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はじめに   
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東電と政府・御用学者の嘘と妄言

 これまで多くの原発が事故を起こし、多くの労働者が被曝・死亡してきた。中でももんじゅのナトリウム漏れ、東海原発の臨界事故が大きなものである。
 
東京電力福島第一発電所の事故はその中でも数多くの教訓を残してくれている。しかし今まで原発の事故隠しが当たり前になっているので、すべての事故について公開しなければ、そこから学ぶことはできない。
 東電は地震や津波の想定を意図的に(コスト削減の為)意図的に低く見積もっていたのである。周囲から注意を喚起する声があったにもかかわらず無視したのである。この責任は重大である。

 一つには被災者が原発の危険性を知りながら買収されていたことである。安全だと言うから安全だと思っていたなどと。
東電や政府からリスクを金で買収され、村おこしをしていたことである。他の自治体に住む人間にとっては冷たいようだが「今更何を言っているのか」と思ってしまう。金に目が眩むのは東電と同じ体質である。原発を推進してきた自治体と住民には目覚めて欲しいものである。原発は福島県などを人が住めないように変えてしまったのである。原発推進の自治体はこれ以上国民に迷惑をかけないでほしいものである。国の補償など・・・と言わないで、原因者たる東電に補償を求めねばならない。原発推進自治体はすでに「リスク」を金で受け取ったのだ。自ら望んだことである。

 二つには東電と政府の無責任さである。利潤追求の為に、金で推進派の御用学者を揃え、反対派の学者を排除したため、この事故は起こった。東電は想定外の津波だったと主張し、責任を逃れようとしている。想定外であれば何をやっても良いという主張である。だが想定外で他人を殺す権利は与えられていない。これを認めるならば想定外として東電に破壊工作があったとしても取り締まることはできない。我々国民は未知の事故に対応する能力がないので、原発は実験にとどめるべきだと主張してきた。従って原発はあらゆる事態を想定しなければならないのである。想定外と言う言葉は通用しない。地震で重大な事故が発生していないと言うが、小さな故障に対応しなければ重大な事故になる。また政府の態度も曖昧だ。自民党の原発政策に加えさらに東電擁護、国民切り捨てを狙っているようだ。与謝野大臣の「神が与えたこと」という発言は自然現象に片付けようとし、「神」まで持ち出している。天皇家や旧日本軍や自衛隊には「神」は必要だろうが、政治や科学に神は必要はない。
 政府は早くも国民大衆から「震災復興」名目で増税をもくろんでいる。またしても生活弱者が犠牲になろうとしている。

 三つには原発推進派のマスコミの論調や世論誘導である。これだけ犠牲が出ているのにもかかわらず、原発は欠かせないと言う。原発は安全を手抜きすれば安くできるが、きちんと安全を管理すれば、膨大な費用がかかる。マスコミは安全を手抜きするのは仕方がないとも言う。だがこれでは日本資本主義は終わりである。

 四つには、人類は原子力をまだコントロールできる状況にはない。暴走を止めることはできないのである。たかが水位計や線量計などの測定装置が機能しないのである。全くお粗末と言わざるを得ない。そして放射能をまき散らすのである。放射線から身を守る防護服すらまともなものはない。単なる粉じん対策に以下過ぎない防護服である。原発を扱うには少なくとも40年以上前から指摘されている。開発が遅れているのである。結果として日本は原発の管理能力に欠けているのである。元々管理できないのである。鉛に替る軽い遮蔽物質の開発が必要なのである。原発に向かう基本姿勢が莫大な儲けの為に後退し、目が眩んでしまっている。そして元々原発は放射性物質を建屋の中に閉じ込めるよう設計されていない。どんな事態になろうとも建屋の中で処理し、外部に放出してはならない。そういう設計思想を持てば原発は高価になる。プルトニウムのが消滅するまで管理することになれば気の遠くなるほど高価なものになる。どこかの原発推進論者は、原発に放射能汚染というリスクはつきものだとも言う。そして被曝線量基準の引き上げをめざす。ますます国民から不信を買うだけである。自然界の放射線量はせいぜい年間1ミリシーベルトなのに何故年間20ミリシーベルトまで安全と言えるのだろうか。

