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拉致問題を整理

 拉致された皆さんは本当に気の毒だと思います。できるだけ早く全容が明らかになり解決することを望みます。以下に日本外交の弱点や無責任ぶりを整理してみました。イラクの日本人人質事件や拉致問題を通して、何もできない、やらない日本政府の実態が浮き彫りになってきた。

第一に戦後処理を早く終わらせ国交を樹立しなければならない。
北朝鮮とは国交がなく、政治的には依然として戦争が終わっていない不幸な状態が続いている。その為に起きている諸問題すら日本は自ら解決できず、中国などの力を借りなければならない現状にある。
朝鮮半島を欲しいがままに侵略し、戦後長きにわたり謝罪や戦後処理をサボってきた政府の責任は大きい。

第二に拉致問題を北の脅威とか核問題などとからませ、政治的に利用するのは解決を遅らせるのみである。日本海に向けて射程100キロの対艦ミサイルを発射したからと大騒ぎするのは意図的である。日本にはすでに北朝鮮近海から発射できるミサイルをイージス艦など護衛艦に搭載している。

第三に事実関係を徹底的に調査しなければならない。だがこれは国交が回復していない段階ではかなり難しいことである。現に日本は北朝鮮に入国することすら難しいのである。政府高官ですら中国経由で北朝鮮に入国しなければならない現状だ。

第四に拉致問題を右翼の政治家や軍需産業が利用し、軍事力拡大や平和憲法の改悪を企図していることである。こうなると拉致が大きな国内問題を引き起こす。

第五に双方は建前だけの議論では全く前進しないのは当然である。元々建前や主義主張が違うところからの出発なのであり交渉と妥協が必要である。妥協点をさぐるのが交渉ではなかったか。

第六に日本政府は、北朝鮮がどう対応するのかを見極める前に、日本の具体的な対応策がなければならない。在日北朝鮮人民に対する嫌がらせや経済制裁とかマンギョンボン号に対する嫌がらせは言語道断であり、解決を先延ばしにしかならないことを知るべきである。

第七に被害者には当然支援が必要であるが、日本国内の失業者やその他の自立できない人たちとともに中国残留孤児の皆さんへも自立できるように支援が必要である。

第八に元々信頼関係がないところからの出発だから、国と国の約束を裏切るようなことがあってはならない。裏切れば次回以降がなくなってしまうことは今回の対応で明白である。同じ誤りは行ってはならない。これが外交の基本になければならないが、政府にはこの姿勢にかけるところがある。

第九に被害者の家族が北朝鮮にいる。彼らも人権があり、政府の都合や家族会の意見を押し付けてはいけない。家族会は「自分の子供だから」と親権をふりかざす。これでは先進国(?)日本の恥と言うもの。家族会も被害者も北朝鮮に残っている家族の意向に従わねばならない。

第十に拉致問題は「北の核をめぐる六カ国協議」の議題になじまないのは政府や家族会も認識しているだろう。拉致問題はあくまで二国間の問題であり、目的の違う会議に過剰な期待をしてはならない。そこで前進しないことに腹を立てるのは大きな誤りである。政府は黙ってみているだけで、改憲に利用したいと考えているだろう。政府は六カ国協議より先に拉致問題を解決することは米国に従属している立場からはできないことである。

第十一に曽我さんの夫ジェンキンス氏は米国人で脱走兵である。日米安保条約と地位協定により日本政府は身柄を米国に引き渡さねばなりません。そこを解決しないまま「日本に行こう」と誘っても無理なのは誰でもわかります。外務省と小泉総理は裏で何を取引していたのでしょうか。この問題は曽我さんが帰国した時点からの課題でした。
また家族会の増元とか平沼自民党議員がジェンキンス氏他2名の子供たちのことを「北朝鮮の人質」などと呼ぶことはジェンキンス氏や北朝鮮、小泉総理に対する暴言であり許せるものではありません。アメリカが問題なのです。いずれにしても「建前ばかりを主張」している外交音痴では話にならない。

拉致家族会について

 9月4日に新潟西港に入港したマンギョンボン号、それに対する暴力。これは日本人のすることではありません。まさに右翼暴力団です。幸い朝鮮人には生命にかかわる被害はなかったようだが慎まねばならないことです。右翼暴力団は無実の人に対して現在も暴力を行使しているのです。

 「万景峰92」号が4日に新潟市の新潟西港に入港、5日に出港するまでの出来事をドキュメントで追った。(基)

 3日午後 市内に右翼の街宣車両が走る。新潟市内に入る高速道路の掲示板、4日から街宣車両で市内は渋滞と掲示、同胞乗せたバス蹴る

 4日
 午前11時40分 器物破損事件発生。入港を歓迎するため旅客ターミナルに向かっていた同胞らを乗せたマイクロバスが、ターミナルに向かう際の第1検問所前で、「拉致家族を救う会」の腕章をつけた男を含む10数人に蹴られる。

 正午 バス運転手が新潟東署に被害届提出

 午後1時20分 約120人の同胞らを乗せた「万景峰92」号が新潟西港に着岸。ターミナルで約120人の同胞が歓迎。一方、埠頭(ふとう)では「拉致家族を救う会」関係者が禁止されていたにもかかわらず集会断行。「殺すぞ」と朝青員脅迫。

 2時 乗客の下船途中、「救う会」関係者が朝鮮の国家指導者の肖像に×印をつけやぶる。中止を求めた同胞にそれをくちゃくちゃにして投げつけ、「殺すぞ」と脅す。生命の危険を感じる。

