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新幹線建設に反対する

 富山県は新幹線のメリットのみ主張し、デメリットそして赤字財政との関連、国民生活との関連で整理することを避けました。国民生活が危機に瀕している中で経済効果のみを主張しています。もちろん国土交通省も同様です。真に国民の生活を心配していないのです。経済界の利益が第一になっています。事業を行えば常にメリット・デメリットがあります。そのメリットのみの主張です。

 国民にわかりやすい説明がありません。負担ばかりが重くなるのです。こういう手法で貴重な税金を使い果たし借金地獄に陥っているのです。国民や県民がなぜ責任をとらねばならないのでしょうか。
 国土交通省は疑問には答えていません。小泉流にかわしています。

 国が第三セクターを維持してくれるのでしょうか。県が負担するとすれば財源はどうなるのでしょうか。結局県民の負担になるのではないでしょうか。新幹線は8兆円程度と聞いています。高額です。

 最近流行している「後世に負担を残す」と政府・自民党は言っているが、矛盾しないのでしょうか。失業している若い人たちは急ぐ理由がなく、安ければいいのです。一番利用するのは県の幹部とか業界の幹部ではないでしょうか。急ぐ人は富山空港、そうでなければ在来線が適当なのです。新幹線はその中間をいくもので、必ずどちらかの経営にしわ寄せが行きます。
 また経営はJRです。JRのために税金をマスコミ宣伝費に使うのは問題があるのではないでしょうか。

あるJRでみかけた広告
夢を乗せる新幹線。
生活を運ぶ在来線。


 新幹線は公共投資予算、16年度700億円と東海道など新幹線売却益から負担し、建設中の北陸新幹線長野新幹線分のリース益。そして同額を地方自治体で負担し建設するということです。国・地方とも財政危機の状態で台所は新幹線の建設どころではない。これも後世負担になる。こういうのを「言うこととやることが違う」と富山ではいう。国土交通省は国民批判を自覚していて丁寧にもQ&Aまでつくり、メリットのみ強調し、デメリットを避けてしまっている。赤字の責任は国民はとれない。

平成12年12月18日(政府・与党申合せ)    

―、基本的な考え方
 整備新幹線については、整備計画に沿って着実に整備を進める必要があるが、公共事業のあり方について、効率化や重点化等の観点から見直しが進められている中、期待感のみをふくらませることは慎むべきである。したがって、安定的な財源見通しを確保した上で新たな着工を行うものとする。

二、既に着工した区間の工期短縮等
 今後の整備新幹線の整備に当たっては、その開業効果をできる限り早期に発揮させることが国民経済上重要との観点から、先ず開業時期が近づいている区間の早期完成を図り、次いで既に着工した区間の工期短縮を図ることを優先的に行うこととする。
 具体的な工期短縮の期間は、公共事業の性格上、今後概ね十年程度とすることが適当である。

三、新たな区間の着工
 新たな区間の着工については、現在工事実施計画の認可申請がなされている区間のうち、既に着工した区間と同時開業の望ましい区間について新たに着工することを優先する。

 また、その際には、収支採算性、投資効果等を十分に吟味するとともに、JRの同意、並行在来線の経営分離についての沿線地方公共団体の同意の取付等基本条件が整えられていることを確認した上で行う。
 なお、並行在来線の経営分離について沿線地方公共団体が同意するに際し、並行在来線を第三セククーで経営する場合には、沿線地方公共団体はその経営見通しについて十分検討を行う必要がある。今回着工を行わない区間については、社会経済情勢、国・地方公共団体の財政事情等に照らし、東北新幹線盛岡・八戸聞及び九州新幹線新八代・西鹿児島間の両区間の完成後に見直す。

