。導入にあたっては広島県当局と組合での協議が何度かもたれていましたが、結果的に当局だけのフリーハンドで現在運用されるという事態を生んでいます。
例えば富山県では6級への任用はほぼ良好に勤務していれば誰もが到達できますが、広島県では、当局の一方的な任用行為の中でいつ誰が6級に達するのかさえ不透明な状況となっています。
また評価にいたる面接は、人事担当者である室長以上が実施し、組合員レベルでの評価は全く分からない状況です。この事例は、私達の中にも労働組合が評価制度確立に関与すべきかと疑問も提示されることもありますが、県当局の動向をしっかりと注視する必要性を示しているのではないでしょうか。
5?3 民間企業での状況
第3章でも触れて来ましたが、大手の民間企業ではすでに成果主義賃金制度の導入がトレンドのようになって来ています。また、中小企業などでも親会社が導入しているからというような「あおり」を受ける形で90年代初頭ぐらいから導入が始まっています。
今回県内の準大手のA社を対象として調査を実施しました。
この会社では、2003年4月から新人事制度へ移行し、昇級昇進は後述する内容で得るポイント制と人事部・役員等の面接を経て実施される内容です。
評価シートは、至ってシンプルで各年度の期首、期中、期末の3段階で所属長(課長)から面接を実施し、目標に対してどのように取り組んでいるかを確認できるようになっています。また評価シートは公開制で本人にも見ることができる内容です。この結果をふまえてポイントを蓄積し、その蓄積度によって上位ランクへの昇格が行われます。
個人評価が可能な営業などの職種では、個人重視型の評価を行うことになりますが、生産ラインなどを管理している場合は集団での面談・評価が実施されています。この場合は誰かがミスをした場合は集団での責任ということになることもありますし、また、誰かムードメーカがいるから出来た生産性の向上といったような目に見えない部分での評価もされないという問題点が存在します。
この会社ではこの新人事制度への移行を行った際にそれまであった、男女・高卒大卒などの採用区分による賃金差別を一切止め総体的に引上げとなりましたが、反対に40才以降の世代では昇級無し、基本的に能力給での加算となります。さらに50才以上では、一定期間に上位ランクへの昇格がない場合は、賃金を10%カットされる内容です。
6.私たちが考えなければならないこと。
6−1.本来公務員職場はどうあるべきか。
評価制度は日本でも民間で先行的に導入されていますが、その是非を巡っては今も議論がなされていることは3章に述べたとおりです。民間が導入すれば、公務員職場も導入するという「公務員バッシッング」の延長線だけで議論をするのは、おかしいことではないでしょうか。
また、人が人を評価するということは、県職労執行委員会でも、いろんな議論があるところです。
特に、公務員が人の能力を評価して、その対象である人=県民を区別して(差をつけて)仕事を進めるということがあるのでしょうか。本来は、その反対で、県民の中にどう公平性や平等性を広めていくという立場に公務員はあるのではないでしょうか。
6−2.評価者の資質
普通、各職場での最終評価者は「所属長」です。その所属長がどう考えるか、どのような視点をもって仕事をしているのかによって、被評価者=部下の働きぶりや評価は違ってきます。
特に、評価者による「セクハラ」や「パワハラ」なども評価という権限をもっての部下への支配という点を考えれば、労働条件の大きな変更といわざるを得ません。もっといえば、私たちがどのような「所属長」を選出していくのか、また、100%完全な所属長がいない以上、どのようにその所属長が下す評価の精度を高めていくのか、誤差を少なくしていくのかは次なる課題といえます。
6−3.評価と賃金
評価によって、さらに賃金を増減するということになれば、賃金=ニンジンでその餌によって、被評価者は、仕事の取組の仕方を変えということになりかねません。
そうなれば、所属長の評価だけを気にして仕事をするということがないとはいえないでしょう。
でもそのような発想は、果たして県民のための仕事になるのでしょうか、評価を良くするための仕事になりかねないのではないでしょうか。
人間は社会的な生き物で、自分や自分の家族が生きていく=生活するために「働く」ということだけでなく、この人間「社会」に役立って自分が他の「人」のために役立つことを意識して生きるということに「誇り」や「自信」、「生き甲斐」をもつということも大切な生きる意義として認識していると思います。
6−4.評価の基本項目
「鳥取県職労」では、評価制度導入の基本原則として、「4原則2要件」を元に県当局との話し合いを進めています。評価そのものが、私たちの仕事ぶりを大きく変えるとしたら、それに対しては労働組合として、制度の確立や実施に向けてきちんと議論をしていくことが今求められています。
県職労では、評価制度導入に向けて、先の4原則2要件に加えて、「当面処遇等に反映をさせないこと」、「職員と所属長の話し合いの場の必要性」などについても評価の基本項目として設定していくことが大切と考えます。
7.今後の研究会の進め方
7−1.評価結果をどう使うのか
評価の結果がどのように使われるかという問題は、私たちの労働条件に直接影響します。
したがって、制度の内容やその運用検討に留まらず、評価の結果を当局の勝手に使わせないための検討も大切な要素です。したがって、今後の調査研究内容は、人事・処遇等への反映をどうするべきかという課題にも踏み込む必要があります。当然、管理職員と一般職員では区別して考えることが自然であると考えます。
7−2.公務部門における導入事例の研究
平成15年夏に(財)社会経済生産性本部が行った「自治体における人事評価制度の現状に関するアンケート調査」によれば、回答率5割弱ではあるのの、県の5割、市の2割が人事評価制度の改定に具体的に取り組んでいると回答しており、こうした自治体の情報収集に努める必要があります。また、日本郵政公社は、平成16年4月から新人事・給与システムの導入を予定しています。こうした情報の収集にも努めていきます。
7−3.組合員の皆さんの英知と意見を集約
この中間報告やアンケートなどを活用し、県職労執行委員会にとどけられた組合員の皆さんの声(意見や英知)を集約できる取り組みを工夫していく必要があります。
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職員評価制度のあり方研究会中間報告に関する意見
1. はじめに……………………………1
・ 「全国的な背景」において、「大綱」は狙いは結果であり、なぜ「人事給与制度を大幅に変更する」必要に迫られたのかについて、記述を豊富化する必要がある。大幅な赤字財政問題が根幹にあって、1割の勝ち組と9割の負け組に有無を言わさずに給与制度を大きく改変する必要に迫られているという問題はないか?