 2時15分 入国審査・税関検査を終えた同胞らがターミナルからマイクロバスで祖国訪問新潟出張所に向かう。通常はターミナルからタクシーなどで駅や空港に向かうが、マスコミの過剰な取材、「救う会」関係者を避けるためマイクロバスで出張所まで。同胞乗船者は入国審査の際に「再入国許可書」が偽造かどうかを調べられる。このため時間が遅れ、予約していた飛行機便に乗れなくなった同胞も。

 総聯国際統一局長会見

 3時12分 総聯中央の韓正治国際統一局長が器物破損事件目撃者(同乗者)と暴行事件被害者とともに、新潟港湾事務所で同所長と新潟県警の警備課長らに会い、当局のずさんな態勢・姿勢に厳しく抗議、器物を破損させた「救う会」関係者の謝罪を求める。

 4時 器物破損事件の実況検分

 同  5日に乗船する同胞ら到着

 4時7分 祖国往来記念館で韓局長が一連の事件について記者会見。コメント発表。被害者も同席。

 4時50分 「救う会」関係者に「殺すぞ」と脅された同胞が被害届を新潟東警察署に提出(8時30分に事情聴取が終わり受理)

 5時 国土交通省が船の安全性検査結果について発表。指摘部分の改善を確認

 約260人乗せ定刻に出港

 5日
 午前7時30分 乗船する同胞が祖国訪問事務所からマイクロバスでターミナルへ。

 9時15分 韓局長が報道陣の前で会見し、昨日の暴行事件について改めて説明

 9時25分 ターミナルで祖国を訪問する同胞らのための歓送行事が始まる。

 10時3分 「万景峰92」号が約260人の同胞および朝大生を乗せ、ほぼ定刻どおり出港、元山港へ。ターミナルで約120人の同胞が見送る。

 10時20分 歓送行事終了、その後、昨日に発生した暴行事件の実況検分

  以上朝鮮新報より


北朝鮮とは

 日本政府と財界は北朝鮮敵視政策を続けています。北朝鮮の脅威を理由にI日米安保や自衛隊の強化そして憲法第9条の改悪、スパイ衛星の打ち上げなどを進めています。財界が戦争のできる国を期待する理由は理解できます。
私はこれらのことに疑問を持っています。外務省のデータなども参考に北朝鮮に関し簡単にコメントします。

  北朝鮮の軍事力は日本の軍事力に比し(米軍を除く)強大なのか?

 基本的に北朝鮮の軍事力はますます低下の一途を辿っています。なぜならば、経済成長は伸び悩み、食糧危機などもあって逆に下がる傾向があります。それは多くの経済難民の脱北者のマスコミ報道でもあきらかです。日本政府は北朝鮮の外交を瀬戸際外交と呼んでいます。北朝鮮は実際に生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされているのです。
単にテクニックの問題ではないのです。マスコミなどが国民受けを狙い使っているだけです。

 航空機は旧ソ連時代のものが多くあったが使用不能になり、中国製が多数になりつつある。1980年代に導入されたミグが300機程度だろうと考えます。そして大半は修理部品の不足や飛行性能が落ちて実戦には役に立つものが少ないと思われます。
艦艇のほとんどは50海里以上の航行に耐えられないもので、38度線付近の支援のためのようです。
 地上軍は110万人程度で、ほとんど38度線から65キロ以内に配置されています。

 ミサイルでは1段ロケットのノドン1号(スカッド-D)が有名です。射程1000キロ程度で97年まで10機程度が配備されているようです。2段ロケットのテポドンは射程2000キロ以上でアラスカやハワイまで届くという噂がありますが発射実験は1回しか行っていないので実戦に使用できるか疑問が残ります。またテポドン2号は射程4000キロ程度で開発中です。テポドンは日本がミサイルだと主張したのに対し北朝鮮は人工衛星だと主張しました。日本のマスコミも政府発表を鵜呑みにしていました。

 この点に関し韓国の国防部の李氏は明快である。「人工衛星とミサイルの構造は基本的に同じで、弾頭を積めばミサイルで衛星を積めば人工衛星と呼び名が変わる。仮に人工衛星の発射に成功したとの北朝鮮の報道が事実であれば、そのロケットは大陸間弾道弾に必要な1万キロに相当するもので非常に大きな脅威である」と発言している。

 これに対し日本の軍事力は最新型戦闘機F15が203機F4が104機F1とF2が60機合計350機もあります。北朝鮮空軍旧型戦闘機では赤子の手をひねることと同じです。
 艦艇では日本が護衛艦を63隻も保有していて絶対に優勢です。
 地上軍は北朝鮮と比較しても意味はありません。
 問題はすでに配備済みのミサイル、ノドンです。これが発射されたら弾頭の種類によっては数万人くらい死亡するかもしれません。但し精度が高ければのことです。アメリカはノドンを問題にしていません。

 しかし日本には朝鮮人が63万人が生活していますので日本に向けての発射は妄想にすぎず、産業界の扇動宣伝です。日本の軍事力は単純に比較するだけでも北朝鮮に比べると多すぎるのです。やはり平和外交につきますね。誰かみたいに最初からけんか腰では戦争への道です。日本人の犠牲者が必ずでます。

 韓国の立場は戦争になれば国土国民がかなり犠牲になりますので戦争は絶対に避けたいのが本音で、太陽政策など経済協力を進めています。朝鮮戦争は2度と繰り返したくないでしょう。だから日本やアメリカが太陽政策に反対しても韓国は譲りません。韓国は親族がいる北朝鮮との戦争は望んでいません。


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