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イラク戦争反対の意見書 共同提案 平成14年12月富山県議会

◯13番(小川 晃君)提出をいたしました8名の議員を代表いたしまして、「アメリカのイラク武力攻撃に反対し平和的解決を求める意見書」を提案いたします。

 さきの湾岸戦争のときにアメリカ軍が使用しました大量の破壊兵器、劣化ウラン弾で、数十万のイラクの人たち、特に子供たちが白血病で苦しんでいるというレポートがございます。こういったこともつけ加えまして、以下、案文を読み上げて提案といたします。

 アメリカのブッシュ大統領は、イラクが大量破壊兵器を開発・保有している疑いがあることを理由に、同国への武力攻撃の準備を着々と進めている。両国の衝突は、この11月13日にイラクが大量破壊兵器の査察と廃棄を求めた国連安保理決議を無条件で受諾したことでひとまず回避されたものの、依然、一触即発の状況が続いている。

 日本政府も、高度な情報収集能力を持ち、数百キロ先の物体を瞬時に捜索・探知し、識別する能力を持つイージス艦をインド洋に派遣し、アメリカのイラク攻撃を支援しようとしている。

 アメリカはテロを口実としているが、いまだに同時多発テロの実行犯とイラクのフセイン政権を結びつける明確な証拠を示していない。

 アメリカが実際にイラクを攻撃すれば、イラクの多くの罪なき民衆が傷つくと同時に、中東情勢は一層不安定になる。日本国民の多くはアメリカのイラク攻撃によって日本の平和と安全、国民生活が脅かされることを強く懸念している。

 今、アメリカの暴走に対し、アジア、アフリカ、中東諸国はもちろん、アメリカの同盟諸国からも非難の声が上がっている。
 国連査察団がイラクでの査察を進める中、イラク問題の平和解決を求める国際的な声が強まっている。
 よって、国会並びに政府におかれては、国際世論と日本国憲法の平和原則に従い、アメリカのイラク武力攻撃に反対するよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 議員各位の賛同をお願いいたします。


議員提出議案第33号
 アメリカのイラク武力攻撃に反対し平和的解決を求める意見書
 上記の議案を別紙のとおり会議規則第14条の規定により提案理由を付け提出します。
   平成14年12月18日
 富山県議会議長  竹 内 弘 則 殿
             提出者 富山県議会議員
                  犬  島     肇
                  江  西  甚  昇
                  中  尾     正
                  菅  沢  裕  明
                  小  川     晃
                  横  山  真  人
                  坂  野  裕  一
                  谷  内  清  子
                       平成14年12月18日
提 出 先
  衆議院議長
  参議院議長
  内閣総理大臣 あて
  外務大臣
  内閣官房長官
               富山県議会議長  竹 内 弘 則
 アメリカのイラク武力攻撃に反対し平和的解決を求める意見書
 アメリカのブッシュ大統領は、イラクが大量破壊兵器を開発・保有している疑いがあることを理由に、同国への武力攻撃の準備を着々と進めている。両国の衝突は、この11月13日にイラクが大量破壊兵器の査察と廃棄を求めた国連安保理決議(1441号)を無条件で受諾したことでひとまず回避されたものの、依然、一触即発の状況が続いている。
 日本政府も、高度な情報収集能力を持ち、数百キロ先の物体を瞬時に捜索・探知し、識別する能力を持つイージス艦をインド洋に派遣し、アメリカのイラク攻撃を支援しようとしている。
 アメリカはテロを口実としているが、いまだに同時多発テロの実行犯とイラクのフセイン政権を結びつける明確な証拠を示していない。
 アメリカが実際にイラクを攻撃すれば、イラクの多くの罪なき民衆が傷つくと同時に、中東情勢は一層不安定になる。日本国民の多くはアメリカのイラク攻撃によって日本の平和と安全、国民生活が脅かされることを強く懸念している。
 今、アメリカの暴走に対し、アジア、アフリカ、中東諸国はもちろん、アメリカの同盟諸国からも非難の声が上がっている。国連査察団がイラクでの査察を進める中、イラク問題の平和解決を求める国際的な声が強まっている。
 よって、国会並びに政府におかれては、国際世論と日本国憲法の平和原則に従い、アメリカのイラク武力攻撃に反対するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
         提   案   理   由
 国際世論と日本国憲法の平和原則に従い、アメリカのイラク武力攻撃に反対し平和的に解決するよう要望するものである。


