世界人権宣言  国際人権規約A(経済・社会・文化)    国際人権規約B(市民・政治)

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世界人権宣言の作成及び採択の経緯


 1947年の第4回経済社会理事会は、国連人権委員会委員長の要請に基づき、国際人権章典起草のため委員会を設け、オーストラリア、チリ、中国、フランス、オランダ、ソ連、英国、米国を委員国に選出しました。この起草委員会は、事務局作成の章典概要、英国の提出した章典案、米国の提出した章典条項案、フランスの提出した宣言条項案を基礎に審議した結果、法的な拘束力はないが人権保障の目標ないし基準を宣言する人権宣言と法的な拘束力をもつ人権規約の双方が必要であるとして、その草案を国連人権委員会に提出しました。起草委員会は、人権規約の実施問題も審議し、メモランダムを国連人権委員会に提出しました。
 1947年の第2回国連人権委員会は、国際権利章典は、人権宣言、人権規約及びその実施措置の3分野のすべてを含むことを決定し、まず人権宣言の検討を行い、これを経済社会理事会を通じて総会に提出しました。

 同宣言案は、1948年12月10日に第3回国連総会において「世界人権宣言」(Universal Declaration of Human Rights)として賛成48、反対0、棄権8(ソ連、ウクライナ、白ロシア、ポーランド、チェコスロバキア、ユーゴスラビア、サウジアラビア、南アフリカ)、欠席2(ホンジュラス、イエメン)で採択されました。同宣言は、人権及び自由を尊重し確保するために、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準を定めたものです。なお、1950年の第5回国連総会において、毎年12月10日を「人権デー」(Human Rights Day)として、世界中で記念行事を行うことが決議されました。



世界人権宣言(仮訳文)

前  文

 人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利とを承認することは、世界における自由、正義及び平和の基礎であるので、

 人権の無視及び軽侮が、人類の良心を踏みにじった野蛮行為をもたらし、言論及び信仰の自由が受けられ、恐怖及び欠乏のない世界の到来が、一般の人々の最高の願望として宣言されたので、
 人間が専制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えることがないようにするためには、法の支配によって人権保護することが肝要であるので、
 諸国間の友好関係の発展を促進することが、肝要であるので、
 国際連合の諸国民は、国際連合憲章において、基本的人権、人間の尊厳及び価値並びに男女の同権についての信念を再確認し、かつ、一層大きな自由のうちで社会的進歩と生活水準の向上とを促進することを決意したので、
 加盟国は、国際連合と協力して、人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び尊守の促進を達成することを誓約したので、
 これらの権利及び自由に対する共通の理解は、この誓約を完全にするためにもっとも重要であるので、
 よって、ここに、国際連合総会は、
 社会の各個人及び各機関が、この世界人権宣言を常に念頭に置きながら、加盟国自身の人民の間にも、また、加盟国の管轄下にある地域の人民の間にも、これらの権利と自由との尊重を指導及び教育によって促進すること並びにそれらの普遍的かつ効果的な承認と尊守とを国内的及び国際的な漸進的措置によって確保することに努力するように、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準として、この世界人権宣言を公布する。

第一条
 すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。


第二条
1  すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。
2  さらに、個人の属する国又は地域が独立国であると、信託統治地域であると、非自治地域であると、又は他のなんらかの主権制限の下にあるとを問わず、その国又は地域の政治上、管轄上又は国際上の地位に基づくいかなる差別もしてはならない。


第三条
 すべて人は、生命、自由及び身体の安全に対する権利を有する。


第四条
 何人も、奴隷にされ、又は苦役に服することはない。奴隷制度及び奴隷売買は、いかなる形においても禁止する。


第五条
 何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない。


第六条
 すべて人は、いかなる場所においても、法の下において、人として認められる権利を有する。


第七条
 すべての人は、法の下において平等であり、また、いかなる差別もなしに法の平等な保護を受ける権利を有する。すべての人は、この宣言に違反するいかなる差別に対しても、また、そのような差別をそそのかすいかなる行為に対しても、平等な保護を受ける権利を有する。


第八条
 すべて人は、憲法又は法律によって与えられた基本的権利を侵害する行為に対し、権限を有する国内裁判所による効果的な救済を受ける権利を有する。


第九条
 何人も、ほしいままに逮捕、拘禁、又は追放されることはない。


第十条
 すべて人は、自己の権利及び義務並びに自己に対する刑事責任が決定されるに当っては、独立の公平な裁判所による公正な公開の審理を受けることについて完全に平等の権利を有する。


第十一条
1  犯罪の訴追を受けた者は、すべて、自己の弁護に必要なすべての保障を与えられた公開の裁判において法律に従って有罪の立証があるまでは、無罪と推定される権利を有する。
2  何人も、実行の時に国内法又は国際法により犯罪を構成しなかった作為又は不作為のために有罪とされることはない。また、犯罪が行われた時に適用される刑罰より重い刑罰を課せられない。


第十二条
 何人も、自己の私事、家族、家庭若しくは通信に対して、ほしいままに干渉され、又は名誉及び信用に対して攻撃を受けることはない。人はすべて、このような干渉又は攻撃に対して法の保護を受ける権利を有する。


第十三条
1  すべて人は、各国の境界内において自由に移転及び居住する権利を有する。
2  すべて人は、自国その他いずれの国をも立ち去り、及び自国に帰る権利を有する。

第十四条
1  すべて人は、迫害を免れるため、他国に避難することを求め、かつ、避難する権利を有する。
2  この権利は、もっぱら非政治犯罪又は国際連合の目的及び原則に反する行為を原因とする訴追の場合には、援用することはできない。


第十五条
1  すべて人は、国籍をもつ権利を有する。
2  何人も、ほしいままにその国籍を奪われ、又はその国籍を変更する権利を否認されることはない。


第十六条
1  成年の男女は、人権、国籍又は宗教によるいかなる制限をも受けることなく、婚姻し、かつ家庭をつくる権利を有する。成年の男女は、婚姻中及びその解消に際し、婚姻に関し平等の権利を有する。
2  婚姻は、両当事者の自由かつ完全な合意によってのみ成立する。
3  家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する。


第十七条
1  すべて人は、単独で又は他の者と共同して財産を所有する権利を有する。
2  何人も、ほしいままに自己の財産を奪われることはない。


第十八条
 すべて人は、思想、良心及び宗教の自由に対する権利を有する。この権利は、宗教又は信念を変更する自由並びに単独で又は他の者と共同して、公的に又は私的に、布教、行事、礼拝及び儀式によって宗教又は信念を表明する自由を含む。


第十九条
 すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む。


第二十条
1  すべての人は、平和的集会及び結社の自由に対する権利を有する。
2  何人も、結社に属することを強制されない。


第二十一条
1  すべて人は、直接に又は自由に選出された代表者を通じて、自国の政治に参与する権利を有する。
2  すべて人は、自国においてひとしく公務につく権利を有する。
3  人民の意思は、統治の権力を基礎とならなければならない。この意思は、定期のかつ真正な選挙によって表明されなければならない。この選挙は、平等の普通選挙によるものでなければならず、また、秘密投票又はこれと同等の自由が保障される投票手続によって行われなければならない。


第二十二条
 すべて人は、社会の一員として、社会保障を受ける権利を有し、かつ、国家的努力及び国際的協力により、また、各国の組織及び資源に応じて、自己の尊厳と自己の人格の自由な発展とに欠くことのできない経済的、社会的及び文化的権利を実現する権利を有する。


第二十三条
1  すべて人は、勤労し、職業を自由に選択し、公正かつ有利な勤労条件を確保し、及び失業に対する保護を受ける権利を有する。
2  すべて人は、いかなる差別をも受けることなく、同等の勤労に対し、同等の報酬を受ける権利を有する。
3  勤労する者は、すべて、自己及び家族に対して人間の尊厳にふさわしい生活を保障する公正かつ有利な報酬を受け、かつ、必要な場合には、他の社会的保護手段によって補充を受けることができる。
4  すべて人は、自己の利益を保護するために労働組合を組織し、及びこれに参加する権利を有する。


第二十四条
 すべて人は、労働時間の合理的な制限及び定期的な有給休暇を含む休息及び余暇をもつ権利を有する。


第二十五条
1  すべて人は、衣食住、医療及び必要な社会的施設等により、自己及び家族の健康及び福祉に十分な生活水準を保持する権利並びに失業、疾病、心身障害、配偶者の死亡、老齢その他不可抗力による生活不能の場合は、保障を受ける権利を有する。
2  母と子とは、特別の保護及び援助を受ける権利を有する。すべての児童は、嫡出であると否とを問わず、同じ社会的保護を受ける。


第二十六条
1  すべて人は、教育を受ける権利を有する。教育は、少なくとも初等の及び基礎的の段階においては、無償でなければならない。初等教育は、義務的でなければならない。技術教育及び職業教育は、一般に利用できるものでなければならず、また、高等教育は、能力に応じ、すべての者にひとしく開放されていなければならない。
2  教育は、人格の完全な発展並びに人権及び基本的自由の尊重の強化を目的としなければならない。教育は、すべての国又は人種的若しくは宗教的集団の相互間の理解、寛容及び友好関係を増進し、かつ、平和の維持のため、国際連合の活動を促進するものでなければならない。
3  親は、子に与える教育の種類を選択する優先的権利を有する。


第二十七条
1  すべて人は、自由に社会の文化生活に参加し、芸術を鑑賞し、及び科学の進歩とその恩恵とにあずかる権利を有する。
2  すべて人は、その創作した科学的、文学的又は美術的作品から生ずる精神的及び物質的利益を保護される権利を有する。


第二十八条
 すべて人は、この宣言に掲げる権利及び自由が完全に実現される社会的及び国際的秩序に対する権利を有する。


第二十九条
1  すべて人は、その人格の自由かつ完全な発展がその中にあってのみ可能である社会に対して義務を負う。
2  すべて人は、自己の権利及び自由を行使するに当っては、他人の権利及び自由の正当な承認及び尊重を保障すること並びに民主的社会における道徳、公の秩序及び一般の福祉の正当な要求を満たすことをもっぱら目的として法律によって定められた制限にのみ服する。
3  これらの権利及び自由は、いかなる場合にも、国際連合の目的及び原則に反して行使してはならない。


第三十条
 この宣言のいかなる規定も、いずれかの国、集団又は個人に対して、この宣言に掲げる権利及び自由の破壊を目的とする活動に従事し、又はそのような目的を有する行為を行う権利を認めるものと解釈してはならない。


国際人権規約の作成及び採択の経緯

 世界人権宣言の作業を終えた国連人権委員会は、次いで、人権規約の作成作業にとりかかることとなりました。
 国連における国際人権規約作成の作業は、国連人権委員会における規約草案の作成の段階と国連総会第3委員会における審議及び採択の段階に大別することができます。



(1) 国連人権委員会における草案の作成(1949年〜1954年)
 国連人権委員会は、第5回(1949年)から第10回(1954年)までの6会期を費して、草案の作成に努力しました。
 国連人権委員会の第5回会期(1949年)と第6回会期(1950年)においては、第2回会期(1946年)と1947年及び1948年の起草委員会とで作られたテキストに基づいて審議が行われ、一応の草案が出来たのですが、その草案には市民的及び政治的権利(Civil and Political Rights)(いわゆる自由権及び参政権)に関する条項と、その実施措置として人権委員会(Human Rights Committee)の制度に関するものが含まれていました。
 1950年の第5回国連総会においては、世界人権宣言が理想とする「自由な人間」であるためには市民的及び政治的権利が保障されるだけでなく、欠乏からの自由、つまり経済的、社会的及び文化的権利の確保が必要であるとの観点から、規約草案にこれらのいわゆる社会権と男女平等の規定を含めることが決定されました。
 その後、1951年の第6回国連総会においては、規約草案の作成に当たり、市民的及び政治的権利に関する規約と経済的、社会的及び文化的権利に関する規約とに分けて2つの国際人権規約を作成することが決定されました。
 1954年、国連人権委員会は、それぞれ実施措置を盛り込んだ2つの国際人権規約の草案、すなわち、「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(以下「A規約」と略称)及び「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(以下「B規約」と略称)の草案を作成しました。