・ 「富山県的特殊性」においては、組合としてどのような議論経過で2項目に結論付けて整理されたのか?
2. 職員評価の背景……………………2
・富山県当局はどういう考えから今回の提案を行ったのか?その提案理由はなにかについても述べる必要がある。
3. 民間や社会状勢の動き……………3
・長期的視点にたった基礎的なものがどのように評価されているか?そのような例はあるか?
「常識にこだわらない」「独創」なものは、どう評価されているのか?
4. 公務職場の動き……………………5
・適材適所になっていない、現状で、そもそもスタート地点が異なる個々を評価することも問題ですし、評価する場合のものさしが一番問題になる。さまざまな職場・セクションがある公務職場において、その相互のものさしの関連性をどうするのかという大変困難な問題の解決が求められます。
5.調査報告……………………………6
・ 「県当局の動向をしっかりと注視する必要」もあるが、その前に導入の狙いと問題点を組合はこう考えているということを積極かつ果敢に教宣する必要を感じる。
6.私たちが考えねばならないこと…8
・ 今までの勤務評定制度のどこに問題があったのか?制度は疲弊したのか?あるいは何か新たに評価要素を加える必要が生じたのか?
・ 評価する場合のものさしが一番問題になる。さまざまな職場・セクションがある県において、その相互のものさしの関連性をどうするのか?ぜひとも納得できる説明をしてもらいたい。
・ 今の社会では、所詮、「雇用者」と「被雇用者」という立場の違いを克服することは困難である。
・ 年代別によっても特徴があると思う。50歳台は定年まで残り少なくなっているし、20歳代は、これから「新研修制度」で単位を取得して、仕事振りを「評価」されて、競争・差別・選別の中で県庁生活を過ごしていかないといけない。
・ 職場の意識はどうか?「そうはいっても戦力一人分に達しない人がいる」という意見をどのように整理して考えるか?という点の整理は避けて通れないと思います。
・ 「人事・処遇への反映をどうするか」について、現状の力関係のなかで組合は踏み込むべきではない。それよりも「誰が何のために『評価制度を導入』しようとしているのか」について、本質・狙いを丁寧に討論整理することに主眼をすえるべきである。
7.今後の研究会の進め方……………9
・ わたしたちが要求していく視点は、個々人はそれぞれ持ち味・特徴のあり、その個々人が相互に補完協力し合って仕事をこなしていく明るく健康で人間らしく働らき続けられる職場であり、そして人間らしく生活できる環境つくりである。
【参考文献等】※媒体によって区分してあります
書籍など
ブックレット「活かそうILO勧告いま公務員制度改革を問う」(連合通信社・2003/1)
「公務員制度改革第2次原案の問題点」(全国自治団体労働組合・2002/5)
「地方公務員賃金と能力実績主義」(労働大学・2003/3/31)
斎藤勇『人はなぜ足を引っ張り合うのか』(プレジデント社・1998)
ビラなど
「日本政府はILO勧告を受け入れ、公務員の労働基本権を確立すべきです」(全国自治団体労働組合・2003/1)
「公務員法改正法案の閣議決定を許すな」(連合官公部門連絡会・2003/4)
雑誌など
「関連法案の閣議決定反対−公務員制度改革−連合がILO理事招き集会」「トロットマンILO労働側理事グループ議長会見−制約なら調査団派遣も−公務員の基本権問題−日本の動向を世界が注視」「キャラバンの成功を−労働基本権求め全労連など」「政府がILOに反論の追加情報−公務員の労働基本権−連合詭弁と批判」「法案の閣議決定阻止を−公務員制度改革で連合官公部門−ILO勧告の履行求める」(連合通信社・2003/4)
「停滞を雇用システムのせいにするのは基本的な分析を間違った末のこじつけだ−能力主義賃金は中高年の賃下げに利用」(連合・2002/9)
「成果主義は絶対におかしい−労働者サイドから見た問題点−不況の時代にあっては賃下げ装置」(週刊朝日・2002/7/26)
「こんな上司が鬱社員を生む−成果主義による競争激化で上司が部下を鬱に追い込む」(週刊朝日・2002/8/16-23)
