衆議院選挙の実態(H17.9)
自民党は選挙に勝ったとやりたい放題。しかし現実はどうだろうか。以下の結果となった。国民から小泉郵政改革が支持されたと宣伝している。しかしこれで果たして勝利したと言えるのだろうか。仮に自民党のすべての政策が支持されたとするならば、それは有権者の21%の支持である。議席数は多いがわずかこれだけの支持しかないのである。そしてすべての国民の支持があるかのごとく、思いのまま好き勝手にやりたい放題である。こんなことが許されるのだろうか。
先進国日本の民主主義の制度ではある。
当日有権者数 102,985,193人
比例ブロック各ブロックごとの得票数
九州 | 四国 | 中国 | 東海 | 東京 | 東北 | 南関東 | 北海道 | 北関東 | 北信越 | 合計票 | 有効投票に占める割合 | 獲得議席数 | あるべき議席数 | 総議席かける割合 | 全有権者に占める割合 | |
自民 | 2,883,048 | 821,746 | 1,537,080 | 3,066,048 | 2,665,417 | 1,901,595 | 3,510,617 | 940,705 | 2,892,780 | 1,665,553 | 21,884,589 | 38.4 | 66 | 58 | 185 | 21.2 |
民主 | 2,287,753 | 711,927 | 1,196,971 | 2,766,443 | 1,962,225 | 1,748,165 | 2,439,549 | 1,090,727 | 2,260,717 | 1,414,392 | 17,878,869 | 31.4 | 52 | 48 | 150 | 17.3 |
公明 | 1,240,007 | 317,575 | 658,702 | 987,290 | 820,126 | 620,638 | 1,007,504 | 368,552 | 937,345 | 403,203 | 7,360,942 | 12.9 | 19 | 20 | 62 | 7.1 |
共産 | 451,158 | 175,994 | 247,073 | 502,501 | 586,017 | 325,176 | 566,945 | 241,371 | 477,958 | 293,045 | 3,867,238 | 6.7 | 6 | 10 | 33 | 3.7 |
社民 | 607,008 | 119,089 | 215,636 | 300,574 | 300,782 | 362,523 | 444,753 | 152,646 | 323,979 | 272,649 | 3,099,639 | 5.4 | 5 | 8 | 26 | 3.0 |
国民 | 307,454 | 330,546 | 244,933 | 300,140 | 1,183,073 | 2.0 | 2 | 3 | 10 | 1.1 | ||||||
日本 | 327,768 | 290,027 | 309,851 | 294,952 | 1,222,598 | 2.1 | 0 | 3 | 10 | 1.1 | ||||||
大地 | 433,938 | 433,938 | 0.7 | 1 | 1 | 4 | 0.4 | |||||||||
56,930,886 | 100 | 151 | 151 | 480 | 55.3 |
上記結果から言えるのは小選挙区制度がいかに非民主的で、或いは民意を反映できない制度ということが明らかであろう。
小選挙区より比例代表が実態に近いと考えたので参考にした。
大勝したと言われる自民党は有効投票の38.4%、当日有権者数の21.2%の支持しか受けていない。
しかし自民党は全体で480議席中の296議席を獲得している。小選挙区制度の弱点をさらけだした結果である。
小選挙区は地域性や個人的な要素が入るが、小泉自民党がどれだけ支持されているのかを判断するのは、比例区の方が近い結果になっている。しかし比例代表では38%の得票率で44%の議席を確保している。これも小選挙区より実態に近いとはいえ、正確な民意の反映になっていない。
選挙区・比例区の合計議席数は自民党は過半数を超えている。(単純に38.4%ならば185議席が妥当)
有権者の21%の支持しかない政党が61%の議席を獲得できる選挙制度である。国民の圧倒的多数の意志が無視されているのである。もちろん死票も多い。
比例区はブロック別に集計し比例配分するので、本来全国集計し配分するとすれば、自民党の66議席が58議席に減となる。現在の比例区ですら、これだけ多くの誤差がある。小選挙区に至ってはもっと深刻である。
有権者の皆さんは上記得票率・獲得議席一覧を見てどのように思いますか。
選挙制度に無関心でいても、結局は国家権力により服従させられてしまうのです。「どうでもいいよ」と済ますことは出来ないのです。
小選挙区制度とは「こういうもの」という前提だから勝利には違いない。だが小選挙区制度自体がいかに非民主的な制度であるかは勝敗に関係なく知っておくべきことである。
今回の結果は大政党の自民党と民主党に有利に働き、共産党や社民党その他の小政党には不利になっている。小選挙区制度そのものが少数意見を無視し多数の意見のみが反映されるしくみと言える。
多数を獲得した自民党は、次回大敗する可能性があり、政府政策のブレが大きくなる。
このような大きな矛盾を放置してはいけない。小泉内閣が独裁と言われる所以である。
このような選挙制度抜きに「国民すべてが自民党の政策を支持した」とする小泉の暴言も許せない。
小泉自民党は選挙に勝ったが、有権者の支持を得ていないのである。
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