(2) 国連総会第3委員会における審議及び採択(1954年〜1966年)
 規約草案は、第9回総会から第21回総会にかけて第3委員会において逐条ごとに審議され、種々の修正を経た後、1966年12月16日、総会において全会一致で採択されました。また、これらの両規約のほかに、B規約の実施に関連して同規約に掲げる権利の侵害について締約国の個人が行った通報をこの規約によって設けられた人権委員会が審議する制度について規定した「市民的及び政治的権利に関する国際規約の選択議定書」(以下「選択議定書」と略称)が賛成66、反対2、棄権38で採択されました。



(3) 第二選択議定書の作成及び採択(1980〜1989年)
 B規約第六条に言及されている死刑制度に関連して、死刑廃止を目的とする選択議定書草案の起草についての検討が1980年の第35回国連総会で開始されました。その後、検討は国連人権委員会及び国連差別防止・少数者保護小委員会に委ねられ、同小委員会より任命された特別報告者は、1987年、議定書草案を含む報告書を小委員会に提出しました。同議定書草案は小委員会、人権委員会をコンセンサスで通過した後、経済社会理事会を経て、1989年第44回国連総会に送付されました。同草案は、「市民的及び政治的権利に関する国際規約の第二選択議定書」(以下「第二選択議定書」と略称)として、同年12月15日、賛成59、反対26、棄権48で採択されました。



(4) 効力の発生
 A規約は、1976年1月3日に、B規約及び選択議定書は、1976年3月23日に、第二選択議定書は1991年7月10日に、それぞれ効力を生じました。
 1997年12月現在の締約国数は、A規約が137カ国、B規約が140カ国、選択議定書が93カ国、第二選択議定書が31カ国です。




経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(A規約)

 この規約の締約国は、
 国際連合憲章において宣明された原則によれば、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び平等のかつ奪い得ない権利を認めることが世界における自由、正義及び平和の基礎をなすものであることを考慮し、
 これらの権利が人間の固有の尊厳に由来することを認め、
 世界人権宣言によれば、自由な人間は恐怖及び欠乏からの自由を享受することであるとの理想は、すべての者がその市民的及び政治的権利とともに経済的、社会的及び文化的権利を享有することのできる条件が作り出される場合に初めて達成されることになることを認め、
 人権及び自由の普遍的な尊重及び遵守を助長すべき義務を国際連合憲章に基づき諸国が負っていることを考慮し、
 個人が、他人に対し及びその属する社会に対して義務を負うこと並びにこの規約において認められる権利の増進及び擁護のために努力する責任を有することを認識して、
 次のとおり協定する。


第一部

第一条

1 すべての人民は、自決の権利を有する。この権利に基づき、すべての人民は、その政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する。

2 すべて人民は、互恵の原則に基づく国際的経済協力から生ずる義務及び国際法上の義務に違反しない限り、自己のためにその天然の富及び資源を自由に処分することができる。人民は、いかなる場合にも、その生存のための手段を奪われることはない。

3 この規約の締約国(非自治地域及び信託統治地域の施政の責任を有する国を含む。)は、国際連合憲章の規定に従い、自決の権利が実現されることを促進し及び自決の権利を尊重する。

第二部

第二条

1 この規約の各締約国は、立法措置その他のすべての適当な方法によりこの規約において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成するため、自国における利用可能な手段を最大限に用いることにより、個々に又は国際的な援助及び協力、特に、経済上及び技術上の援助及び協力を通じて、行動をとることを約束する。

2 この規約の締約国は、この規約に規定する権利が人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位によるいかなる差別もなしに行使されることを保障することを約束する。

3 開発途上にある国は、人権及び自国の経済の双方に十分な考慮を払い、この規約において認められる経済的権利をどの程度まで外国人に保障するかを決定することができる。

第三条

 この規約の締約国は、この規約に定めるすべての経済的、社会的及び文化的権利の享有について男女に同等の権利を確保することを約束する。

第四条

 この規約の締約国は、この規約に合致するものとして国により確保される権利の享受に関し、その権利の性質と両立しており、かつ、民主的社会における一般的福祉を増進することを目的としている場合に限り、法律で定める制限のみをその権利に課すことができることを認める。

第五条

1 この規約のいかなる規定も、国、集団又は個人が、この規約において認められる権利若しくは自由を破壊し若しくはこの規約に定める制限の範囲を超えて制限することを目的とする活動に従事し又はそのようなことを目的とする行為を行う権利を有することを意味するものと解することはできない。

2 いずれかの国において法律、条約、規則又は慣習によって認められ又は存する基本的人権については、この規約がそれらの権利を認めていないこと又はその認める範囲がより狭いことを理由として、それらの権利を制限し又は侵すことは許されない。

第三部

第六条

1 この規約の締約国は、労働の権利を認めるものとし、この権利を保障するため適当な措置をとる。この権利には、すべての者が自由に選択し又は承諾する労働によって生計を立てる機会を得る権利を含む。

2 この規約の締約国が1の権利の完全な実現を達成するためとる措置には、個人に対して基本的な政治的及び経済的自由を保障する条件の下で着実な経済的、社会的及び文化的発展を実現し並びに完全かつ生産的な雇用を達成するための技術及び職業の指導及び訓練に関する計画、政策及び方法を含む。

第七条

 この規約の締約国は、すべての者が公正かつ良好な労働条件を享受する権利を有することを認める。この労働条件は、特に次のものを確保する労働条件とする。


(a) すべての労働者に最小限度次のものを与える報酬   (i)  公正な資金及びいかなる差別もない同一価値の労働についての同一報酬。特に、女子については、同一の労働についての同一報酬とともに男子が享受する労働条件に劣らない労働条件が保障されること。
 
  (ii)  労働者及びその家族のこの規約に適合する相応な生活


(b) 安全かつ健康的な作業条件
(c) 先任及び能力以外のいかなる事由も考慮されることなく、すべての者がその雇用関係においてより高い過当な地位に昇進する均等な機会
(d) 休息、余暇、労働時間の合理的な制限及び定期的な有給休暇並びに公の休日についての報酬

第八条

1 この規約の締約国は、次の権利を確保することを約束する。


(a) すべての者がその経済的及び社会的利益を増進し及び保護するため、労働組合を結成し及び当該労働組合の規則にのみ従うことを条件として自ら選択する労働組合に加入する権利。この権利の行使については、法律で定める制限であって国の安全若しくは公の秩序のため又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課することができない。
(b) 労働組合が国内の連合又は総連合を設立する権利及びこれらの連合又は総連合が国際的な労働組合団体を結成し又はこれに加入する権利
(c) 労働組合が、法律で定める制限であって国の安全若しくは公の秩序のため又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も受けることなく、自由に活動する権利
(d) 同盟罷業をする権利。ただし、この権利は、各国の法律に従って行使されることを条件とする。

2 この条の規定は、軍隊若しくは警察の構成員又は公務員による1の権利の行使について合法的な制限を課することを妨げるものではない。
3 この条のいかなる規定も、結社の自由及び団結権の保護に関する千九百四十八年の国際労働機関の条約の締約国が、同条約に規定する保障を阻害するような立法措置を講ずること又は同条約に規定する保障を阻害するような方法により法律を適用することを許すものではない。

第九条

 この規約の締約国は、社会保険その他の社会保障についてのすべての者の権利を認める。

第十条

 この規約の締約国は、次のことを認める。

1 できる限り広範な保護及び援助が、社会の自然かつ基礎的な単位である家族に対し、特に、家族の形成のために並びに扶養児童の養育及び教育について責任を有する間に、与えられるべきである。婚姻は、両当事者の自由な合意に基づいて成立するものでなければならない。

2 産前産後の合理的な期間においては、特別な保護が母親に与えられるべきである。働いている母親には、その期間において、有給休暇又は相当な社会保障給付を伴う休暇が与えられるべきである。

3 保護及び援助のための特別な措置が、出生の他の事情を理由とするいかなる差別もなく、すべての児童及び年少者のためにとられるべきである。児童及び年少者は、経済的及び社会的な搾取から保護されるべきである。児童及び年少者を、その精神若しくは健康に有害であり、その生命に危険があり又はその正常な発育を妨げるおそれのある労働に使用することは、法律で処罰すべきである。また、国は年齢による制限を定め、その年齢に達しない児童を賃金を支払って使用することを法律で禁止しかつ処罰すべきである。

第十一条

1 この規約の締約国は、自己及びその家族のための相当な食糧、衣類及び住居を内容とする相当な生活水準についての並びに生活条件の不断の改善についてのすべての者の権利を認める。締約国は、この権利の実現を確保するために適当な措置をとり、このためには、自由な合意に基づく国際協力が極めて重要であることを認める。

2 この規約の締約国は、すべての者が飢餓から免れる基本的な権利を有することを認め、個々に及び国際協力を通じて、次の目的のため、具体的な計画その他の必要な措置をとる。


(a) 技術的及び科学的知識を十分に利用することにより、栄養に関する原則についての知識を普及させることにより並びに天然資源の最も効果的な開発及び利用を達成するように農地制度を発展させ又は改革することにより、食糧の生産、保存及び分配の方法を改善すること。
(b) 食糧の輸入国及び輸出国の双方の問題に考慮を払い、需要との関連において世界の食糧の供給の衡平な分配を確保すること。

第十二条
1 この規約の締約国は、すべての者が到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利を有することを認める。

2 この規約の締約国が1の権利の完全な実現を達成するためにとる措置には、次のことに必要な措置を含む。


(a) 死産率及び幼児の死亡率を低下させるための並びに児童の健全な発育のための対策
(b) 環境衛生及び産業衛生のあらゆる状態の改善
(c) 伝染病、風土病、職業病その他の疾病の予防、治療及び抑圧
(d) 病気の場合にすべての者に医療及び看護を確保するような条件の創出

第十三条
1 この規約の締約国は、教育についてのすべての者の権利を認める。締約国は、教育が人格の完成及び人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきことに同意する。更に、締約国は、教育が、すべての者に対し、自由な社会に効果的に参加すること、諸国民の間及び人種的、種族的又は宗教的集団の間の理解、寛容及び友好を促進すること並びに平和の維持のための国際連合の活動を助長することを可能にすべきことに同意する。

2 この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める。


(a) 初等教育は、義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとすること。
(b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。
(c) 高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。
(d) 基礎教育は、初等教育を受けなかった者又はその全課程を修了しなかった者のため、できる限り奨励され又は強化されること。
(e) すべての段階にわたる学校制度の発展を積極的に追求し、適当な奨学金制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善すること。

3 この規約の締約国は、父母及び場合により法定保護者が、公の機関によって設置される学校以外の学校であって国によって定められ又は承認される最低限度の教育上の基準に適合するものを児童のために選択する自由並びに自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を有することを尊重することを約束する。
4 この条のいかなる規定も、個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし、常に、1に定める原則が遵守されること及び当該教育機関において行なわれる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。

