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教育基本法     何一つない「改正」の根拠

 継続審議になっていた教育基本法改「正」案が、10月25日に衆院教育基本法特別委員会で再度の趣旨説明が行われて審議入り、30日の質疑から論戦が再開した。前国会で約50時間審議したというが、改「正」を必要とする根拠は何一つ解明されていない。

 法案の趣旨説明をした伊吹文明文科相は「教育の根本にさかのぼった改革が求められている。時代の要請に応え、わが国の未来を切り開く教育の基本の確立をはかる」と述べた。現行の教育基本法がうたう人間像は、個人の尊厳を基調にして、平和・真理・正義を求める自主的な人間の育成である。

 文科相は、さかのぼるべき「根本」が別にあると言う。それは「わが国と郷土を愛する態度」(政府案)、「日本を愛する心」(民主案)である。「時代の要請」とは、米軍と一体化した攻撃型軍事体制を支える国民の意識統合であり、「わが国の未来」は、低福祉・高負担・無権利労働に限りなく接近しようとしている。

 教育基本法の改悪がもたらすものは、愛国心の強要にも示される国家主義的統制と教育活動に対する国家権力の全面的介入、教育を受ける権利の公平・平等原則の破壊、教育財政に対する公的責任の放棄である。

 官邸主導の「教育再生会議」を通じて示している教員免許更新制、学校評価制度、教育バウチャー制などがその具体化である。
 教育基本法改悪と教育「改革」を正当化するために、子どもたちの学習意欲の低下、少年犯罪、いじめによる自死などの深刻な状況が政治的に利用され、「ダメ教師」追放のキャンペーンも広がっている。高校の必修科目未履修問題も、タイミング良く摘発された。

 自民党の中川昭一政調会長は、教育基本法改悪に反対する日教組活動家に対して「免許剥奪」を叫んでいる。「日の丸・君が代」の強制は違憲・違法とした東京地裁判決(9月21日)に敵意をあらわにし、教師弾圧を強めようとしている。

 教育再生会議は10月25日に「いじめ緊急アピール」を発表したが、「戦う勇気」や「何人かが立ち上がる」などの個人的な努力を求め、歴代自民党政権の教育「改革」の責任を回避し、国民の目を事態の本質から逸らそうとしている。しかし、こうしたキャンペーンに奔走する姿は、焦りの反映でもある。

 国民は、「構造改革」の名で進められてきた教育「改革」が、子どもの教育を受ける権利を差別化し、社会的格差の拡大と結びつき、教育荒廃を加速させていることに気付き始めている。各種世論調査でも、7割以上の国民が法案の慎重審議を求めている。この世論の広がりを廃案まで高めなければならない。

 日教組は「非常事態宣言」を発し、教師や市民らが連日、国会前に座り込んでいる。各地で集会が開かれ、全国連絡会は11月12日に東京で大集会を開く。

Aさんより
政府さん、まず格差問題をなんとかしましょう。
今の政策は、格差を狭めるのではなく
強者にとってばかり都合の良い方向です。
道徳強制や、防衛省、改憲、NHKへの放送命令、共謀罪、ミサイル防衛など、
力で無理やりなんとかする、という方向ばかりです。
そして弱い者こそ自らそこに巻かれ、さらなるイジメに加わらざるを
得ない方向です。
これでは皮肉にも日本自体が北朝鮮化していくことでしょう。
国民をだまさないでください。そしてこのような手法では何も解決しません。

歪んでいます。
いじめも、自殺も、社会の歪みが、最も弱い部分にしわ寄せされて
現れているように見えます。
最近の自己責任という風潮、都知事がのたまったような
過剰なファイティングスピリッツ=がんばれがんばれ
負けるのはがんばらない自分が悪いから という強迫状況、
そしてさらにはグローバルな過剰競争。
落ち着いて、一息つきましょう。
アンバランスな歪みを整えましょう。

そして、その奥にある、死ぬこと・襲われること・負けること 
への過剰な恐怖にも気づきましょう。
何を恐れているのか。何に追い立てられているのか

バランスを取り戻しましょう。
市民・庶民であるわたしたちから。
恐怖と無力感に負けることなく。
わたしたちの、希望と平和と自由の力を信じましょう。

人間のしていることは、人間こそが変えられます。

 今回の与党の強行採決は絶対許すことはできません。その証拠に法律が成立しても、国民の合意がないので、罰則のみが強化され、何ら解決することはできないでしょう。少数の意見を国民に押し付けるのは不可能です。

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