 五つには至急すべての原発を、災害に遭わないうちに停止すべきである。そして政府は反省の上に原子力の安全基準を見直し、既存原発の安全基準との整合性を公開し、国民の討論に付すべきである。よくエネルギー問題を理由に原発の必要性を主張する輩がいる。だが日本は化石燃料もウランも食料もすべて輸入に頼らねばならないのである。ウラン原料も国産ではないのである。学者やマスコミの嘘は絶対に許されない。

 六つにはすべての原発推進論者は、国民を惑わし、犠牲になる国民にどのような責任を取るつもりなのか明確にすべきである。 馬鹿な政府・東電とその推進論者は、今回の教訓を生かさない限り、文字通り命取りとなる。日本の資本主義すら成り立たなくなるのである。

 七つには東電資本は補償や原発停止までの損失は株主を含めて免れない。社会的責任を果たさねばならない。東電の役員は無報酬にて働き、被害者に謝罪しなければならない。また東電社員もせめて公務員並みの低い賃金で働かねばならない。そうしないと放射能被害を受け続ける国民は納得しない。利潤追求の為の下請化は管理能力をなくすだけであり、事故時には混乱を招くのみである。

 八つには送電線の問題である。今までも送電線の倒壊、落雷や樹木との接触により停電事故が相次いでいる。テロ対策も実施されていない。現在も誰でも自由に破壊できるのである。

 九つには官民癒着構造である。天下りを廃止しなければ大事故は防げない。この事故は過去の自民党と官僚そして財界が一体になった政治的犯罪であり、国民に対する背信行為である。過去に遡って犯罪者の処罰が必要である。仮に素人の本人が認識していなかったとしても、それは許されないことである。東電の犯罪に比べれば、日本社会で日常的に起きている犯罪などは可愛いものである。

 最後に札束で頬を殴られればイエスマンになるというのは、奴隷根性であろう。金で動く人間は社会を駄目にしている。日本の現状がそうである。多くの国民のことである。自分で選んだ道だから何が起きても仕方がないが、未来の子供たちにまで悪影響を及ぼし、人類を自滅させる行為はやめさせねばならない。どんな屁理屈も人の命に変えられない。人の命は金では買えないのだ。電力不足を心配する声も一部にはあるが、多くの火力発電所が休止中であることを忘れている。
 日本人類史上、最悪となった福島原発事故を中心に報道されたものを、備忘録として下記に留めたい。


浜岡原発 全面停止へ 「唐突」「英断」…戸惑う地元

毎日新聞 5月6日(金)21時28分配信

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中部電力浜岡原発=静岡県御前崎市で2011年2月、本社ヘリから西本勝撮影
 中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の原子炉を全て停止するよう菅直人首相が6日、中部電力に要請したことについて、地元住民や自治体、関係者の間には戸惑いと歓迎が交錯した。「唐突で人気取り」「交付金に依存する自治体財政はどうなる」と疑問視する向きがある一方、静岡県の川勝平太知事は「英断に敬意を表する」と評価、危険性を訴えてきた市民団体などからも「当然の判断だ」とする声が上がった。

 ◇静岡・御前崎

 浜岡原発を市内に抱える静岡県御前崎市の建設業、植田政志さん(55)は友人から原発停止要請のニュースを聞いた。「あまりにも唐突で戸惑った。(菅首相が)人気取りのためにやったのではないか」と感じたという。「福島第1原発の事故で安全神話が崩れたということなのだろうが、止めるというなら地元にきちんと説明をすべきではないか。これまで原発と共存共栄でやってきたので、税収ダウンなどの影響が心配だ」と話した。

 原発から約1キロ離れた国道沿いのコンビニに親子3人で買い物に来ていた水道業の男性(31)は「私の仕事は原発とは関係ないが、関連した職場で働く友人がたくさんいる。不安はあるが、ここで生まれ育ったから安全だと信じて受け入れてきた。今は地元の雇用がどうなるのかが一番気になる」と語った。