第十四条

 この規約の締約国となる時にその本土地域又はその管轄の下にある他の地域において無償の初等義務教育を確保するに至っていない各締約国は、すべての者に対する無償の義務教育の原則をその計画中に定める合理的な期間内に漸進的に実施するための詳細な行動計画を二年以内に作成しかつ採用することを約束する。

第十五条

1 この規約の締約国は、すべての者の次の権利を認める。


(a) 文化的な生活に参加する権利
(b) 科学の進歩及びその利用による利益を享受する権利
(c) 自己の科学的、文学的又は芸術的作品により生ずる精神的及び物質的利益が保護されることを享受する権利

2 この規約の締約国が1の権利の完全な実現を達成するためにとる措置には、科学及び文化の保存、発展及び普及に必要な措置を含む。
3 この規約の締約国は、科学研究及び創作活動に不可欠な自由を尊重することを約束する。

4 この規約の締約国は、科学及び文化の分野における国際的な連絡及び協力を奨励し及び発展させることによって得られる利益を認める。

第四部

第十六条

1 この規約の締約国は、この規約において認められる権利の実現のためにとった措置及びこれらの権利の実現についてもたらされた進歩に関する報告をこの部の規定に従って提出することを約束する。

2
(a) すべての報告は、国際連合事務総長に提出するものとし、同事務総長は、この規約による経済社会理事会の審議のため、その写しを同理事会に送付する。
(b) 国際連合事務総長は、また、いずれかの専門機関の加盟国であるこの規約の締結によって提出される報告又はその一部が当該専門機関の基本文書によりその任務の範囲内にある事項に関連を有するものである場合には、それらの報告又は関係部分の写しを当該専門機関に送付する。
第十七条
1 この規約の締約国は、経済社会理事会が締約国及び関係専門機関との協議の後この規約の効力発生の後一年以内に作成する計画に従い、報告を段階的に提出する。

2 報告には、この規約に基づく義務の履行程度に影響を及ぼす要因及び障害を記載することができる。

3 関連情報がこの規約の締約国により国際連合又はいずれかの専門機関に既に提供されている場合には、その情報については、再び提供の必要はなく、提供に係る情報について明確に言及することで足りる。

第十八条

 経済社会理事会は、人権及び基本的自由の分野における国際連合憲章に規定する責任に基づき、いずれかの専門機関の任務の範囲内にある事項に関するこの規約の規定の遵守についてもたらされた進歩に関し当該専門機関が同理事会に報告することにつき、当該専門機関と取極を行うことができる。報告には、当該専門機関の権限のある機関がこの規約の当該規定の実施に関して採択した決定及び勧告についての詳細を含ませることができる。

第十九条

 経済社会理事会は、第十六条及び第十七条の規定により締約国が提出する人権に関する報告並びに前条の規定により専門機関が提出する人権に関する報告を、検討及び一般的な性格を有する勧告のため又は適当な場合には情報用として、人権委員会に送付することができる。

第二十条

 この規約の締約国及び関係専門機関は、前条にいう一般的な性格を有する勧告に関する意見又は人権委員会の報告において若しくはその報告で引用されている文書において言及されている一般的な性格を有する勧告に関する意見を、経済社会理事会に提出することができる。

第二十一条

 経済社会理事会は、一般的な性格を有する勧告を付した報告、並びにこの規約の締約国及び専門機関から得た情報であってこの規約において認められる権利の実現のためにとられた措置及びこれらの権利の実現についてもたらされた進歩に関する情報の概要を、総会に随時提出することができる。

第二十二条

 経済社会理事会は、技術援助の供与に関係を有する国際連合の他の機関及びこれらの補助機関並びに専門機関に対し、この部に規定する報告により提起された問題であって、これらの機関がそれぞれの権限の範囲内でこの規約の効果的かつ漸進的な実施に寄与すると認められる国際的措置をとることの適否の決定に当たって参考となるものにつき、注意を喚起することができる。

第二十三条

 この規約の締約国は、この規約において認められる権利の実現のための国際的措置には条約の締結、勧告の採択、技術援助の供与並びに関係国の政府との連携により組織される協議及び検討のための地域会議及び専門家会議の開催のような措置が含まれることに同意する。

第二十四条

 この規約のいかなる規定も、この規約に規定されている事項につき、国際連合の諸機関及び専門機関の任務をそれぞれ定めている国際連合憲章及び専門機関の基本文書の規定の適用を妨げるものと解してはならない。

第二十五条

 この規約のいかなる規定も、すべての人民がその天然の富及び資源を十分かつ自由に享受し及び利用する固有の権利を害するものと解してはならない。

第五部

第二十六条

1 この規約は、国際連合又はいずれかの専門機関の加盟国、国際司法裁判所規程の当事国及びこの規約の締約国となるよう国際連合総会が招請する他の国による署名のために開放しておく。

2 この規約は、批准されなければならない。批准書は、国際連合事務総長に寄託する。

3 この規約は、1に規程する国による加入のために開放しておく。

4 加入は、加入書を国際連合事務総長に寄託することによって行う。

5 国際連合事務総長は、この規約に署名し又は加入したすべての国に対し、各批准書又は各加入書の寄託を通報する。

第二十七条

1 この規約は、三十五番目の批准書又は加入書が国際連合事務総長に寄託された日の後三箇月で効力を生ずる。

2 この規約は、三十五番目の批准書又は加入書が寄託された後に批准し又は加入する国については、その批准書又は加入書が寄託された日の後三箇月で効力を生ずる。

第二十八条

 この規約は、いかなる制限又は例外もなしに連邦国家のすべての地域について適用する。

第二十九条

1 この規約のいずれの締約国も、改正を提案し及び改正案を国際連合事務総長に提出することができる。同事務総長は、直ちに、この規約の締約国に対し、改正案を送付するものとし、締約国による改正案の審議及び投票のための締約国会議の開催についての賛否を同事務総長に通告するよう要請する。締約国の三分の一以上が会議の開催に賛成する場合には、同事務総長は、国際連合の主催の下に会議を招集する。会議において出席しかつ投票する締約国の過半数によって採択された改正案は、承認のため、国際連合総会に提出する。

2 改正は、国際連合総会が承認し、かつ、この規約の締約国の三分の二以上の多数がそれぞれの国の憲法上の手続に従って受諾したときに、効力を生ずる。

3 改正は、効力を生じたときは、改正を受諾した締約国を拘束するものとし、他の締約国は、改正前のこの規約の規定(受諾した従前の改正を含む。)により引き続き拘束される。

第三十条

 第二十六条5の規定により行われる通報にかかわらず、国際連合事務総長は、同条1に規定するすべての国に対し、次の事項を通報する。

(a) 第二十六条の規定による署名、批准及び加入
(b) 第二十七条の規定に基づきこの規約が効力を生ずる日及び前条の規定により改正が効力を生ずる日
第三十一条
1 この規約は、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とし、国際連合に寄託される。

2 国際連合事務総長は、この規約の認証謄本を第二十六条に規定するすべての国に送付する。

 以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けて、千九百六十六年十二月十九日にニューヨークで署名のために開放されたこの規約に署名した。

  (署名欄は省略)


市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)

 この規約の締約国は、
 国際連合憲章において宣明された原則によれば、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び平等のかつ奪い得ない権利を認めることが世界における自由、正義及び平和の基礎をなすものであることを考慮し、
 これらの権利が人間の固有の尊厳に由来することを認め、
 世界人権宣言によれば、自由な人間は市民的及び政治的自由並びに恐怖及び欠乏からの自由を享受するものであるとの理想は、すべての者がその経済的、社会的及び文化的権利とともに市民的及び政治的権利を享有することのできる条件が作り出される場合に初めて達成されることになることを認め、
 人権及び自由の普遍的な尊重及び遵守を助長すべき義務を国際連合憲章に基づき諸国が負っていることを考慮し、
 個人が、他人に対し及びその属する社会に対して義務を負うこと並びにこの規約において認められる権利の増進及び擁護のために努力する責任を有することを認識して、
 次のとおり協定する。

第一部

第一条

1 すべての人民は、自決の権利を有する。この権利に基づき、すべての人民は、その政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する。

2 すべての人民は、互恵の原則に基づく国際的経済協力から生ずる義務及び国際法上の義務に違反しない限り、自己のためにその天然の富及び資源を自由に処分することができる。人民は、いかなる場合にも、その生存のための手段を奪われることはない。

3 この規約の締約国(非自治地域及び信託統治地域の施政の責任を有する国を含む。)は、国際連合憲章の規定に従い、自決の権利が実現されることを促進し及び自決の権利を尊重する。

第二部

第二条

1 この規約の各締約国は、その領域内にあり、かつ、その管轄の下にあるすべての個人に対し、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位等によるいかなる差別もなしにこの規約において認められる権利を尊重し及び確保することを約束する。

2 この規約の各締約国は、立法措置その他の措置がまだとられていない場合には、この規約において認められる権利を実現するために必要な立法措置その他の措置をとるため、自国の憲法上の手続及びこの規約の規定に従って必要な行動をとることを約束する。

3 この規約の各締約国は、次のことを約束する。

 (a) この規約において認められる権利又は自由を侵害された者が、公的資格で行動する者によりその侵害が行われた場合にも、効果的な救済措置を受けることを確保すること。
 (b) 救済措置を求める者の権利が権限のある司法上、行政上若しくは立法上の機関又は国の法制で定める他の権限のある機関によって決定されることを確保すること及び司法上の救済措置の可能性を発展させること。
 (c) 救済措置が与えられる場合に権限のある機関によって執行されることを確保すること。
第三条
 この規約の締約国は、この規約に定めるすべての市民的及び政治的権利の享有について男女に同等の権利を確保することを約束する。

第四条

1 国民の生存を脅かす公の緊急事態の場合においてその緊急事態の存在が公式に宣言されているときは、この規約の締約国は、事態の緊急性が真に必要とする限度において、この規約に基づく義務に違反する措置をとることができる。ただし、その措置は、当該締約国が国際法に基づき負う他の義務に抵触してはならず、また、人種、皮膚の色、性、言語、宗教又は社会的出身のみを理由とする差別を含んではならない。

2 一の規定は、第六条、第七条、第八条1及び2、第十一条、第十五条、第十六条並びに第十八条の規定に違反することを許すものではない。

3 義務に違反する措置をとる権利を行使するこの規約の締約国は、違反した規定及び違反するに至った理由を国際連合事務総長を通じてこの規約の他の締約国に直ちに通知する。更に、違反が終了する日に、同事務総長を通じてその旨通知する。

第五条

1 この規約のいかなる規定も、国、集団又は個人が、この規約において認められる権利及び自由を破壊し若しくはこの規約に定める制限の範囲を超えて制限することを目的とする活動に従事し又はそのようなことを目的とする行為を行う権利を有することを意味するものと解することはできない。

2 この規約のいずれかの締約国において法律、条約、規則又は慣習によって認められ又は存する基本的人権については、この規約がそれらの権利を認めていないこと又はその認める範囲がより狭いことを理由として、それらの権利を制限し又は侵してはならない。

第三部

第六条

1 すべての人間は、生命に対する固有の権利を有する。この権利は、法律によって保護される。何人も、恣意的にその生命を奪われない。

2 死刑を廃止していない国においては、死刑は、犯罪が行われた時に効力を有しており、かつ、この規約の規定及び集団殺害犯罪の防止及び処罰に関する条約の規定に抵触しない法律により、最も重大な犯罪についてのみ科することができる。この刑罰は、権限のある裁判所が言い渡した確定判決によってのみ執行することができる。