四、各線区の取扱い
   ○東北新幹線
     盛岡一八戸間   平成14年末の完成を目指す
     八戸一新青森間  今後概ね12年後の完成を目指す
   ○北海道新幹線
     新青森―札幌間  環境影響評価終了後工事実施計画の認可申請を行う
     新青森−新函館間 青函トンネルについて、貨物鉄道走行に関する調査
              を行う
   ○九州新幹線(鹿児島ルート)
     新八代一西鹿児島間 フル化し、平成15年末の完成を目指す
     博多一新八代間   フル化し、今後概ね12年後の完成を目指す
               交通結節点として新鳥栖駅の整備を行う
   ○九州新幹線(長崎ルート)
     武雄温泉一長崎間 環境影響評価終了後工事実施計画の認可申請を行う
   ○北陸新幹線
     長野一富山間  フル化し、今後概ね12年強後の完成を目指す
     富山―金沢間  三.の見直しの際、石動―金沢間を既に着工している
             ことを 踏まえて認可に向けた検討を行う
     金沢一南越間  福井駅部機能高度化事業等を行う

 なお、未着工区間において整備新幹線建設推進高度化等事業費により実施している駅整備事業、駅部調査等の所要の事業については、引き続きこれを行う。

五、鉄道貨物輸送
 JRから経営分離された並行在来線上を引き続きJR貨物が走行する場合には、線路使用実態に応じた適切な線路使用料を確保することとし、これに伴うJR貨物の受損については、必要に応じこれに係る新幹線貸付料収入の一部を活用して調整する措置を講ずる。

六、軌間可変電車の技術開発を推進し、早期実用化を図る。

七、平成十三年度の整備新幹線関係予算は、以下のとおりとする。
   1.整備新幹線建設事業費2,293億円を計上する。このため、公共事業関係
     費750億円を計上する。
   2.整備新幹線建設推進高度化等事業費36億円を計上する。

  八、本申合せに抵触しない事項であって従来の整備新幹線に係る申合せに
  規定されている事項は、依然として有効である。


北陸新幹線について(富山県)

1.段階的整備

 昭和48年に北陸新幹線の整備計画が決定されて以来、現在まで28年の歳月が経過しています。
 東北・上越新幹線は、昭和57年に開業する一方、東北・上越新幹線に比べ整備計画の決定がわずか2年遅れた北陸新幹線は、オイルショック、経済成長の終焉、国鉄長期債務の問題や財政再建といったその時々の国の事情に翻弄され、着工決定と凍結が繰り返されてきました。

 平成元年以降、高崎・軽井沢間、軽井沢・長野間、石動・金沢間、糸魚川・魚津間、長野・上越間が順次着工されてきましたが、「投資効果を配慮し、時間短縮効果の高い区間から整備する」という段階的整備、いわゆる「まだら着工」であるため、大幅な時間短縮効果が望めないことや手戻りが大きいことなど多くの問題点があるところです。

 北陸新幹線は、他地域で見られるような地方都市間のみを連絡する新幹線とは異なり、東京・大阪間の2大都市を結ぶため、連続して整備されてこそはじめて、日本の中央幹線鉄道としての効果が発揮できると考えます。


2.富山までのフル規格整備の決定

 平成12年12月に「政府・与党申合せ」により北陸新幹線は、

 1 長野−富山間 フル化し、今後概ね12年強後の完成を目指す
 2 富山−金沢間 石動−金沢間を既に着工していることを踏まえて認可に向けた検討を行う
 3 金沢−南越間 福井駅部機能高度化事業等を行う
 こととされ、北陸新幹線の全線整備に向けて、大きな前進があり、ようやく富山まで新幹線がやってきます。
 今後も引き続き、平成11年12月の与党合意である「南越までのフル規格整備」の実現、及び整備計画通りの全線開通が一日も早く実現されるようさらに訴えていく必要があります。

3.財源問題

 本州と四国を結ぶ本四架橋など他の国家プロジェクトが、着実に整備されているにもかかわらず、同じ国家プロジェクトである整備新幹線の建設が進まない大きな原因の一つには、財源問題があります。

