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 年金制度改革案は本日衆議院を通過した。これは国民年金の国庫負担を1/3から1/2に引き上げるものの、厚生年金にいたっては負担が段階的に着実に増えるものである。

 改正でもなく改革でもなく単なる改悪法案である。そして数年後の見直し改悪もすでに決まっている。今後も改悪は止まるところを知らずで、これは年金不信をますます増大するものに他ならない。

 ますます年金離れが進むことになる。まして今後その為に消費税の値上げも画策されている。これを悪政と言わずして何と言うのだろう。年金不信は国民が良くなることを行えばなくなるし、国民にとって悪くなることを実施すれば年金不信になるだけである。これは自明の理である。政府に聞きたい。何が国民にとって良くなったのか??と。

 年金制度はサラリーマンの特に高齢者いじめが、団塊の世代に対するいじめがひどくなっている。一方すでに支給されている人たちにはほとんど手をつけないでいる。今の制度でも現在払い続けている50代の方が掛け金を多く払っている。しかし支給額は少なくなる。世代間不公正が温存されたままである。このようなことが許されていいのだろうか。
  (合法的に泥棒)

 年金制度改革関連法案をめぐる最中、国会議員の国民年金保険料未納問題で揺れています。
 しかし、私たちの負担だけは間違いなく改悪になります。

 NTTは92年に定年制度導入とともに企業年金制度(退職金の28%拠出)が創設され、当初、給付利率7%が今は4.5%に切り下げられ、さらに現在の「税制適格年金」から「規約型企業年金」とし、組合も「改悪」の方針を決定しています。改悪されると「国債など金利指標により利率が毎年変動する」「キャッシュバランス制度」が導入され、現在の国債利率(0.78%)で試算すると60〜70%に激減すると予想されています。この制度を変更するのに2/3の賛成が必要です。
これからOBも含め「同意」の確認がされます。まわりの仲間に「反対」しようと広げていくことが求められています。


年金制度改革案の概要

(国民年金法等の一部を改正する法律案)  2004 年2月

国民年金及び厚生年金関係

T.改正の基本的な考え方
1.社会経済と調和した持続可能な制度の構築と制度に対する信頼の確保
○ 将来の現役世代の負担を過重なものとしないようにするとともに、高齢期の生活を支える公的年金としてふさわしい給付水準を確保する。
○ 社会経済の変動に柔軟に対応でき、頻繁に制度改正を繰り返す必要のない持続可能な制度とする。

2.多様な生き方、働き方に対応した制度の構築
○ 多様な生き方、働き方の選択に柔軟に対応できる仕組みとするとともに、就労等様々な形での貢献が年金制度上評価される仕組みとする。

U.給付と負担の見直し
1.基礎年金国庫負担割合の引上げ
基礎年金の国庫負担割合を本則上2分の1とする。(その道筋として、平成16(2004)年度から引上げに着手し、平成17(2005)年度及び平成18(2006)年度に更に適切な水準へ引き上げるとともに、平成21(2009)年度までに引上げを完了する。附則に所要の規定を整備。)

2.財政検証の実施
少なくとも5年ごとに、年金財政の現況及びおおむね100 年程度の間(財政均衡期間)にわたる年金財政の検証を行う。

3.保険料水準固定方式の導入等
(保険料水準固定方式の導入)
○ 厚生年金及び国民年金の将来の保険料水準を固定した上で、その収入の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みとする。
(厚生年金の保険料)
厚生年金の保険料率は、平成16(2004)年10 月から毎年0.354%ずつ引き上げ、平成29(2017)年度以降は18.30%とする
(国民年金の保険料)
国民年金の保険料(月額)は、平成17(2005)年4月から毎年280 円(平成16 年度価格)ずつ引き上げ、平成29(2017)年度以降は16,900円(平成16 年度価格)とする
(マクロ経済スライドの導入)
○ 社会全体の保険料負担能力の伸びを年金改定率に反映させることで、給付水準を調整(マクロ経済スライド)する。(ただし調整は名目額を下限とし、名目額は維持)
【マクロ経済スライド】
・新規裁定者の改定率:手取り賃金の伸び率 − スライド調整率・既裁定者の改定率 :物価の伸び率 − スライド調整率
*スライド調整率:公的年金全体の被保険者数の減少 + 平均的な年金受給期間(平均余命)の伸びを勘案した一定率
○ 標準的な厚生年金(夫婦の基礎年金を含む)の世帯の給付水準は、少なくとも現役世代の平均的収入の50%を上回るものとする。

