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評価制度に対する見解と主張

1.評価制度の目的
@目的は、職員の資質向上、意欲向上が第1義であること。
 評価制度が一部の優秀者を選別させる、選別することによる競争原理だけの制度では、早晩、やる気のない職員、その時、その時だけの成果を上げる職員を大量に作り出す制度では、県庁組織そのものの組織崩壊となってしまうのではないか。

 意欲のある職員を生み出し、育成する職場となるための制度であることが重要であると考える。例として、その職場で、一部の評価優良者だけが、評価されるということになった場合、残りの多くの職員がやる気をなくした時の組織的損失は、はかりしれない。 

 日々の仕事の成果指標だけににおびえることなく、仕事が生き甲斐となって、活動する方が、県庁組織全体にとっても有益である。職員が仕事に夢中になって取り組めるような環境作りが大変、重要である。部下と上司の相互信頼のあるチームワークで問題解決を図る職場となるための制度となる事が重要といえる。

2.制度確立に必要な前提
 公平性・透明性・客観性・納得性・信頼性(労働組合関与)・苦情対応(苦情処理制度の構築)の4原則2要件の必要性の理解と構築が制度確立には必要。

3.組織の能力を高める制度の確立
  働きがいのある職場の構築から職員の意欲向上が図れる。
  働きやすさの構築から組織の活性化が生まれる。
  処遇に差をつけエリートを育てても、組織全体が力にならない。
  処遇の差別は士気を低下させる。
  
4.負担感の少ない制度
 評価する側の管理職や中間管理職、そして評価される側の職員のどちらにとっても評価制度導入による現状の仕事以外に「評価」のために費やす時間・労力・費用がどのくらいになるのか。

 費用対効果という観点もあるが、全職員に対しての評価の結果が、結局、優秀職員の選抜だけが結果論であれば、それだけのことのためにやる制度だった場合、負担感が多い中で職員の制度に対する信頼感は、失われることは明白である。さらに「優秀な職員」を探し出すことが自己目的化しては本末転倒といえよう。  

5.現業職員・三交代職員・施設職員等の評価の正当性の問題
 現場での仕事は、あくまでチームワークという組織体で仕事をしている。その中で、優秀な職員をあぶり出すことがどのような影響を生むのか、また、評価後のチームワークでの仕事にどのような影響を及ぼすのか、よく吟味しなければならない。また、中間管理職や管理職が、直接、働く場面を直接、観察等、評価できない職場での評価制度として、どうするのか課題といえる。


2004年6月 『評価のあり方に対する組合の主張』に対する私見

1 当局が導入を企図している『評価制度』に対して、組合としては、困難な情勢下であっても「制度には反対」の姿勢を明確にするべきである。組合と当局で『合意』して制度が導入されたならば、組合員としては組合を頼れなくなってしまう。全電通で起きている実態が良い例である。

2 人間100人いれば100人の特徴がある。それぞれが持ち味・長所をもっている。その長所を引き出してどのように活かすのか、伸ばすのかが大事である。この「評価制度」ではそれができるとは思えない。

3 評価するにしても、評価する側の資質が問われる。セクションの異なる部署でのあるいは、部署間の相互評価をどうするかについて、納得できる説明を求めるべきである。
  一例として、企画管理課と用地課の総務班と業務班、総務班と用地班の相互評価や異なる部の異なる部署間の評価。

4 これまでさんざん労働条件を改悪して、職員の士気を殺いでおきながら、『評価制度』を導入して、評価と処遇とをセットにして、「職員の資質の向上・やる気の確立」をすることは到底できるとは思えない。
 評価制度が一旦導入されれば、毎年評価の基準ハードルが高くなり、職場では組合員個々は評価の達成に目がいくことになり、そのことは言葉を替えて言えば、「組合の団結」のさらなる弱体化である。

結論として、
@ 「人事・処遇への反映をどうするか」について、現状の力関係のなかで組合は踏み込むべきではない。それよりも「誰が何のために『評価制度を導入』しようとしているのか」について、本質・狙いを丁寧に討論整理することにこそ主眼を据えるべきである。

Aわたしたちが要求していく視点は、個々人はそれぞれ持ち味・特徴のあり、その個々人が相互に
補完協力し合って仕事をこなしていく明るく健康で人間らしく働らき続けられる職場であり、そして人間らしく生活できる環境つくりである。

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