 新幹線の整備には、一般に相当多額の建設予算が必要であるという印象を持たれておりますが、新幹線の建設財源は、整備五線をフル規格で整備するとしても約8兆9830億円(平成9年4月価格)であり、公共投資基本計画(平成7年〜20年)の総額630兆円の1.2%しか占めていません。
 なお、この約8兆9830億円については、開業した高崎・長野間をはじめ、現在建設中の路線に既に投入された額も含まれています。
 また、多額の公共事業費が支出されているように見えますが、平成13年度当初予算においては、新幹線の公共事業費は750億円です。

 これは、750億円の額面だけ見ると、多額のように見えますが、全公共事業費約9兆4千億円のわずか0.8%に過ぎません。
 新たに現在の未着工区間をスキームに盛り込む場合や、既着工区間の大幅な工事期間の短縮には、財源問題の解決が必要ですが、前述したように、新幹線の建設事業費が他の公共事業に比較して多額であるということではありません。
 さらに、新幹線の整備には、JRの健全な経営の確保や収支採算性の見通しなど検討したうえで、着工することとなっており、優れた収支改善効果や経済効果が認められる北陸新幹線は、他の公共事業に比べ決して劣ることはなく、むしろ重点的に整備されることが必要だと考えられます。

 従来、我が国では、鉄道の整備は、鉄道事業者が主体的に行うべきという考え方が一般的であったこともあり、他の交通基盤の整備と比較して公共事業費の割合も少なく、交通投資額の中でも鉄道の占める構成比は欧米諸国と比較しても低い割合となってきました。

 しかし、鉄道は、環境に優しいことなどからも、最近その有用性が再認識されているところであり、速やかに整備するためにも、新たな財源の確保や公共事業費の重点配分などにより新幹線の建設予算の大幅な増額を図る必要があります。

4.敦賀以西のルート未公表

 北陸新幹線のルートは、昭和48年11月に決定された北陸新幹線の整備計画では、主な経由地として、長野市、富山市及び小浜市付近と明記され、いわゆる若狭ルートとなっています。しかし、敦賀以西については、駅・ルートが未公開であり、決定されていません。早期の公表がまたれます。
 一方、一部に、米原で東海道新幹線に接続する、いわゆる米原ルートの意見があることも事実です。
 しかしながら、

 米原ルートでは、現在、東海道新幹線の輸送ダイヤが過密となっており、新たに北陸新幹線のダイヤ編成を組み入れることが困難なこと。

 福井県嶺北・嶺南地域の均衡ある県土整備の点からも、新幹線の整備が必要なこと。
北陸新幹線は、東京と大阪を結び、東海道新幹線の代替補完(バイパス)機能に必要不可欠な国家プロジェクトであること。
など多面的に考慮して、現在のルートが決定されたものです。

 これまでも、政府等関係機関に対し、敦賀以西の駅・ルートの公表や全線の整備計画の明確化について、繰り返し要望してきているところですが、東京・大阪の二大都市間を結ぶ北陸新幹線の優れた経済効果を証明するためにも早急なルートの公表が待たれます。


国土交通省Q&A
問1 整備新幹線って何ですか?

 いわゆる「整備新幹線」とは、全国新幹線鉄道整備法に基づき、昭和48年に運輸大臣により決定された整備計画に定められている北海道(青森〜札幌)、東北(盛岡〜青森)、北陸(東京〜長野〜金沢〜大阪)、九州鹿児島ルート(博多〜鹿児島)、九州長崎ルート(博多〜長崎)の5新幹線のことを言います。
 なお、東海道新幹線、山陽新幹線は全国新幹線鉄道整備法が施行される前に着手したため、整備計画が定められていません。
 上越新幹線(東京〜新潟)、東北新幹線(東京〜盛岡)は昭和46年に整備計画が定められ、昭和57年に既に開業しております。
 また、いわゆる山形新幹線や秋田新幹線は在来線の線路幅(1067mm)を新幹線と同じ線路幅(1435mm)に拡げ、東北新幹線との直通運転を行っているものであり、整備新幹線ではありません。

問2 新幹線を造っているのは誰ですか?