3 生命の剥奪が集団殺害犯罪を構成する場合には、この条のいかなる想定も、この規約の締約国が集団殺害犯罪の防止及び処罰に関する条約の規定に基づいて負う義務を方法のいかんを問わず免れることを許すものではないと了解する。

4 死刑を言い渡されたいかなる者も、特赦又は減刑を求める権利を有する。死刑に対する大赦、特赦又は減刑はすべての場合に与えることができる。

5 死刑は、十八歳未満の者が行った犯罪について科してはならず、また、妊娠中の女子に対して執行してはならない。

6 この条のいかなる規定も、この規約の締約国により死刑の廃止を遅らせ又は妨げるために援用されてはならない。

第七条

 何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けない。特に、何人も、その自由な同意なしに医学的又は科学的実験を受けない。

第八条

1 何人も、奴隷の状態に置かれない。あらゆる形態の奴隷制度及び奴隷取引は、禁止する。

2 何人も、隷属状態に置かれない。

3
(a) 何人も、強制労働に服することを要求されない。
(b) (a)の規定は、犯罪に対する刑罰として強制労働を伴う拘禁刑を科することができる国において、権限のある裁判所による刑罰の言渡しにより強制労働をさせることを禁止するものと解してはならない。
(c) この三の適用上、「強制労働」には、次のものを含まない。
(i) 作業又は役務であって、(b)の規定において言及されておらず、かつ、裁判所の合法的な命令によって抑留されている者又はその抑留を条件付きで免除されている者に通常要求されるもの
(ii) 軍事的性質の役務及び、良心的兵役拒否が認められている国においては、良心的兵役拒否者が法律によって要求される国民的役務
(iii) 社会の存立又は福祉を脅かす緊急事態又は災害の場合に要求される役務
(iv) 市民としての通常の義務とされる作業又は役務
第九条
1 すべての者は、身体の自由及び安全についての権利を有する。何人も、恣意的に逮捕され又は抑留されない。何人も、法律で定める理由及び手続によらない限り、その自由を奪われない。

2 逮捕される者は、逮捕の時にその理由を告げられるものとし、自己に対する被疑事実を速やかに告げられる。

3 刑事上の罪に問われて逮捕され又は抑留された者は、裁判官又は司法権を行使することが法律によって認められている他の官憲の面前に速やかに連れて行かれるものとし、妥当な期間内に裁判を受ける権利又は釈放される権利を有する。裁判に付される者を抑留することが原則であってはならず、釈放に当たっては、裁判その他の司法上の手続のすべての段階における出頭及び必要な場合における判決の執行のための出頭が保証されることを条件とすることができる。

4 逮捕又は抑留によって自由を奪われた者は、裁判所がその抑留が合法的であるかどうかを遅滞なく決定すること及びその抑留が合法的でない場合にはその釈放を命ずることができるように、裁判所において手続をとる権利を有する。

5 違法に逮捕され又は抑留された者は、賠償を受ける権利を有する。

第十条

1 自由を奪われたすべての者は、人道的にかつ人間の固有の尊厳を尊重して、取り扱われる。

2
(a) 被告人は、例外的な事情がある場合を除くほか有罪の判決を受けた者とは分離されるものとし、有罪の判決を受けていない者としての地位に相応する別個の取扱いを受ける。
(b) 少年の被告人は、成人とは分離されるものとし、できる限り速やかに裁判に付される。
3 行刑の制度は、被拘禁者の矯正及び社会復帰を基本的な目的とする処遇を含む。少年の犯罪者は、成人とは分離されるものとし、その年齢及び法的地位に相応する取扱いを受ける。
第十一条

 何人も、契約上の義務を履行することができないことのみを理由として拘禁されない。

第十二条

1 合法的にいずれかの国の領域内にいるすべての者は、当該領域内において、移動の自由及び居住の自由についての権利を有する。

2 すべての者は、いずれの国(自国を含む。)からも自由に離れることができる。

3 1及び2の権利は、いかなる制限も受けない。ただし、その制限が、法律で定められ、国の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の権利及び自由を保護するために必要であり、かつ、この規約において認められる他の権利と両立するものである場合は、この限りでない。

4 何人も、自国に戻る権利を恣意的に奪われない。

第十三条

 合法的にこの規約の締約国の領域内にいる外国人は、法律に基づいて行われた決定によってのみ当該領域から追放することができる。国の安全のためのやむを得ない理由がある場合を除くほか、当該外国人は、自己の追放に反対する理由を提示すること及び権限のある機関又はその機関が特に指名する者によって自己の事案が審査されることが認められるものとし、この為にその機関又はその者に対する代理人の出頭が認められる。

第十四条

1 すべての者は、裁判所の前に平等とする。すべての者は、その刑事上の罪の決定又は民事上の権利及び義務の争いについての決定のため、法律で設置された、権限のある、独立の、かつ、公平な裁判所による公正な公開審理を受ける権利を有する。報道機関及び公衆に対しては、民主的社会における道徳、公の秩序若しくは国の安全を理由として、当事者の私生活の利益のため必要な場合において又はその公開が司法の利益を害することとなる特別な状況において裁判所が真に必要があると認める限度で、裁判の全部又は一部を公開しないことができる。もっとも、刑事訴訟又は他の訴訟において言い渡される判決は、少年の利益のために必要がある場合又は当該手続が夫婦間の争い若しくは児童の後見に関するものである場合を除くほか、公開する。

2 刑事上の罪に問われているすべての者は、法律に基づいて有罪とされるまでは、無罪と推定される権利を有する。

3 すべての者は、その刑事上の罪の決定について、十分平等に、少なくとも次の保障を受ける権利を有する。

(a) その理解する言語で速やかにかつ詳細にその罪の性質及び理由を告げられること。
(b) 防御の準備のために十分な時間及び便益を与えられ並びに自ら選任する弁護人と連絡すること。
(c) 不当に遅延することなく裁判を受けること。
(d) 自ら出席して裁判を受け及び、直接に又は自ら選任する弁護人を通じて、防御すること。弁護人がいない場合には、弁護人を持つ権利を告げられること。司法の利益のために必要な場合には、十分な支払手段を有しないときは自らその費用を負担することなく、弁護人を付されること。
(e) 自己に不利な証人を尋問し又はこれに対し尋問させること並びに自己に不利な証人と同じ条件で自己のための証人の出席及びこれに対する尋問を求めること。
(f) 裁判所において使用される言語を理解すること又は話すことができない場合には、無料で通訳の援助を受けること。
(g) 自己に不利益な供述又は有罪の自白を強要されないこと。
4 少年の場合には、手続は、その年齢及びその更生の促進が望ましいことを考慮したものとする。
5 有罪の判決を受けたすべての者は、法律に基づきその判決及び刑罰を上級の裁判所によって再審理される権利を有する。

6 確定判決によって有罪と決定された場合において、その後に、新たな事実又は新しく発見された事実により誤審のあったことが決定的に立証されたことを理由としてその有罪の判決が破棄され又は赦免が行われたときは、その有罪の判決の結果刑罰に服した者は、法律に基づいて補償を受ける。ただし、その知られなかった事実が適当な時に明らかにされなかったことの全部又は一部がその者の責めに帰するものであることが証明される場合は、この限りでない。

7 何人も、それぞれの国の法律及び刑事手続に従って既に確定的に有罪又は無罪の判決を受けた行為について再び裁判され又は処罰されることはない。

第十五条

1 何人も、実行の時に国内法又は国際法により犯罪を構成しなかった作為又は不作為を理由として有罪とされることはない。何人も、犯罪が行われた時に適用されていた刑罰よりも重い刑罰を科されない。犯罪が行われた後により軽い刑罰を科する規定が法律に設けられる場合には、罪を犯した者は、その利益を受ける。

2 この条のいかなる規定も、国際社会の認める法の一般原則により実行の時に犯罪とされていた作為又は不作為を理由として裁判しかつ処罰することを妨げるものでない。

第十六条

 すべての者は、すべての場所において、法律の前に人として認められる権利を有する。

第十七条

1 何人も、その私生活、家族、住居若しくは通信に対して恣意的に若しくは不法に干渉され又は名誉及び信用を不法に攻撃されない。

2 すべての者は、1の干渉又は攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する。

第十八条

1 すべての者は、思想、良心及び宗教の自由についての権利を有する。この権利には、自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由並びに、単独で又は他の者と共同して及び公に又は私的に、礼拝、儀式、行事及び教導によってその宗教又は信念を表明する自由を含む。

2 何人も、自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由を侵害するおそれのある強制を受けない。

3 宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳又は他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要なもののみを課することができる。

4 この規約の締約国は父母及び場合により法定保護者が、自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を有することを尊重することを約束する。

第十九条

1 すべての者は、干渉されることなく意見を持つ権利を有する。

2 すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。

3 2の権利の行使には、特別の義務及び責任を伴う。したがって、この権利の行使については、一定の制限を課すことができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。

(a) 他の者の権利又は信用の尊重
(b) 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護
第二十条
1 戦争のためのいかなる宣伝も、法律で禁止する。

2 差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道は、法律で禁止する。

第二十一条

 平和的な集会の権利は、認められる。この権利の行使については、法律で定める制限であって国の安全若しくは公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳の保護又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課することができない。

第二十二条

1 すべての者は、結社の自由についての権利を有する。この権利には、自己の利益の保護のために労働組合を結成し及びこれに加入する権利を含む。

2 1の権利の行使については、法律で定める制限であって国の安全若しくは公共の安全、公の秩序、公衆の健康若しくは道徳の保護又は他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課することができない。この条の規定は、1の権利の行使につき、軍隊及び警察の構成員に対して合法的な制限を課することを妨げるものではない。

3 この条のいかなる規定も、結社の自由及び団結権の保護に関する千九百四十八年の国際労働機関の条約の締約国が、同条約に規定する保障を阻害するような立法措置を講ずること又は同条約に規定する保障を阻害するような方法により法律を適用することを許すものではない。

第二十三条

1 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利を有する。

2 婚姻をすることができる年齢の男女が婚姻をしかつ家族を形成する権利は、認められる。

3 婚姻は、両当事者の自由かつ完全な合意なしには成立しない。

4 この規約の締約国は、婚姻中及び婚姻の解消の際に、婚姻に係る配偶者の権利及び責任の平等を確保するため、適当な措置をとる。その解消の場合には、児童に対する必要な保護のため、措置がとられる。

第二十四条

1 すべての児童は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、国民的若しくは社会的出身、財産又は出生によるいかなる差別もなしに、未成年者としての地位に必要とされる保護の措置であって家族、社会及び国による措置について権利を有する。

2 すべての児童は、出生の後直ちに登録され、かつ、氏名を有する。

3 すべての児童は、国籍を取得する権利を有する。

第二十五条

 すべての市民は、第二条に規定するいかなる差別もなく、かつ、不合理な制限なしに、次のことを行う権利及び機会を有する。

(a) 直接に、又は自由に選んだ代表者を通じて、政治に参与すること。
(b) 普通かつ平等の選挙権に基づき秘密投票により行われ、選挙人の意思の自由な表明を保障する真正な定期的選挙において、投票し及び選挙されること。
(c) 一般的な平等条件の下で自国の公務に携わること。
第二十六条
 すべての者は、法律の前に平等であり、いかなる差別もなしに法律による平等の保護を受ける権利を有する。このため、法律は、あらゆる差別を禁止し及び人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、出生又は他の地位等のいかなる理由による差別に対しても平等のかつ効果的な保護をすべての者に保障する。