 石原茂雄・御前崎市長は「話が唐突過ぎて言葉が出ない。海江田万里経済産業相と5日に会って話したばかりだ。地元の意見をよく聞いて3号機の運転再開を判断すると言っていたのに4、5号機も止めるなんて」と戸惑う。「原発交付金に依存する自治体財政はどうなるのか、困惑を通り越してあっけに取られるばかり。菅首相は選挙目当てでこんな思い付きを言うのかと勘ぐってしまう。国策に従い原発を受け入れてきた自治体はどうなるのか。中部電力はどうするのか聞きたい」と怒りをあらわにした。

 一方、静岡県の川勝平太知事は「福島第1原発の事故を受け、安全性確保に対する地元の要望を最優先した英断に敬意を表する」と歓迎した。ただし、「国におかれては地元経済に対する影響についても適切に対応していただかねばならない」と注文も付けた。

 ◇「当然の判断」 原告・弁護団

 02年の浜岡原発データ隠しの翌年に原発運転差し止めを求める訴訟を起こした「浜岡原発とめよう裁判」原告代表の白鳥良香さん(78)は「我々の感覚では当然の判断だが政治的には英断。福島第1原発事故で原爆被害国だった日本が加害国になりつつあった。データ隠し発覚の際にも全号機を停止しており電力需要にも大きな問題はない」と話した。

 差し止め訴訟の原告弁護団長、河合弘之弁護士(67)は「歴史的な大英断だ」と評価した。「福島原発事故が発生して、対応しきれない恐怖を味わったことが決断につながったのではないか。福島を制圧できていない今、仮に浜岡原発でも事故が発生したら、東京は挟み撃ちになる。その恐ろしさを想定したのではないか」と分析した。

 「菅首相は会見で、中長期的に対策が立てられるまでの間の停止と話していたが、その点はばかげている。どんな状況でも浜岡を廃炉にしなければいけない」と強調した。

 原告団は福島第1原発の事故を受け、5月下旬に浜岡原発の運転停止を求める仮処分を静岡地裁に申し立てる予定だった。河合弁護士は「私たちが裁判を通じて訴え続けてきたことが社会に伝わって政府の決断につながった」と胸を張った。

 ◇「電力事情、厳しく」 中部電力

 名古屋市東区の中部電力本店には6日夜、大勢の報道陣が詰めかけた。広報担当者は「浜岡原発が停止すると、厳しい電力事情になるのは間違いない」と厳しい表情で話した。

 同社広報によると、6日午後6時半ごろ、海江田万里経済産業相が水野明久社長に電話し、停止要請について「運転中の浜岡原発4、5号機も東海地震の震源域にあり、地震が発生する可能性が高い。防潮堤が完成するまでは停止するようにお願いしたい」と説明したという。防潮堤完成は13年度末ごろで、約2年かかる見通しだ。

 この電話の後、原子力安全・保安院の担当者が保安院に同社の岡部一彦東京支社長を呼び出し、停止要請について詳細に書いた要請書を手渡したという。

 ◇廃炉強く求める 市民団体

 浜岡原発停止を求めて約15年間活動を続けてきた市民団体「浜岡原発を考える静岡ネットワーク」の運営委員で、運転差し止め訴訟原告団の一人でもある長野栄一さん(90)は「菅首相はよく言ってくれた。止まるのはありがたい」と喜んだ。今後については「日本国内のすべての原発が停止するよう活動したい。国が脱原発へと政策転換してくれたら」と話した。

 同ネットワーク事務局長の鈴木卓馬さん(71)も「菅首相を素直に評価したい。ただ、東海地震がどれほどの規模になるか想像できないのに、完全な防災対策をとることは不可能。私たちは廃炉にするよう強く求めていきたい」と話した。

 ◇基本姿勢示されず 原発立地自治体、驚きと批判

 菅首相の浜岡原発停止要請に対し、全国で最も多い14基の原発が立地する福井県の西川一誠知事は「全国の原発についての基本的姿勢を示さないまま部分的に対応していることは、到底、県民、国民の理解を得られるものではない」と批判するコメントを出した。