意見書反対の自民党議員

◯21番(鹿熊正一君)意見書を出すときには、正確な情報を入手することが必要であります。特にこのような国際問題、外交問題については、特に正確な情報を入手した上で意見書を出す必要があると思います。

 今、社民党、日本共産党両党の意見書には事実誤認の点がたくさんありますので、反対の主張をいたします。
 我が国は、アメリカ、また国際社会に対しまして、しっかりとこの問題について言うべきことを言っております。例えば本年9月、小泉首相が訪米した際、ブッシュ大統領に、この問題については国際協調の必要性を強く主張いたしました。ブッシュ大統領も国際協調の重要性、その認識を示したのであります。また、その後もあらゆる外交チャンネルを使って、日本は我が国の主張をアメリカ、また国際社会に言っておるのであります。

 また、アメリカも今この問題については、ぎりぎりの選択の中で国際的枠組みを守ると。特に最近では、9日にアーミテージ国務副長官が来日し、日本の政府・首相に対して、今回の査察でイラクに疑惑が生じても国連安保理に戻ると、このように言明をしているのであります。そのことを御存じないのでありましょうか。

 また、そもそも我々は、昨年の9月にこの議会で、「テロ事件の撲滅に関する決議」を議決いたしました。全会一致でありました。テロ事件の撲滅、これには相当な覚悟が私は要ると思います。テロのおそれのある国家から、その手段として使われる大量破壊兵器、これを廃棄させることがまず大事であります。特にイラクについては、これは既に国連安保理で決議されております。もしその決議に違反するようなことがあるならば、それは場合によっては、武力によって大量破壊兵器の除去をしなければならないその選択も私は残しておかなければならないと、そのように思っております。

 さらに、この意見書には、日本もイージス艦を派遣し、アメリカのイラク攻撃を支援すると書いてあるじゃないですか。だれがそんなことを言っているんですか。どこにそんなことが書いてあるんですか。全く違います。これは、インド洋で米、英の船に給油している我が国の海上自衛隊の補給艦を護衛するために、それを交代期に合わせてより高性能のイージス艦を配備しているんです。これによって補給の安全が確保され、また隊員の負担が軽減されるのであります。

 我々日本は国際社会の平和と安定に大きな責任を有していると、このように考えます。この責任を果たしてこそ、我が国の国民の安全と、そして国家の平和が確保されるのであります。したがって、我が国はイラクに対して、独自の外交努力は必要であると同時に、同盟国たるアメリカとこの問題で緊密に協議をしながら、適切なる行動をとっていくということが大事であります。

 今までも日本はこの問題で適切な行動をとってきたと、そしてまた、事実誤認に基づくこのような意見書に賛成できるわけがないということを申し上げて、反対討論といたします

全く無知な鹿熊議員

 「意見書を出すときは正確な情報を入手」と言っている本人がこのようなお粗末さでは、情けない。アメリカに言うべき事とは何のことだろうか。何も言っていないではないか。アメリカに追従しただけのことである。国民の目からみても明白である。

 イラク戦争はアメリカが一方的にしかけたことであり、その大義名分は大量破壊兵器を保有しているからであると言う。もちろんイラクにはなかった。むしろアメリカが大量破壊兵器を持っているし、日本も大量のプルトニウムを保持している。鹿熊の感覚ではこれらの日本や米国を攻撃しなければならなくなる。

 鹿熊議員は全くご存じないようである。情報公開なのだから自分で調べてみたらいいだろう。テロ特別措置法によりイージス艦をインド洋に派遣したがイラク戦争の艦艇にも補給しているのは米軍自身が述べていること。意見書は正しいし、幼稚なのは鹿熊議員のほうである。勉強不足の坊ちゃん議員という印象か。ただこのような無知な人間が県政を動かしているのでいいのだろうか。県民の良識を疑う。

 最後に独自の外交努力をするつもりのない、アメリカに隷従する日本に、国連中心主義と言っても無理なのだろう。アメリカには日本の独自性などというものは認められていないのだ。小泉外交が証明したではないか。鹿熊は客観的事実に目をつむり妄想にとらわれているにすぎない。


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