第二十七条

 種族的、宗教的又は言語的少数民族が存在する国において、当該少数民族に属する者は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。

第四部

第二十八条

1 人権委員会(以下「委員会」という。)を設置する。委員会は、十八人の委員で構成するものとして、この部に定める任務を行う。

2 委員会は、高潔な人格を有し、かつ、人権の分野において能力を認められたこの規約の締約国の国民で構成する。この場合において、法律関係の経験を有する者の参加が有益であることに考慮を払う。

3 委員会の委員は、個人の資格で、選挙され及び職務を遂行する。

第二十九条

1 委員会の委員は、前条に定める資格を有し、かつ、この規約の締約国により選挙のために指名された者の名簿の中から秘密投票により選出される。

2 この規約の各締約国は、一人又は二人を指名することができる。指名される者は、指名する国の国民とする。

3 いずれの者も、再指名される資格を有する。

第三十条

1 委員会の委員の最初の選挙は、この規約の効力発生の日の後六箇月以内に行う。

2 第三十四条の規定に従って空席(第三十三条の規定により宣言された空席をいう。)を補充するための選挙の場合を除くほか、国際連合事務総長は、委員会の委員の選挙の日の遅くとも四箇月前までに、この規約の締約国に対し、委員会の委員に指名された者の氏名を三箇月以内に提出するよう書面で要請する。

3 国際連合事務総長は、2にいう指名された者のアルファベット順による名簿(これらの者を指名した締約国名を表示した名簿とする。)を作成し、名簿を各選挙の日の遅くとも一箇月前までにこの規約の締約国に送付する。

4 委員会の委員の選挙は、国際連合事務総長により国際連合本部に招集されるこの規約の締約国の会合において行う。この会合は、この規約の締約国の三分の二をもって定足数とする。この会合においては、出席しかつ投票する締約国の代表によって投じられた票の最多数で、かつ、過半数の票を得た指名された者をもって委員会に選出された委員とする。

第三十一条

1 委員会は、1の国の国民を二人以上含むことができない。

2 委員会の選挙に当たっては、委員の配分が地理的に衡平に行われること並びに異なる文明形態及び主要な法体系が代表されることを考慮に入れる。

第三十二条

1 委員会の委員は、四年の任期で選出される。委員は、再指名された場合には、再選される資格を有する。ただし、最初の選挙において選出された委員のうち九人の委員の任期は、二年で終了するものとし、これらの九人の委員は、最初の選挙の後直ちに、第三十条4に規定する会合において議長によりくじ引で選ばれる。

2 任期満了の際の選挙は、この部の前諸条の規定に従って行う。

第三十三条

1 委員会の委員が一時的な不在以外の理由のためその職務を遂行することができなくなったことを他の委員が一致して認める場合には、委員会の委員長は国際連合事務総長にその旨を通知するものとし、同事務総長は、当該委員の職が空席となったことを宣言する。

2 委員会の委員が死亡し又は辞任した場合には、委員長は、直ちに国際連合事務総長にその旨を通知するものとし、同事務総長は、死亡し又は辞任した日から当該委員の職が空席となったことを宣言する。

第三十四条

1 前条の規定により空席が宣言された場合において、当該宣言の時から六箇月以内に交代される委員の任期が満了しないときは、国際連合事務総長は、この規約の各締約国にその旨を通知する。各締約国は、空席を補充するため、二箇月以内に第二十九条の規定により指名された者の氏名を提出することができる。

2 国際連合事務総長は、1にいう指名された者のアルファベット順による名簿を作成し、この規約の締約国に送付する。空席を補充するための選挙は、この部の関連規定に従って行う。

3 前条の規定により宣言された空席を補充するために選出された委員会の委員は、同条の規定により委員会における職が空席となった委員の残余の期間在任する。

第三十五条

 委員会の委員は、国際連合総会が委員会の任務の重要性を考慮して決定する条件に従い、同総会の承認を得て、国際連合の財源から報酬を受ける。

第三十六条

 国際連合事務総長は、委員会がこの規約に定める任務を効果的に遂行するために必要な職員及び便益を提供する。

第三十七条

1 国際連合事務総長は、委員会の最初の会合を国際連合本部に招集する。

2 委員会は、最初の会合の後は、手続規則に定める時期に会合する。

3 委員会は、通常、国際連合本部又はジュネーブにある国際連合事務所において会合する。

第三十八条

 委員会のすべての委員は、職務の開始に先立ち、公開の委員会において、職務を公平かつ良心的に遂行する旨の厳粛な宣誓を行う。

第三十九条

1 委員会は、役員を二年の任期で選出する。役員は、再選されることができる。

2 委員会は、手続規則を定める。この手続規則には、特に次のことを定める。

(a) 十二人の委員をもって定足数とすること。
(b) 委員会の決定は、出席する委員が投ずる票の過半数によって行うこと。
第四十条
1 この規約の締約国は、(a)当該締約国についてこの規約が効力を生ずる時から一年以内に、(b)その後は委員会が要請するときに、この規約において認められる権利の実現のためにとった措置及びこれらの権利の享受についてもたらされた進歩に関する報告を提出することを約束する。

2 すべての報告は、国際連合事務総長に提出するものとし、同事務総長は、検討のため、これらの報告を委員会に送付する。報告には、この規約の実施に影響を及ぼす要因及び障害が存在する場合には、これらの要因及び障害を記載する。

3 国際連合事務総長は、委員会との協議の後、報告に含まれるいずれかの専門機関の権限の範囲内にある事項に関する部分の写しを当該専門機関に送付することができる。

4 委員会は、この規約の締約国の提出する報告を検討する。委員会は、委員会の報告及び適当と認める一般的な性格を有する意見を締約国に送付しなければならず、また、この規約の締約国から受領した報告の写しとともに当該一般的な性格を有する意見を経済社会理事会に送付することができる。

5 この規約の締約国は、四の規定により送付される一般的な性格を有する意見に関する見解を委員会に提示することができる。

第四十一条

1 この規約の締約国は、この規約に基づく義務が他の締約国によって履行されていない旨を主張するいずれかの締約国からの通報を委員会が受理しかつ検討する権限を有することを認めることを、この条の規定に基づいていつでも宣言することができる。この条の規定に基づく通報は、委員会の当該権限を自国について認める宣言を行った締約国による通報である場合に限り、受理しかつ検討することができる。委員会は、宣言を行っていない締約国についての通報を受理してはならない。この条の規定により受理される通報は、次の手続に従って取り扱う。

(a) この規約の締約国は、他の締約国がこの規約を実施していないと認める場合には、書面による通知により、その事態につき当該他の締約国の注意を喚起することができる。通知を受領する国は、通知の受領の後三箇月以内に、当該事態について説明する文書その他の文書を、通知を送付した国に提供する。これらの文書は、当該事態について既にとられ、現在とっており又は将来とることができる国内的な手続及び救済措置に、可能かつ適当な範囲において、言及しなければならない。
(b) 最初の通知の受領の後六箇月以内に当該事案が関係締約国の双方の満足するように調整されない場合には、いずれの一方の締約国も、委員会及び他方の締約国に通告することにより当該事案を委員会に付託する権利を有する。
(c) 委員会は、付託された事案について利用し得るすべての国内的な救済措置がとられかつ尽くされたことを確認した後に限り、一般的に認められた国際法の原則に従って、付託された事案を取り扱う。ただし、救済措置の実施が不当に遅延する場合は、この限りでない。
(d) 委員会は、この条の規定により通報を検討する場合には、非公開の会合を開催する。
(e) (c)の規定に従うことを条件として、委員会は、この規約において認められる人権及び基本的自由の尊重を基礎として事案を友好的に解決するため、関係締約国に対してあっ旋を行う。
(f) 委員会は、付託されたいずれの事案についても、(b)にいう関係締約国に対し、あらゆる関連情報を提供するよう要請することができる。
(g) (b)にいう関係締約国は、委員会において事案が検討されている間において代表を出席させる権利を有するものとし、また、口頭又は書面により意見を提出する権利を有する。
(h) 委員会は、(b)の通告を受領した日の後十二箇月以内に、報告を提出する。報告は、各事案ごとに、関係締約国に送付する。
(i) (e)の規定により解決に到達した場合には、委員会は、事実及び到達した解決について簡潔に記述したものを報告する。
(ii) (e)の規定により解決に到達しない場合には、委員会は、事実について簡潔に記述したものを報告するものとし、当該報告に関係締約国の口頭による意見の記録及び書面による意見を添付する。
2 この条の規定は、この規約の十の締約国が1の規定に基づく宣言を行った時に効力を生ずる。宣言は、締約国が国際連合事務総長に寄託するものとし、同事務総長は、その写しを他の締約国に送付する。宣言は、同事務総長に対する通告によりいつでも撤回することができる。撤回は、この条の規定に従って既に送付された通報におけるいかなる事案の検討をも妨げるものではない。宣言を撤回した締約国による新たな通報は、同事務総長がその宣言の撤回の通告を受領した後は、当該締約国が新たな宣言を行わない限り、受理しない。
第四十二条

1
(a) 前条の規定により委員会に付託された事案が関係締約国の満足するように解決されない場合には、委員会は、関係締約国の事前の同意を得て、特別調停委員会(以下「調停委員会」という。)を設置することができる。調停委員会は、この規約の尊重を基礎として当該事案を友好的に解決するため、関係締約国に対してあっ旋を行う。
(b) 調停委員会は、関係締約国が容認する五人の者で構成する。調停委員会の構成について三箇月以内に関係締約国が合意に達しない場合には、合意が得られない調停委員会の委員については、委員会の秘密投票により、三分の二以上の多数による議決で、委員会の委員の中から選出する。
2 調停委員会の委員は、個人の資格で、職務を遂行する。委員は、関係締約国、この規約の締約国でない国又は前条の規定に基づく宣言を行っていない締約国の国民であってはならない。
3 調停委員会は、委員長を選出し及び手続規則を採択する。

4 調停委員会の会合は、通常、国際連合本部又はジュネーブにある国際連合事務所において開催する。もっとも、この会合は、調停委員会が国際連合事務総長及び関係締約国との協議の上決定する他の適当な場所において開催することができる。

5 第三十六条の規定により提供される事務局は、また、この条の規定に基づいて設置される調停委員会のために役務を提供する。

6 委員会が受領しかつ取りまとめる情報は、調停委員会の利用に供しなければならず、また、調停委員会は、関係締約国に対し、他のあらゆる関連情報を提供するよう要請することができる。

7 調停委員会は、事案を十分に検討した後に、かつ、検討のため事案を取り上げた後いかなる場合にも十二箇月以内に、関係締約国に通知するため、委員会の委員長に報告を提出する。

(a) 十二箇月以内に事案の検討を終了することができない場合には、調停委員会は、事案の検討状況について簡潔に記述したものを報告する。
(b) この規約において認められる人権の尊重を基礎として事案の友好的な解決に到達した場合には、調停委員会は、事実及び到達した解決について簡潔に記述したものを報告する。
(c) (b)に規定する解決に到達しない場合には、調停委員会の報告には、関係締約国間の係争問題に係るすべての事実関係についての調査結果及び当該事案の友好的な解決の可能性に関する意見を記載するとともに関係締約国の口頭による意見の記録及び書面による意見を添付する。
(d) (c)の規定により調停委員会の報告が提出される場合には、関係締約国は、その報告の受領の後三箇月以内に、委員会の委員長に対し、調停委員会の報告の内容を受諾するかどうかを通告する。
8 この条の規定は、前条の規定に基づく委員会の任務に影響を及ぼすものではない。
9 関係締約国は、国際連合事務総長が作成する見積りに従って、調停委員会の委員に係るすべての経費を平等に分担する。