 関西電力大飯原発の地元、同県おおい町の時岡忍町長は「東海地震の可能性をおもんぱかっての判断だろう」と理解を示す。

 一方で「不足するエネルギー問題にどう対処するのか心配だ。国の政策全体として今後、どう展開していくだろうかと驚きをもって受け止めている」と話した。

 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)がある同県の山口道夫・原子力安全対策推進監は「全国の原発の安全対策について政府はおおむね良と判断していたはず。なぜ停止要請に至ったのか、正直分からず戸惑っている」。

 北海道電力泊原発(泊村)を抱える北海道の原子力安全対策課担当者は「泊原発に対しても運転停止要請があり得るのか、まずは国に確認したい」。牧野浩臣・泊村長は「道内の電力の約4割を供給する泊原発を止めるのは不可能だろう。(浜岡原発とは)事情が違うと思う」と語った。

 
東電福島第一原発事故をうけて・・・


自民党 原発推進派始動
 朝日新聞  5月6日

 「原子力守る」政策会議発足 東京電力福島第一原発の事故に収束のメドが立たない中、国策として原発を推進してきた自民党内で早くも「原発維持」に向けた動きが始まった。原発推進派の議員が集まり、新しい政策会議を発足。「反原発」の世論に対抗する狙いだ。
 この会議は「エネルギー政策合同会議」。自民党内の経済産業部会、電源立地及び原子力等調査会、石油等資源・エネルギー調査会の三つを合体させた。電力需給対策とエネルギー戦略の再構築の検討を目的に掲げるが、党幹部は「原発を守るためにつくった」と明かす。       

 幹部には原発推進派が名を連ねる。委員長は元経済産業相の甘利明氏。旧通産省(現経産省)出身の細田博之元官房長官が委員長代理、西村康稔衆院議員が副委員長に就いた。先月12日の会合では、幹部陣の隣に東電の元副社長で現在は東電顧問の加納時男・元参院議員が「参与」として座った。

 甘利氏は「安易に東電国有化に言及する閣僚がいる」と指摘する資料を配布。会議後に河野太郎衆院議員が「原発推進派が並ぶ人事はおかしい」と抗議したが、認められなかった。
 自民党は中曽根康弘元首相らを中心に「国策・原子力」の旗を振ってきた。1955年、研究と開発を進める原子力基本法を制定。
74年に「電源三法」を制定し、立地自治体に手厚く補助金を出してきた。電力業界は資金と選挙で自民党を支援。電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)は80年代前半から11年間で約65億円を党機関紙の広告費として自民党に支払った。
 谷垣禎一総裁は震災後の3月17日の記者会見で「現状では、原発を推進していくことは難しい状況」と述べたが、1週間後には「安定的な電力供給ができないと製造業などが維持できるのかという問題もある」と軌道修正した。党内では「推進派から反発されたため」と受け止められた。

 会議は大型連休後、中長期のエネルギー戦略の議論を始める。甘利氏は「我々は市民活動家ではない。膨大なコストや不安定性を覆い隠し『自然エネルギーで何とかなる』と言うのは無責任だ。現実問題として原子力を無くすわけにはいかない」と言っている。
  (渡辺哲哉、土佐茂生)

加藤時男- - -
地元が要望、雇用に貢献

 -福島の現状をどう感じていますか。
 「東電出身、元国会議員として二重の責任を感じている。インターネット上で『お前は絞首刑だ』『A級戦犯だ』と書かれてつらいが、原子力を選択したことは間違っていなかった。地元の強い要望で原発ができ、地域の雇用や所得が上がったのも事実だ」

 -原発推進のため国会議員になっだのですか。
 「そうではない。当時財界と自民党との間に溝があり、経団連は財界の声を反映させたかった。特定の業界のために仕事をしてきたわけではない」