サラリーマンの定昇・ベアは消滅する賃金破壊の恐怖−定昇相当分を成果型へ転換−この先にあるのは過労死や過労自殺が相次ぐ企業社会の無残な姿」(サンデー毎日・2003/3/2)
「有名半導体メーカーで始まるサラリーマン非情の選別−スキルアップとキャリアアップの連動が行き着く先は」(サンデー毎日・2002/9/29)
「社内に渦巻く不満と嫉妬−きしむ成果主義−失敗企業の事例」(週間ダイヤモンド・2002/9/14)
「元気が出る成果主義−人事部も社員も悩んでいる−でも勝ち組みは上手に活用−経営サイドから見た成功事例」(日経ビジネス・2002/9/16)
「松下電器一律賃金大転換−事業別独立採算への道」(サンデー毎日・2002/11/3)
「配偶者特別控除廃止、年金・健保も保険料アップ−家計を直撃する負担増−年収別試算」(週刊朝日・2002/12/27)
「成果主義で生産は本当に上がったか」(連合・2002/12)
「年金に続いて健康保険と失業保険が大崩壊−生活安全ネットはもうボロボロ」(週刊現代・2002/11/30)
「休暇の問題は経済社会政策として位置づけるべきである」(連合・2002/11)
「小泉税制改革であなたの税金はこんなに増える」(週刊文春・2002/6/20)
「小泉改革にだまされるな−医療費3割負担はまやかしだ」(サンデー毎日・2002/3/3)
「従業員(労働者)代表制をどこまで知っているかな」(連合・2002/10)
官庁速報など
「人事院への要請制度創設=人事管理改善で首相権限拡大−公務員制度改革関連法原案」(官庁速報・2003/4/10)
「県の研修制度大幅見直し−人事と連動−職員に刺激」(北日本新聞・2003/5/18)
「問われる課長の経営能力(石川)」(官庁速報・2003/6/13)
「数値目標設定見送りへ−教員への能力給導入を検討−補助金整理合理化方針案が判明」「キャリア廃止検討課題に−石原行革相」「政労協議機関設置一歩前進−西村総務次官」「望ましい採用試験制度とは(政府)」「公務員制度改革で協議機関設置へ−石原行革相と連合事務局長が一致」「国家公務員採用試験を再編−能力等級制導入で−行革事務局が素案」「公務員改革で再会談へ−小泉首相と笹森連合会長」「政労会見に注目(政府・連合)」「法案提出をめぐり今週がヤマ場か(総務省)」「業務達成度を5段階で自己評価−山梨県」「教員手当見直し検討−東京都」「出すだけ出す、公務員改革法案(総務省)」「採用試験、公平委でも可能に−第3者機関の機能強化−地方公務員法改正案(総務省)」「人事院への要請制度創設−人事管理改善で首相権限拡大−公務員制度改革関連法案」「5年間で117項目の改革推進(長野市)」(官庁速報・2003/5-6)
「国家公務員法改正案のポイント」(時事通信・2003/7/14)
「地方公務員法等の一部を改正する法律案(仮称)のポイント」(総務省自治行政局公務員部・2003/7)
県職労(組合)作成資料など
県職労第94回臨時大会議案書(県職労・2002/2)
公務員制度改革県職労青年部学習会発言集その1(県職労青年部・2003/2)
「本庁地区春闘アンケート」(県職労・2002/12)
「鳥取県の評価制度について」(県職労・2003/11)
「1級1職制について(広島県の事例)」(県職労・2003/11)
「管理職適正評価の実施要領」(県職労本庁地区・2003/12)
「鳥取県職労新評定制度アンケート結果」(導入前)
「平成15年度人事評価制度構築指導説明会資料」((社)日本経営協会関西本部・2003/9)
その他
「人材の育成及び公務能率評定等に関する実施要領」(鳥取県・2003/7)
「昇進・降格・降職・降格基準の作り方」(鞄本経営システム研究所)
「新行政改革推進方針」(富山県・2003/3)
「生産性とメンタルヘルス」(HP)
「平成15年度自己啓発支援評価(部下による所属長評価)の実施について(高知県)」(高知県・2003/11)
「自治体における人事評価制度の現状に関するアンケート調査結果概要」((財)社会経済生産性本部・2003/11)
太田肇『選別主義を越えて』(中公新書2003/9)
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