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富山県知事中沖豊の法外な退職金

 富山県知事中沖豊が多くの負債を残し24年間県知事生活に終止符を打った。今後次の県知事となった石井氏は後始末である。つまり、県民や職員にしわよせがくるのである。県民の皆さんは自ら選んだこととして諦めるしかない。

 ところで中沖豊の退職金はどうなるのであろう。借金を増やしたから少なくなるのだろうか。2月に長期に渡り県政責任者不在になったこともあった。責任を果たせたと思っているのだろうか。取り巻きの連中はゴマすりばかりだから何も言わないが。

 富山県商工会議所連合会副会長の南義弘氏が座長に、中沖豊の退職金の算定にあたった。
 結果はこうである。(知事報酬は月額130万円、最初の頃は忘れたが80万円くらいかもしれない)

 「富山県では特別職の退職手当の基準はなく」と言いながら、「特別職は勤続月数により退職手当を産出するが、全国的な平均的な支給割合の70%で算出した」と言う。基準は存在するのである。
 「金額は2億3千486万円である。」と。ウソをつくのは後ろめたさがあるからである。このような制度は廃止しなければならない。基準がなければこのような法外な金額は出てくるはずはない。これでは額に汗して働く勤労者はうかばれない。

 財政危機を招いた責任が評価されていない。自動車道やダムなどの公共投資、さらには飛行場、利用率の悪い体育館などの国体競技設備、在来線の経営の見通しが立たないまま進めた新幹線など枚挙にいとまがない。莫大なツケを残した責任が問われていない。何をやってもいいのだろうか。県民はそこまで付託したのであろうか。議会が賛同したから関係ないでは済まされることではない。

 私は現にこの退職金のニュースが報道される前に、別の会議の場で、たまたま議題にのぼり、すでに試算をしていたのである。元々知事などの特別職の退職金算定の内規のようなものがあった。富山県は基準はなく議会で決めるとしているが、私の算定とあまり変わらない。全くの偶然だというのだろうか。つまり誰でも算定できたし、現に算定してみた。

 その試算額は2億5千万円だったのである。その基準は1ヶ月の在任で、業績の評価はなく、無条件で1か月分の退職金になるのである。一般職員は概ね1年で1ヶ月の支給になり、10倍の格差がある。「1ヶ月の在任で1ヶ月の退職金」という基準である。24年知事として在職したから約288ヶ月分の退職金である。税金で仕事をしているものの態度としては許されるものではない。

 民間でも同じようなことならば大問題である。富山県は基準がないとウソをついている。現に私が試算できたのである。商工会議所の結論と大差はない。富山県政はお手盛りが横行している。そして主権者たる県民を欺いている。
 特別職は自ら立候補してその職に就くのであり、だから給料という言葉は使わない。報酬である。要するに生活費ではないのである。生活費以外にこのような大金が与えられるのは問題である。謝礼の程度で充分なのである。職員より少ない金額で充分なのである。奉仕の精神である。

 商工会議所の副会長も非常識である。他県に右倣えすれば批判されないとでも思っているのだろうか。
 借金を増やさないで豊かな県を作り上げたのならば評価できる。現実は県民負担が増えただけである。県民は豊かな生活を享受していない。リストラに苦しむばかりである。社会福祉が低下するばかりである。

 そもそも特別職は私財をはたいて県民に奉仕するという崇高な姿勢でなければならない。私利私欲のために特別職になるのならば言語道断である。平職員にばかり「県民全体の奉仕者」を押し付けてはいけない。国民県民はこのような連中の為に税金を盗られているのではない。
 
 特別職の退職金の金額が余りにもでたらめである。特別職の退職金が高いので、批判をかわすために平職員の生活費となっている退職金を切り下げる手法であろう。

 行政の失敗を職員や県民に転嫁させるのは許せないのである。
 県民を食いものにするやりかたは許せない。このように考えるのは私だけではないと思う。皆さんそう思いませんか。
 議会で部下がつくりあげた原稿を読み上げていることに対する報酬が3億円。本当に苦労しているものが報われない社会ですね。弱者や貧乏人が報われないで特定の権力者のみが優遇されていく社会、こんな社会は変えましょうよ。

 中沖豊は退職金の90%は返すべきである。それが県民に対する奉仕であり、財政赤字を作った責任でもある。
 彼はまったくこの責任に目をつぶっている。この現実から目を避け誰か悪いものをつくりあげるとすれば平職員、労働組合員である。労働組合はこの真実が理解できていない。従って多くが犠牲にならざるを得ない。

 誰かのやっかみまじりで平職員ばかりが賃金削減である。だとすれば幹部も減給にならなければ気が収まらない。幹部のみがぬくぬくと私腹を肥やすのは許されないことである。いや県民奉仕の立場からは幹部が率先して自らを減給しなければならない。幹部が我々と同じ賃金で県民に奉仕しようというのなら理解できる。現実はそうではない。県民の皆さんどうか理解して欲しい。赤字ばかり作って何もしないものが頑張ってきた職員を処分するのはゆるされない。

 余談であるが県職労はこのことを問題にしないと言う。理由は分からない。知事に対するイエスマンである組合の恩返しだろうか。組合は組合員の生活を守ることを諦め、闘うことを避け、適当に妥協している。元々こんな組合ではなかった。逆に県財政が赤字だから福祉職場にカンパしようと中沖の「尻拭い」をしている。県財政の赤字を作ったのは県職労なのかと疑いたくなる。このような組合の態度には一組合員として腹が立つし残念なことである。
 このような態度を続けていけば組合離れがますます進む一方である。組合幹部は何もわかっていない。自分さえ良ければいいのだ。また「知事も組合員」も県民に対して責任を持たねばならないとも主張している。
 権力のない組合員が何故責任を持たねばならないのか不思議である。もしかして何か悪いことに関与してきたのか。それなら仕方がないが。イエスマンばかりの組合員や組合が政策を決めて県政を動かしているとでも言うのだろうか。知事も双方も大きな勘違いがあるようである。責任逃れの感覚が読み取れる。

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