 -電力会社役員から個人献金を受け、自民党が原子力政策に甘くなったことは。
  「お金をもらったから規制を緩くしたとか、そんなことはない」

 -河野太郎氏は燃料サイクル」政策は破綻していると主張しています。

 「反原発の集会に出ている人の意見だ。自民党の意見になったことはない。反原発の政党で活躍すればいい。社民党に推薦しますよ。福島瑞穂党首は私の大学の後輩だから」。

 -今後も原発を新設するべきでしょうか。
 「太陽光や風力というお言葉はとってもロマンがある。しかし、新増設なしでエネルギーの安定的確保ができるのか。二酸化炭素排出抑制の対策ができるのか。天然ガスや石油を海外から購入する際も、原発があることで有利に交渉できる。原子力の選択肢を放棄すべきではない。福島第一原発第5、6号機も捨てずに生かす選択肢はある」

 東電つぶせば市場混乱

 -東電四責任をどう考えますか。
「東電をつぶせと言う意見があるが、株主の資産が減ってしまう。金融市場や株式市場に大混乱をもたらすような乱暴な議論があるのは残念だ。原子力損害賠償法には『損害が異常に巨大な天災地変によって生じたときはこの限りではない』という免責条項もある。今回の災害があたらないとすると、一体何があたるのか。全部免責しろとは言わないが、具体的な負担を考えて欲しい」
  「低線量の放射線は『むしろ健康にいい』と主張する研究者もいる。説得力があると思う5。私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った。過剰反応になっているのでは。むしろ低線量は体にいい、ということすら世の中では言えない。これだけでも申し上げたくて取材に応じた」
  (東電顧問 元参議院議員 加納時男)

河野太郎- - -
核のゴミ捨て場所ない

 -自民党で数少ない「脱原発」論者です。
 「最大の疑問点は使用済み核燃料など高レベル放射性廃棄恂いわゆる『核のゴミ』を捨てる場所が日本にはないのに、原発を増やそうとしたことだ」

 −3・11で原発の「安全神話」が崩れました。
 「もともと、おとぎ話の世界だ。土木学会原子力土木委員会津波評価部会のメンバーの多くは、電力会社で占められていた。お手盛りで津波対策をつくりながら、今さら『想定外でした』というのは通らない」

 −「神話」はどう作られたのでしょうか。
 「中心は自民党と経済産業省、電力会社だ。自民党は電力会社から金をもらい、立地自治体に補助金を出しやすい制度を整えてきた。経産省は電力会社に金を出させて公益法人を作り天下っている。東芝や日立などメーカーに加え、建設業界など産業界も原発建設を後押しした。電力会社は大学に研究費を出し、都合の良いことしか言わない御用学者を作り出す。多額の広告代をもらうマスコミは批判が緩み、巨悪と添い寝してきた。政・官・産・学・メディアの五角形が『安全神話』をつくった」

利権が行政をゆがめた。

 -自民党内と東電で原発を守る動きがあります。
「甘利明氏の会議がそうだ。
 推進派がズラリと並び、引退した加納時男氏まで座る。次の選挙でそういう議員を落とすしかない。国民の目が必要だ。3月11日で隠してきたうみが全部出た。自民党がやるべきことは謝罪だ。利権で原子力行政をゆがめたのだから。政府には原子力政策を促進した中曽根康弘元芦相に近い与謝野馨氏がいる。与謝野氏の発言は、明らかに東電を守ろうとしている」

 - 世論調査では半数が「原発現状維持」です。
 「正しい情報が伝わっていないからだ。時間をかけて原子力を止めていけば国民の暮らしへの影響は少ない。原子力は環境にやさしくない。海外では再生可能エネルギーが伸びているが、日本では加納氏らが『原子力の邪魔』とつぶしてきた。
経産省が出そうとしない情報をきちっと出せば、世論は変わる」       

 -  東電の賠償問題をどう考えますか。
 「賠償金はいずれ電力料金に上乗せされる。国民が負担するのなら東電の存続を前提にしてはダメだ。逆立ちしても鼻血が出ないぐらいまで賠償金を払わせるべきだ」
(衆議院議員 河野太郎)


<福島原発>「天災ではない」佐藤栄佐久・前知事
毎日新聞 4月4日(月)12時11分配信

今回の原発事故を「国の体質が引き起こした」と指摘する佐藤栄佐久氏=福島県郡山市の佐藤氏の自宅で、松本惇撮影
 福島県知事在職中に、国の原子力政策に疑問を投げかけていた佐藤栄佐久氏(71)に、東京電力福島第1原子力発電所の事故について聞いた。佐藤氏は「深刻な事態は国の原子力政策が招いたもので、天災によるものではない」と強調した。【岩佐淳士、松本惇】