10 国際連合事務総長は、必要なときは、9の規定による関係締約国の経費の分担に先立って調停委員会の委員の経費を支払う権限を有する。

第四十三条

 委員会の委員及び前条の規定に基づいて設置される調停委員会の委員は、国際連合の特権及び免除に関する条約の関連規定に規定する国際連合のための職務を行う専門家の便益、特権及び免除を享受する。

第四十四条

 この規約の実施に関する規定は、国際連合及び専門機関の基本文書並びに国際連合及び専門機関において作成された諸条約により又はこれらの基本文書及び諸条約に基づき人権の分野に関し定められた手続を妨げることなく適用するものとし、この規約の締約国の間で効力を有する一般的な又は特別の国際取極による紛争の解決のため、この規約の締約国が他の手続を利用することを妨げるものではない。

第四十五条

 委員会は、その活動に関する年次報告を経済社会理事会を通じて国際連合総会に提出する。


第五部
第四十六条

 この規約のいかなる規定も、この規約に規定されている事項につき、国際連合の諸機関及び専門機関の任務をそれぞれ定めている国際連合憲章及び専門機関の基本文書の規定の適用を妨げるものと解してはならない。

第四十七条

 この規約のいかなる規定も、すべての人民がその天然の富及び資源を十分かつ自由に享受し及び利用する固有の権利を害するものと解してはならない。


第六部
第四十八条

1 この規約は、国際連合又はいずれかの専門機関の加盟国、国際司法裁判所規程の当事国及びこの規約の締約国となるよう国際連合総会が招請する他の国による署名のために開放しておく。

2 この規約は、批准されなければならない。批准書は、国際連合事務総長に寄託する。

3 この規約は、1に規定する国による加入のために開放しておく。

4 加入は、加入書を国際連合事務総長に寄託することによって行う。

5 国際連合事務総長は、この規約に署名し又は加入したすべての国に対し、各批准書又は各加入書の寄託を通報する。

第四十九条

1 この規約は、三十五番目の批准書又は加入書が国際連合事務総長に寄託された日の後三箇月で効力を生ずる。

2 この規約は、三十五番目の批准書又は加入書が寄託された後に批准し又は加入する国については、その批准書又は加入書が寄託された日の後三箇月で効力を生ずる。

第五十条

 この規約は、いかなる制限又は例外もなしに、連邦国家のすべての地域について適用する。

第五十一条

1 この規約のいずれの締約国も、改正を提案し及び改正案を国際連合事務総長に提出することができる。同事務総長は、直ちに、この規約の締約国に対し、改正案を送付するものとし、締約国による改正案の審議及び投票のための締約国会議の開催についての賛否を同事務総長に通告するよう要請する。締約国の三分の一以上が会議の開催に賛成する場合には、同事務総長は、国際連合の主催の下に会議を招集する。会議において出席しかつ投票する締約国の過半数によって採択された改正案は、承認のため、国際連合総会に提出する。

2 改正は、国際連合総会が承認し、かつ、この規約の締約国の三分の二以上の多数がそれぞれの国の憲法上の手続に従って受諾したときに、効力を生ずる。

3 改正は、効力を生じたときは、改正を受諾した締約国を拘束するものとし、他の締約国は、改正前のこの規約の規定(受諾した従前の改正を含む。)により引き続き拘束される。

第五十二条

 第四十八条五の規定により行われる通報にかかわらず、国際連合事務総長は、同条1に規定するすべての国に対し、次の事項を通報する。

(a) 第四十八条の規定による署名、批准及び加入
(b) 第四十九条の規定に基づきこの規約が効力を生ずる日及び前条の規定により改正が効力を生ずる日
第五十三条
1 この規約は、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とし、国際連合に寄託される。

2 国際連合事務総長は、この規約の認証謄本を第四十八条に規定するすべての国に送付する。

 

 以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けて、千九百六十六年十二月十九日にニューヨークで署名のために開放されたこの規約に署名した。

 (署名欄は省略)


人権委員会
第64回会期

規約第40条に基づき締約国から提出された報告の検討
人権委員会の最終見解

日本

委員会は、1998年10月28日及び29日に開催された第1714回から第1717回会合(CCPR/SR/1714-1717)において日本政府の第4回報告(CCPR/C/115/Add.3 and Corr.1)を検討し、1998年11月5日に開催された第1726回及び第1727回会合(CCPR/C/SR.1726-1727)において以下の最終見解を採択した。

A.序論

委員会は、委員会によって提起された論点に対して代表団により提供された率直かつ毅然とした回答と、委員会の構成員によりなされた口頭質問に対する答弁において提供された説明と解説に対し、感謝の意を表明する。委員会は、また、締約国の様々な部局を代表する大代表団の出席についても、規約に基づく義務に応じている政府の真剣さを表すものであり、感謝する。委員会は、また、その報告及び委員会の作業が、広く周知されていることについて、締約国を賞賛する。委員会は、今回の報告に関する議論に多数の法律家とNGOが出席していることを歓迎する。

B.肯定的要素

委員会は、国内法を規約に適合させる現在進行中のプロセスに関し政府を賞賛する。男女雇用機会均等法、労働基準法、出入国管理及び難民認定法、刑法、児童福祉法、公職選挙法、風俗営業等の規制及び業務の適性化等に関する法律の改正とともに人権擁護施策推進法並びに児童売春及び児童ポルノに係る日本国民を処罰することを目的とした法案を歓迎する。

委員会は、男女共同参画社会の実現のための施策を調査し、発展させる目的で男女共同参画推進本部の内閣レヴェルでの設置及び男女共同参画2000年プランの採択を満足をもって留意する。委員会は、法務省の人権擁護機関によってとられた、韓国・朝鮮人学校の生徒、婚外子、アイヌ・マイノリティの児童に対する差別及び偏見の撤廃に取り組むための措置を歓迎する。

委員会は、国家公務員採用試験の受験資格における女性への制限の撤廃、男女別定年制及び結婚・妊娠・出産退職制の解消を歓迎する。

C.主な懸念事項及び勧告

委員会は、第3回報告の検討の後に発せられたその勧告が大部分履行されていないことを、遺憾に思う。

委員会は、人権の保障と人権の基準は世論調査によって決定されないことを強調する。規約に基づく義務に違反し得る締約国の態度を正当化するために世論の統計を繰り返し使用することは懸念される。

委員会は、「公共の福祉」に基づき規約上の権利に付し得る制限に対する懸念を再度表明する。この概念は、曖昧、無制限で、規約上可能な範囲を超えた制限を可能とし得る。前回の見解に引き続いて、委員会は、再度、締約国に対し、国内法を規約に合致させるよう強く勧告する。

委員会は、人権侵害を調査し、不服に対し救済を与えるための制度的仕組みを欠いていることに懸念を有する。当局が権力を濫用せず、実務において個人の権利を尊重することを確保するために効果的な制度的仕組みが要請される。委員会は、人権擁護委員(訳注:原文ではCivil Liberties Commission)は、法務省の監督下にあり、また、その権限は勧告を発することに限定されていることから、そのような仕組みには当たらないと考える。委員会は、締約国に対し、人権侵害の申立てに対する調査のための独立した仕組みを設立することを強く勧告する。

さらにとりわけ、委員会は、調査及び救済のため警察及び出入国管理当局による不適正な処遇に対する申立てを行うことができる独立した当局が存在しないことに懸念を有する。委員会はそのような独立した機関又は当局が締約国により遅滞なく設置されることを勧告する。

委員会は、客観的な基準を欠き、規約第26条に抵触する、「合理的な差別」の概念の曖昧さに懸念を有する。委員会は、この概念を擁護するため締約国により主張された議論は、第3回報告の検討の際に主張され、委員会が受け入れられないと判断したものと同様であることを認める。

委員会は、特に国籍、戸籍及び相続権に関し、婚外子に対する差別について引き続き懸念を有する。委員会は、規約第26条に従い、すべての児童は平等の保護を与えられるという立場を再確認し、締約国が民法第900条第4項を含む、法律の改正のために必要な措置をとることを勧告する。

委員会は、朝鮮人学校の不認定を含む、日本国民ではない在日韓国・朝鮮人マイノリティに対する差別の事例に懸念を有する。委員会は、第27条に関する委員会の一般的な性格を有する意見23(1994年)が、第27条による保護は国民に限定されないと述べていることについて、締約国の注意を喚起する。

委員会は、土地への権利の不認定と同様に、言語及び高等教育に関するアイヌ先住マイノリティ(Ainu indigenous minority)の人々に対する差別について懸念を有する。

同和問題に関し、委員会は、教育、所得、効果的救済制度に関し部落の人々(Buraku minority)に対する差別が続いている事実を締約国が認めていることを認識する。委員会は、締約国がこのような差別を終結させるための措置をとることを勧告する。

委員会は、婚姻の解消又は取消の日から6か月以内の女性の再婚の禁止及び男性と女性の婚姻年齢の相違のような、女性に対する締約国の差別的法律が国内的法秩序に依然として残存していることに懸念を有する。委員会は、女性に対する差別を規定するすべての法律の条項は規約第2条、第3条及び第26条に適合せず、廃止されるべきことを想起する

委員会は、日本の第3回報告の検討終了時に、外国人永住者が、登録証明書を常時携帯しないことを犯罪とし、刑事罰を科す外国人登録法は、規約第26条に適合しないとの最終見解を示した意見を再度表明する。委員会は、そのような差別的な法律は廃止されるべきであると再度勧告する。

出入国管理及び難民認定法第26条は、再入国許可を得て出国した外国人のみが在留資格を喪失することなく日本に戻ることを許可され、そのような許可の付与は完全に法務大臣の裁量であることを規定している。この法律に基づき、第2世代、第3世代の日本への永住者、日本に生活基盤のある外国人は、出国及び再入国の権利を剥奪される可能性がある。委員会は、この規定は、規約第12条2及び4に適合しないと考える。委員会は、締約国に対し、「自国」という文言は、「自らの国籍国」とは同義ではないということを注意喚起する。委員会は、従って、締約国に対し、日本で出生した韓国・朝鮮出身の人々のような永住者に関して、出国前に再入国の許可を得る必要性をその法律から除去することを強く要請する。

委員会は、収容の厳しい条件、手錠の使用及び隔離室での収容を含む、出入国管理手続中に収容されている者に対する暴力及びセクシュアル・ハラスメントに関する申立てについて懸念を有する。入国者収容所の被収容者は、6ヶ月間まで、また、いくつかの事例においては2年間もそこに収容される可能性がある。委員会は、締約国が収容所の状況について再調査し、必要な場合には、その状況を規約第7条及び第9条に合致させるための措置をとることを勧告する。

委員会は、死刑を科すことのできる犯罪の数が、日本の第3回報告の検討の際に代表団から述べられたように削減されていないことについて厳に懸念を有する。委員会は、規約の文言が死刑の廃止を指向するものであり、死刑を廃止していない締約国は最も重大な犯罪についてのみそれを適用しなければならないということを、再度想起する。委員会は、日本が死刑の廃止に向けた措置を講ずること、及び、それまでの間その刑罰は、規約第6条2に従い、最も重大な犯罪に限定されるべきことを勧告する。