 特殊法人である日本鉄道建設公団が建設主体となっています。
 同公団は、昭和39年に設立され、国鉄の新線建設、青函トンネルの建設等を行ってきました。
 国鉄民営化後も、整備新幹線の他、秋田新幹線、ほくほく線、常磐新線等幅広く鉄道建設工事を行っています。

問3 新幹線を造るには一体どれくらいのお金がかかるのですか?

 工事を行う線区毎に工事内容に差があるため一概に言えませんが、例えば、整備新幹線として初めて開業した北陸新幹線高崎・長野間を例にとると、高崎・長野間約117qの建設費は約8,300億円であり、1km当たりおよそ70億円程度かかることになります。
 また、現在建設を進めることとされている3線6区間(約630km)の工事費は約3.6兆円となっています。(平成11年4月価格)

問4 新幹線を造るお金はどこから出ているのですか?

 新幹線の建設にあたっては、国と沿線地方公共団体が公団に支出する補助金、東海道新幹線等既設新幹線をJRへ売却した代金の一部(いわゆる特定財源)、北陸新幹線高崎・長野間(長野行新幹線)のリース料も充てられています

問5 新幹線の予算は毎年どのように決められるのですか?

 まず、国の公共事業関係費が決められ、これに特定財源を加えた額の2分の1を沿線地方公共団体が負担し、さらに北陸新幹線高崎・長野間(長野行新幹線)のリース料を加えた額が、毎年度の建設事業費となります。

問7 整備新幹線は無駄な事業だという声もありますが・・・?

 新幹線の建設は確かに多額の費用を要しますが、一方誰でも容易に利用できる交通手段として、大幅な時間短縮を達成することができます。また、その建設に際しては、各線区ごとに、 投資効果、収支採算性等を十分に検証し、安定的な財源が確保された範囲内において、既に着工した区間の工期と短縮し、開業効果を出来る限り早期に発揮すること、また、既に着工している区間と同時に 開業することが望ましい新たな区間を着工することとしております。
 さらに、新幹線はエネルギー効率の面からも環境に優しく、安全性にも優れているため、近年特に各方面からその整備が強く求められています。
(新幹線の整備効果)
○ 新幹線の整備に伴う輸送サービスの向上により、沿線地域において、
   ・ 企業立地魅力の向上による事業所数の増加
   ・ 居住人口の増加
   ・ 県内総生産の増加
  などが期待されます。
○ 北陸新幹線(高崎〜長野間)の整備により、
   ・ 東京〜長野間の所要が開業前約2時間40分が、開業後1時間19分と約1時間20分短縮 
   ・ 従来と比較して利用者が約25%増加
   ・ 利用者の約半分が東京圏居住者
  などがあります。

問8 新幹線は誰が所有しているのですか?

 東海道新幹線はJR東海、山陽新幹線はJR西日本、東北新幹線(東京〜盛岡)、上越新幹線はJR東日本がそれぞれ所有しています。一方、北陸新幹線高崎〜長野など整備新幹線は日本鉄道建設公団が所有し、JR旅客会社にリースします。

問9 整備新幹線のリース料はどのように決められるのですか?

 整備新幹線は法律に基づき、公団が保有し、JRに貸し付けることとなっております。リース料は、新幹線が建設されることによって、JRが受ける利益相当額を基準として定めており、JRの経営に対して中立となっております。

問11 スーパー特急とは何ですか?

 東海道新幹線等フル規格の新幹線と同じ構造の路盤、トンネルを走行しますが、当面、線路の幅を在来線と同じ狭軌(1067mm)とし、在来線直通の車両を走らせるものです。
 スーパー特急は線路の幅が狭いため、最高速度は時速200qとなります。

                                                                                                       

                                                                           
                                                                          
                                                                             
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