【検証】東電ベント遅れ、なぜ起きた…首相「おれが話す」

 −−未曽有の事故に、東京電力は「想定外の事態」と繰り返した。

 ◆私でさえ安全と思っていた。経済産業省は「二重三重のチェックをしている」「自然災害による事故も絶対あり得ない」と言っていた。国がそれだけ言えば、地域社会が信用するのは当然だった。

 −−88〜06年の知事在任時、福島第1、第2原発で事故やトラブル隠しが発覚。安全管理に疑問を唱えていた。

 ◆原子力政策は、国会議員や福島のような立地県もタッチできない。政策の基本を定める長期計画策定会議のメンバーの大半は電力関係者の「味方」。政策を実際につくるのは経産省の官僚だ。彼らにとって、良いのか悪いのかは別問題で、一度方針を決めると後戻りしない体質だ。

 −−原子力安全・保安院の経産省からの分離が検討されている。

 ◆分離しないといけない。02〜06年に原発トラブルなどに絡んだ内部告発が、県に21通も寄せられた。保安院に情報提供しても対応もせずに東電へ情報が流されると、告発者は恐れていた。原発の運転を前提に安全面をチェックしろと指示してきたと指摘されるのも、保安院が経産省の一組織だからだ。

 −−第1原発敷地内からは、微量のプルトニウムも検出された。

 ◆3号機で使用中のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料から出た可能性もある。プルサーマルは、専門家から安全性に懸念の声もあったが、国は推進してきた。

 −−多くの住民が原発関連の仕事に従事してきた現実もある。

 ◆原発のない町に帰っても働く場もないという問題は確かにある。ただ、第1原発がある双葉町を見てほしい。原発ができて永久に栄えると思っていたが、すぐに2機増設してほしいという話が出た。財政上の優遇もあったが、09年には自主的な財政運営が制限される「早期健全化団体」に転落した。原発立地の損得を、冷静に考えるべきだと思う。

 −−東電は、第1原発1〜4号機の廃炉を表明した。5、6号機や第2原発はどう扱うべきか。

 ◆第2原発を再稼働させるべきかどうか、まだ自分の中で整理ができていない。原発は1カ所の立地点で1兆円の投資となる。原発の扱いは、エネルギー政策の根幹にかかわる問題だから。

 【略歴】さとう・えいさく 日本青年会議所副会頭などを経て83年参院議員、88年に福島県知事。5期目途中の06年県発注工事を巡る汚職事件が表面化し、同10月に収賄容疑で逮捕された。無罪主張しているが1審、2審では有罪判決が出て、上告中。02年の東京電力の原発トラブル隠し問題では、原発立地県の知事として、プルサーマル計画への「事前了解」を白紙撤回した。

◆福島第1原発と佐藤栄佐久氏◆

71年3月 福島第1原発1号機が営業運転開始

88年9月 佐藤栄佐久氏が福島県知事に初当選

98年11月 県と地元2町が福島第1原発3号機でのプルサーマル計画受け入れを表明

02年8月 東京電力の原発トラブル隠し発覚

  9月 佐藤氏がプルサーマル計画への事前了解を白紙撤回

03年12月 福島、新潟、福井の3県知事が原子力安全・保安院の経済産業省からの分離を国に要請

06年9月 県発注工事を巡る談合事件で実弟らが逮捕された道義的責任を取り、知事を辞職

  10月 佐藤氏が県発注工事を巡る収賄容疑で逮捕される

10年8月 福島県がプルサーマル計画受け入れ表明

  10月 福島第1原発3号機でプルサーマル発電による営業運転を開始

11年3月 東日本大震災発生
           

東日本大震災と福島第一原発事故

自衛隊ヘリ 3号機に放水開始
3月17日 9時53分
福島第一原子力発電所では、3号機と4号機の使用済み燃料を保管したプールが冷却できない状態になっていて、このままの状態が続くと放射性物質が外部に漏れ出すおそれがあることから、政府の対策本部は、自衛隊と警察に冷却作業を行うよう要請し、このうち3号機については17日午前10時、前自衛隊が上空のヘリコプターによる水の投下を始めました。