委員会は、死刑確定者の拘禁状態について、引き続き深刻な懸念を有する。特に、委員会は、面会及び通信の不当な制限並びに死刑確定者の家族及び弁護士に執行の通知を行わないことは、規約に適合しないと認める。委員会は、死刑確定者の拘禁状態が、規約第7条、第10条1に従い、人道的なものとされることを勧告する。

委員会は、起訴前勾留は、警察の管理下で23日間もの長期間にわたり継続し得ること、司法の管理下に迅速かつ効果的に置かれず、また、被疑者がこの23日の間、保釈される権利を与えられていないこと、取調べの時刻と時間を規律する規則がないこと、勾留されている被疑者に助言、支援する国選弁護人がないこと、刑事訴訟法第39条第3項に基づき弁護人の接見には厳しい制限があること、取調べは被疑者によって選任された弁護人の立会いなしで行われることにおいて、第9条、第10条及び第14条に規定する保障が完全に満たされていないことに深く懸念を有する。委員会は、日本の起訴前勾留制度が、規約第9条、第10条及び第14条の規定に従い、速やかに改革がされるべきことを、強く勧告する。

委員会は、代用監獄制度が、捜査を担当しない警察の部局の管理下にあるものの、分離された当局の管理下にないことに懸念を有する。これは、規約第9条及び第14条に基づく被拘禁者の権利について侵害の機会を増加させる可能性がある。委員会は、代用監獄制度が規約のすべての要請に合致されるべきとした日本の第3回報告の検討後に発せられたその勧告を再度表明する。

委員会は、人身保護法に基づく人身保護規則第4条が、人身保護命令書を取得するための理由を(a)拘束状態に置くことについての法的権限の欠如及び(b)デュー・プロセスに対する明白な違反、に限定していることに懸念を有する。また、それは他のすべての救済措置を尽くしたことを要求している。委員会は、同規則第4条が、拘束の正当性に対抗するための救済措置としての効果を損うものであり、したがって、規約第9条に適合しないと考える。委員会は、締約国が同規則第4条を廃止するとともに、人身保護請求による救済についていかなる限定や制限なしに完全に効果的なものとすることを勧告する。

委員会は、刑事裁判における多数の有罪判決が自白に基づくものであるという事実に深く懸念を有する。自白が強要により引き出される可能性を排除するために、委員会は、警察留置場すなわち代用監獄における被疑者への取調べが厳格に監視され、電気的手段により記録されるべきことを勧告する。

委員会は、刑事法の下で、検察には、公判において提出する予定であるものを除き捜査の過程で収集した証拠を開示する義務はなく、弁護側には手続の如何なる段階においても資料の開示を求める一般的な権利を有しないことに懸念を有する。委員会は、規約第14条3に規定された保障に従い、締約国が、防禦権を阻害しないために弁護側がすべての関係資料にアクセスすることができるよう、その法律と実務を確保することを勧告する。

委員会は、日本の行刑施設の制度の多くの側面に深い懸念を有しており、これらは、規約第2条3(a)、第7条及び第10条との適合性に重大な疑問を提起するものである。特に、委員会は、次の諸点に懸念を有する。
a)言論、結社及びプライバシーの自由を含む、被収容者の基本的権利を制限する厳しい所内行動規則
b)頻繁な独居拘禁の使用を含む、厳しい懲罰の使用
c)規則違反で摘発された被収容者に対する懲罰を決定するための公平かつ公開手続の欠如
d)刑務官による報復に対して不服申立を行う被収容者の不十分な保護
e)被収容者の不服申立を調査するための信頼できる制度の欠如、及び、
f)革手錠等、残虐かつ非人道的取扱いとなり得る保護措置の頻繁な使用
委員会は、中央労働委員会が、労働者が労働組合に加入していることを示す腕章を着用している場合に不当労働行為の申立についての審問を拒絶することに懸念を有する。そのような行為は、規約第19条及び第22条と矛盾する。委員会の見解は、中央労働委員会の注意を喚起させるべきものである。

風俗営業等の規制及び業務の適性化等に関する法律の改正にも関わらず、女性の不正取引及び不正取引、奴隷類似行為の対象となった女性に対する不十分な保護は、規約第8条の下で深刻な懸念として残っている。児童の売春及び児童ポルノに対して計画されている新規立法に関する締約国からの情報に鑑み、委員会は、そのような手段は、性的同意の下限年齢が13歳と低い場合には、18歳未満の児童を保護しない可能性があることについて懸念を有する。委員会は、また、児童の誘拐及び性的搾取が刑罰の対象となるという事実にも関わらず、売春の目的のために日本に外国人児童を連れてくることを禁止するために特定の法的条項の不存在についても懸念を有する。委員会は、状況が規約第9条、第17条及び第24条に基づく締約国の義務に従ったものとされるよう勧告する。

委員会は、女性に対する暴力、特に家庭内暴力及び強姦、の高い発生率及びこの慣行の根絶のための改善措置の不存在について引き続き厳に懸念を有する。委員会は、日本の裁判所が、性交の強要を含む家庭内暴力が結婚生活の通常の範囲と考えているように思われることについて困惑している。

委員会は、障害を持つ女性の強制不妊の廃止を認識する一方、法律が強制不妊の対象となった人達の補償を受ける権利を規定していないことを遺憾に思い、必要な法的措置がとられることを勧告する。

委員会は、裁判官、検察官及び行政官に対し、規約上の人権についての教育が何ら用意されていないことに懸念を有する。委員会は、かかる教育が得られるようにすることを強く勧告する。裁判官を規約の規定に習熟させるための司法上の研究会及びセミナーが開催されるべきである。委員会の一般的な性格を有する意見及び選択議定書に基づく通報に関する委員会の見解は、裁判官に提供されるべきである。

委員会は、政府に対し、これらの最終見解を基礎に行動を起こし、第5回報告の準備に際してこれらを考慮に入れることを要請する。また、委員会は、締約国がその国内法を規約に完全に沿ったものとするために、その法律の見直し及び適切な改正を行うことを継続するよう勧告する。委員会は、締約国が人権侵害の被害者を救済するための措置をとること、特に、規約の選択議定書を批准することを勧告する。

委員会は、これらの最終見解の履行に際しては、締約国がNGOを含むすべての国内の関心を有する関係者との対話の中でこれを行うことを期待する。委員会は、締約国に対し、その報告及びこれらの最終見解を広く配布することを確保することを要請する。

委員会は、日本の第5回報告の提出日を2002年10月に指定する。
(訳注:訳文中の「締約国」は、日本を指す。)


     

経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約
1966年12月16日採択/1976年1月3日発効
2004年 7月7日現在 署名国数65/締約国数149
R:批准 A:加入 S:承継
アジア
国名 署名年月日 批准・加入
アフガニスタン   A:1983.1.24
バーレーン    
バングラデシュ   A:1998.10.5
ブータン    
ブルネイ    
カンボジア 1980.10.17 R:1992.5.26
中華人民共和国 1997.10.27 R :2001. 3.27
キプロス 1967.1.9 R:1969.4.2
インド   A:1979.4.10
インドネシア    
イラン 1968.4.4 R:1975.6.24
イラク 1969.2.18 R:1971.1.25
イスラエル 1966.12.19 R:1991.10.3
日本 1978.5.30 R:1979.6.21
ヨルダン 1972.6.30 R:1975.5.28
大韓民国   A:1990.4.10
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)   A:1981.9.14
クウェート   A:1996.5.21
ラオス 2000.12.7  
レバノン   A:1972.11.3
マレーシア    
モルディブ    
モンゴル 1968.6.5 R:1974.11.18
ミャンマー    
ネパール   A:1991.5.14
オマーン    
パキスタン    
フィリピン 1966.12.19 R:1974.6.7
カタール    
サウジアラビア    
シンガポール    
スリランカ   A:1980.6.11
シリア   A:1969.4.21
タイ   A:1999.9.5
東ティモール   A:2003.4.16
トルコ 2000.8.15 R:2003.9.23
アラブ首長国連邦    
ベトナム   A:1982.9.24
イエメン   A:1987.2.9
大洋州
国・地域名 署名年月日 批准・加入
オーストラリア 1972.12.18 R:1975.12.10
フィジー    
キリバス    
マーシャル    
ミクロネシア    
ナウル    
ニュージーランド 1968.11.12 R:1978.12.28
クック諸島    
ニウエ    
パラオ    
パプアニューギニア    
サモア    
ソロモン   D:1982.3.17
トンガ    
ツバル    
バヌアツ    
アフリカ
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アルジェリア 1968.12.10 R:1989.9.12
アンゴラ   A:1992.1.10
ベナン   A:1992.3.12
ボツワナ    
ブルキナファソ   A:1999.1.4
ブルンジ   A:1990.5.9
カメルーン   A:1984.6.27
カーボヴェルデ   A:1993.8.6
中央アフリカ   A:1981.5.8
チャド   A:1995.6.9
コモロ    
コンゴ民主共和国   A:1976.11.1
コンゴ共和国   A:1983.10.5
コートジボワール   A:1992.3.26
ジブチ   A:2002.11.5
エジプト 1967.8.4 R:1982.1.14
赤道ギニア   A:1987.9.25
エリトリア   A :2001. 4.17
エチオピア   A:1993.6.11
ガボン   A:1983.1.21
ガンビア   A:1978.12.29
ガーナ 2000.9.7 R:2000. 9. 7
ギニア 1967.2.28 R:1978.1.24
ギニアビサウ   A:1992.7.2
ケニア   A:1972.5.1
レソト   A:1992.9.9
リベリア 1967.4.18  
リビア   A:1970.5.15
マダガスカル 1970.4.14 R:1971.9.22
マラウイ   A:1993.12.22
マリ   A:1974.7.16
モーリタニア    
モーリシャス   A:1973.12.12
モロッコ 1977.1.19 R:1979.5.3
モザンビーク    
ナミビア   A:1994.11.28
ニジェール   A:1986.3.7
ナイジェリア   A:1993.7.29
ルワンダ   A:1975.4.16
サントメ・プリンシペ 1995.10.31  
セネガル 1970.7.6 R:1978.2.13
セーシェル   A:1992.5.5
シエラレオネ   A:1996.8.23
ソマリア   A:1990.1.24
南アフリカ共和国 1994.10.3  
スーダン   A:1986.3.18
スワジランド   A:2004.5.26
トーゴ   A:1984.5.24
チュニジア 1968.4.30 R:1969.3.18
ウガンダ   A:1987.1.21
タンザニア   A:1976.6.11
ザンビア   A:1984.4.10
ジンバブエ   A:1991.5.13
ヨーロッパ
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アルバニア   A:1991.10.4
アンドラ    
オーストリア 1973.12.10 R:1978.9.10
ベルギー 1968.12.10 R:1983.4.21
ボスニア・ヘルツェゴビナ   A:1993.9.1
ブルガリア 1968.10.8 R:1970.9.21
クロアチア   A:1992.10.12
チェコ   A:1993.2.22
デンマーク 1968.3.20 R:1972.1.6
エストニア   A:1991.10.21
フィンランド 1967.10.11 R:1975.8.19
フランス   A:1980.11.4
ドイツ 1968.10.9 R:1973.12.17
ギリシャ   A:1985.5.16
バチカン    
ハンガリー 1969.3.25 R:1974.1.17
アイスランド 1968.12.30 R:1979.8.22
アイルランド 1973.10.1 R:1989.12.8
イタリア 1967.1.18 R:1978.9.15
ラトビア   A:1992.4.14
リヒテンシュタイン   A:1998.12.10
リトアニア   A:1991.11.20
ルクセンブルク 1974.11.26 R:1983.8.18
マルタ 1968.10.22 R:1990.9.13
モナコ 1997.6.26 R:1997.8.28
オランダ 1969.6.25 R:1978.12.11
ノルウェー 1968.3.20 R:1972.9.13
ポーランド 1967.3.2 R:1977.3.18
ポルトガル 1976.10.7 R:1978.7.31
ルーマニア 1968.6.27 R:1974.12.9
サンマリノ   A:1985.10.18
スロバキア   A:1993.5.28
スロベニア   A:1992.7.6
スペイン 1976.9.28 R:1977.4.27
スウェーデン 1967.9.29 R:1971.12.6
スイス   A:1992.6.18
マケドニア旧ユーゴスラビア   A:1994.1.18
英国 1968.9.16 R:1976.5.20
ユーゴスラビア   R:2001. 3.12
ロシア・NIS諸国
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アルメニア   A:1993.9.13
アゼルバイジャン   A:1992.8.13
ベラルーシ 1968.3.19 R:1973.11.12
グルジア   A:1994.5.3
カザフスタン 2003.12.2  
キルギス   A:1994.10.7
モルドバ   A:1993.1.26
ロシア 1968.3.18 R:1973.10.16
タジキスタン   A:1999.1.4
トルクメニスタン   A:1997.5.1
ウクライナ 1968.3.20 R:1973.11.12
ウズベキスタン   A:1995.9.28
北アメリカ
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アンティグア・バーブーダ    
バハマ    
バルバドス   A:1973.1.5
ベリーズ 2000.9.6  
カナダ   A:1976.5.19
コスタリカ 1966.12.19 R:1968.11.29
キューバ    
ドミニカ   A:1993.6.17
ドミニカ共和国   A:1978.1.4
エルサルバドル 1967.9.21 R:1979.11.30
グレナダ   A:1991.9.6
グアテマラ   A:1988.5.19
ハイチ    
ホンジュラス 1966.12.19 R:1981.2.17
ジャマイカ 1966.12.19 R:1975.10.3
メキシコ   A:1981.3.23
ニカラグア   A:1980.3.12
パナマ 1976.7.27 R:1977.3.8
セントクリストファー・ネーヴィス    
セントルシア    
セントビンセント   A:1981.11.9
トリニダード・トバゴ   A:1978.12.8
アメリカ合衆国 1977.10.5  
南アメリカ
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アルゼンチン 1968.2,19 R:1986.8.8
ボリビア   A:1982.8.12
ブラジル   A:1992.1.24
チリ 1969.9.16 R:1972.2.10
コロンビア 1966.12.21 R:1969.10.29
エクアドル 1967.9.29 R:1969.3.6
ガイアナ 1968.8.22 R:1977.2.15
パラグアイ   A:1992.6.10
ペルー 1977.8.11 R:1978.4.28
スリナム   A:1976.12.28
ウルグアイ 1967.2.21 R:1970.4.1
ベネズエラ 1969.6.24 R:1978.5.10