V.多様な生き方、働き方に対応した制度の導入
1.在職老齢年金制度の見直し等
○ 60 歳台前半の被用者の在職老齢年金制度について、在職中の一律2割支給停止を廃止する。
○ 70 歳以上の被用者の厚生年金給付については、60 歳台後半の被用者と同様、賃金と老齢厚生年金の合計額が現役男子被保険者の平均的収入を上回る場合には、老齢厚生年金の全部又は一部の支給停止を行う。(保険料負担は求めない。)
65 歳以降の老齢厚生年金について繰下げ制度を導入する

2.短時間労働者への厚生年金の適用拡大
○ 就業形態の多様化の進展を踏まえ、被用者としての年金保障を充実する観点及び企業間における負担の公平を図る観点から、社会経済の状況、短
時間労働者が多く就業する企業への影響や雇用への影響などに配慮しつつ、企業及び被用者の雇用形態の選択にできる限り中立的な仕組みとなるよう、
法施行後5年を目途として、総合的に検討が加えられ、その結果に基づき、必要な措置が講じられるものとする。

3.次世代育成支援の拡充
○ 子が3歳に達するまでの間、
@育児休業期間について保険料を免除する。
A勤務時間の短縮等により標準報酬が低下した場合には、年金額の計算上、低下前の標準報酬とみなす措置を講じる。

4.女性と年金
(1)第3号被保険者期間の厚生年金の分割
○ 被扶養配偶者を有する被保険者が負担した保険料については、被扶養配偶者と被保険者が共同して負担したものであることを基本的認識とする。
○ 第3号被保険者期間(施行後の期間)については、離婚した場合又は分割を適用することが必要な事情があるものとして厚生労働省令で定める場合、その配偶者の厚生年金(保険料納付記録)の2分の1を分割できるものとする。
(2)離婚時の厚生年金の分割
○ 離婚した場合の厚生年金については、配偶者の同意又は裁判所の決定があれば、分割できるものとする。(保険料納付記録につき、当事者双方の婚姻期間中の合計額の半分を上限)
(3)遺族年金制度の見直し
○ 自らの老齢厚生年金を全額受給した上で、従来の遺族給付との差額を遺族厚生年金として支給する仕組みに改める。
○ 子のいない30 歳未満の遺族配偶者の遺族厚生年金を5年の有期給付とする。併せて、中高齢寡婦加算の支給対象については、夫死亡時40 歳以上とする。

5.障害年金の改善
○ 障害基礎年金と老齢厚生年金又は遺族厚生年金の併給を可能とする。

W.その他の改正事項
1.国民年金保険料の徴収対策の強化
○ 国民年金保険料の徴収について、所得に応じた多段階免除制度の導入、若年の就業困難者に対する納付猶予制度の導入、市町村からの必要な所得情報の取得を容易にすること等の制度的対応を行う。

2.年金制度の理解を深めるための取組み
○ 保険料納付実績や年金額の見込み等の年金個人情報を被保険者に分かりやすい形で定期的に通知するものとする。(ポイント制)

3.3号被保険者の特例届出
○ 過去の第3号被保険者の未届期間について特例的に届出をすることができることとし、届出に係る期間は保険料納付済期間とする。

4.物価スライド特例措置(1.7%分)の解消
○ 過去3年分の物価スライドの特例措置(1.7%分)については、平成17(2005)年度以降、物価が上昇する状況の下で解消する。

5.旧農林共済の特例年金の改正
○ 旧農林共済の特例年金について、物価の下落状況を反映した額の改定等所要の改正を行う。

企業年金関係
1.厚生年金基金の安定化
○ 免除保険料の凍結を解除するとともに、分割納付、納付額の特例といった解散時の特例措置(3カ年の時限措置)を講じる。
2.確定拠出年金の改善
○ 拠出限度額の引上げを行う(政令事項)とともに、中途引出しの要件を緩和する。
3.企業年金のポータビリティの向上
○ 厚生年金基金、確定給付企業年金間で加入者の年金原資の資産移換を可能とする。この移換が困難な場合は、企業年金連合会(厚生年金基金連合会を改称)において年金として受給できる途を開く。また、厚生年金基金・確定給付企業年金から確定拠出年金への加入者の年金原資の資産移換を可能とする。


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