  

市民的及び政治的権利に関する国際規約
1966年12月16日採択/1976年 3月23日発効
2004年 7月7日現在 署名国数67/締約国数152
R:批准 A:加入 S:承継
アジア
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アフガニスタン   A:1983. 1.24
バーレーン    
バングラデシュ   A :2000. 9. 6
ブータン    
ブルネイ    
カンボジア 1980.10.17 R:1992. 5.26
中華人民共和国 1998.10.5  
キプロス 1966.12.19 R:1969. 4. 2
インド   A:1979. 4.10
インドネシア    
イラン 1968.4.4 R:1975. 6.24
イラク 1969.2.18 R:1971. 1.25
イスラエル 1966.12.19 R:1991.10. 3
日本 1978.5.30 R:1979. 6.21
ヨルダン 1972.6.30 R:1975. 5.28
大韓民国   A:1990. 4.10
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)   A:1981. 9.14
クウェート   A:1996. 5.21
ラオス 2000.12. 7   
レバノン   A:1972.11. 3
マレーシア    
モルディブ    
モンゴル 1968.6.5 R:1974.11.18
ミャンマー    
ネパール   A:1991. 5.14
オマーン    
パキスタン    
フィリピン 1966.12.19 R:1986.10.23
カタール    
サウジアラビア    
シンガポール    
スリランカ   A:1980. 6.11
シリア   A:1969. 4.21
タイ   A:1996.10.29
東ティモール   A:2003.9.18
トルコ  2000.8.15 R:2003.9.23
アラブ首長国連邦    
ベトナム      A:1982. 9.24
イエメン     A:1987. 2. 9
大洋州
国・地域名 署名年月日 批准・加入
オーストラリア 1972.12.18 R:1980. 8.13
フィジー    
キリバス    
マーシャル    
ミクロネシア    
ナウル  2001.11.12  
ニュージーランド 1968.11.12 R:1978.12.28
クック諸島    
ニウエ     
パラオ    
パプアニューギニア    
サモア    
ソロモン    
トンガ      
ツバル    
バヌアツ    
アフリカ
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アルジェリア 1968.12.10 R:1989. 9.12
アンゴラ   A:1992. 1.10
ベナン      A:1992. 3.12
ボツワナ  2000. 9. 8  R :2000. 9. 8
ブルキナファソ   A:1999. 1. 4
ブルンジ   A:1990. 5. 9
カメルーン    A:1984. 6.27
カーボヴェルデ   A:1993. 8. 6
中央アフリカ   A:1981. 5. 8
チャド   A:1995. 6. 9
コモロ      
コンゴ民主共和国    A:1976.11. 1
コンゴ共和国   A:1983.10. 5
コートジボワール   A:1992. 3.26
ジブチ    A:2002.11.5
エジプト 1967.8.4 R:1982. 1.14
赤道ギニア    A:1987. 9.25
エリトリア   A:2002.1.22
エチオピア   A:1993. 6.11
ガボン   A:1983. 1.21
ガンビア   A:1979. 3.22
ガーナ 2000. 9. 7 R :2000. 9. 7
ギニア 1967.2.28 R:1978. 1.24
ギニアビサウ 2000. 9.12  
ケニア    A:1972. 5. 1
レソト   A:1992. 9. 9
リベリア   1967.4.18  
リビア    A:1970. 5.15
マダガスカル 1969.9.17 R:1971. 6.21
マラウィ    A:1993.12.22
マリ     A:1974. 7.16
モーリタニア    
モーリシャス   A:1973.12.12
モロッコ 1977.1.19 R:1979. 5. 3
モザンビーク   A:1993. 7.21
ナミビア     A:1994.11.28
ニジェール   A:1986. 3. 7
ナイジェリア   A:1993. 7.29
ルワンダ   A:1975. 4.16
サントメ・プリンシペ 1995.10.31  
セネガル   1970.7.6 R:1978. 2.13
セーシェル   A:1992. 5. 5
シエラレオネ   A:1996. 8.23
ソマリア   A:1990. 1.24
南アフリカ共和国 1994.10.3 R:1998.12.10
スーダン   A:1986. 3.18
スワジランド   A:2004.5.26
トーゴ   A:1984. 5.24
チュニジア 1968.4.30 R:1969. 3.18
ウガンダ   A:1995. 6.21
タンザニア   A:1976. 6.11
ザンビア   A:1984. 4.10
ジンバブエ    A:1991. 5.13
ヨーロッパ
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アルバニア   A:1991.10. 4
アンドラ 2002.8.5  
オーストリア 1973.12.10 R:1978. 9.10
ベルギー 1968.12.10 R:1983. 4.21
ボスニア・ヘルツェゴビナ   S:1993. 9. 1
ブルガリア 1968.10.8 R:1970. 9.21
クロアチア   S:1992.10.12
チェコ    S:1993. 2.22
デンマーク  1968.3.20 R:1972. 1. 6
エストニア   A:1991.10.21
フィンランド 1967.10.11 R:1975. 8.19
フランス   A:1980.11. 4
ドイツ 1968.10.9 R:1973.12.17
ギリシャ     A:1997. 5. 5
バチカン    
ハンガリー 1969.3.25 R:1974. 1.17
アイスランド 1968.12.30 R:1979. 8.22
アイルランド 1973.10.1 R:1989.12. 8
イタリア     1967.1.18 R:1978. 9.15
ラトビア   A:1992. 4.14
リヒテンシュタイン   A:1998.12.10
リトアニア   A:1991.11.20
ルクセンブルク 1974.11.26 R:1983. 8.18
マルタ   A:1990. 9.13
モナコ 1997.6.26 R:1997. 8.28
オランダ 1969.6.25 R:1978.12.11
ノルウェー 1968.3.20 R:1972. 9.13
ポーランド 1967.3.2 R:1977. 3.18
ポルトガル 1976.10.7 R:1978. 6.15
ルーマニア 1968.6.27 R:1974.12. 9
サンマリノ   A:1985.10.18
スロバキア     S:1993. 5.28
スロベニア    S:1992. 7. 6
スペイン 1976.9.28 R:1977. 4.27
スウェーデン 1967.9.29 R:1971.12. 6
スイス   A:1992. 6.18
マケドニア旧ユーゴスラビア   S:1994. 1.18
英国 1968.9.16 R:1976. 5.20
ユーゴースラヴィア   S:2001. 3.12
アルメニア   A:1993. 6.23
アゼルバイジャン   A:1992. 8.13
ベラルーシ 1968.3.19 R:1973.11.12
グルジア    A:1994. 5. 3
カザフスタン 2003.12.2  
キルギス   A:1994.10. 7
モルドバ   A:1993. 1.26
ロシア 1968.3.18 R:1973.10.16
タジキスタン   A:1999. 1. 4
トルクメニスタン   A:1997. 5. 1
ウクライナ  1968.3.20 R:1973.11.12
ウズベキスタン   A:1995. 9.28
北アメリカ
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アンティグア・バーブーダ    
バハマ      
バルバドス   A:1973. 1. 5
ベリーズ    A:1996. 6.10
カナダ   A:1976. 3.19
コスタリカ 1966.12.19 R:1968.11.29
キューバ    
ドミニカ   A:1993. 6.17
ドミニカ共和国   A:1978. 1. 4
エルサルバドル 1967.9.21 R:1979.11.30
グレナダ    A:1991. 9. 6
グアテマラ   A:1992. 5. 5
ハイチ     A:1991. 2. 6
ホンジュラス 1966.12.19 R:1997. 8.25
ジャマイカ 1966.12.19 R:1975.10. 3
メキシコ   A:1981. 3.23
ニカラグア   A:1980. 3.12
パナマ   1976.7.27 R:1977. 3. 8
セントクリストファー・ネーヴィス    
セントルシア    
セントビンセント   A:1981.11. 9
トリニダード・トバゴ   A:1978.12.21
アメリカ合衆国 1977.10.5 R:1992. 6. 8
南アメリカ
国・地域名 署名年月日 批准・加入
アルゼンチン 1968.2.19 R:1986. 8. 8
ボリビア   A:1982. 8.12
ブラジル   A:1992. 1.24
チリ 1969.9.16 R:1972. 2.10
コロンビア  1966.12.21 R:1969.10.29
エクアドル  1968.4.4 R:1969. 3. 6
ガイアナ 1968.8.22 R:1977. 2.15
パラグアイ   A:1992. 6.10
ペルー    1977.8.11 R:1978. 4.28
スリナム   A:1976.12.28
ウルグアイ  1967.2.21 R:1970. 4. 1
ベネズエラ 1969.6.24 R:1978. 5.10

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