福島第一原子力発電所の3号機では、使用済み燃料を保管しているプールが冷却できない状態になり、水が蒸発しているとみられています。また、4号機は15日から16日にかけて火災が相次いで発生したほか核燃料を入れていた保管用のプールの温度が上がっていることが分かっており、3号機と4号機ともに、この状態が続けば燃料が溶けて放射性物質が外部に漏れ出すおそれがあるということです。このため政府の対策本部では、自衛隊と警察庁に対して冷却作業を行うよう要請していました。冷却に向けた作業は建物が大きく壊れている3号機を優先して行われることになり、自衛隊は17日、ヘリコプターからの水の投下を行うため陸上自衛隊のUH60ヘリコプターを向かわせて、上空の放射線量を測る「モニタリング」を行ったうえで、午前10時前からCH47ヘリコプターを使って水の投下を始めました。7.5トンの水を投下できる容器を装備したヘリコプター2機ずつが、近くの海上から海水をくみ上げて、断続的に3号機の上に投下しています。また、3号機に対しては4号機の冷却作業を行う予定だった警視庁の機動隊が保有する高圧放水車による放水作業もあわせて行うことになりました。機動隊員は自衛隊から借りた防護服を身に着け、放射線量を計測しながら安全な距離をとったうえで作業に当たるということです。高圧放水車は、すでに近くに待機しており、警察では自衛隊による3号機への投下作業が終わりしだい、安全を確認したうえで地上からの放水を始めることにしています。また、警察では4号機についても放水作業を行うことにしています。


福島 避難所で患者14人死亡
3月17日 4時23分
福島県いわき市の避難所で、病院から避難してきた高齢者を含む入院患者14人が死亡したという報告が避難所から福島県の災害対策本部にあり、県が詳しい状況を調べています。

福島県などによりますと、14日、県内の病院から128人の入院患者が、避難所になっているいわき市にある県立高校に避難しました。しかし、このうち、2人が避難所に向かうバスの中で、12人が避難所に入ってから、これまでに死亡したということです。亡くなった14人はほとんどが高齢者で、寝たきりの人も含まれ、いずれも別の病院に移るために一時的に避難所で待機していたということです。この高校の校長によりますと、避難所には、医師を含む4人の医療スタッフがいましたが、医療機器は最低限しかなく、患者たちは避難所の畳の上に毛布を敷き、ヒーターなどを置いて寝ていたということです。福島県では「できるかぎり早く避難できる病院を見つけたかった。詳しい状況を確認したい」と話しています。


津波 女川港では高さ15mに
3月16日 22時49分
今回の巨大地震で、東北の太平洋沿岸を襲った大津波のうち、宮城県の女川港では、高さが15メートルに達し、鉄骨のビルがなぎ倒されていたことが専門家の調査で分かりました。

女川港で津波の調査をしたのは、国土交通省と港湾空港技術研究所の専門家7人による調査団です。調査団が、女川港の岸壁近くに建つ監視塔とみられる塔を調べた結果、海面から15メートルの高さにある最上部の窓ガラスが割れているのが見つかりました。今回、気象庁が観測した最も高い津波の高さは、福島県相馬港の7メートル30センチですが、女川港では、少なくとも、その2倍以上の15メートルの巨大な津波が押し寄せていたことが分かりました。また、3階建てや4階建ての鉄骨のビルがなぎ倒されているのも見つかり、調査団の計算によりますと、津波の圧力は、1平方メートル当たり50トン以上で、ビル全体では数千トンに達していたということです。調査団の1人、港湾空港技術研究所の有川太郎主任研究官は「女川港は、三陸のリアス式海岸の湾が狭くなっているところにあり、津波が急激に高くなったと考えられる。今回の津波は、局地的に20メートルを超えた可能性もあり、三陸の海岸を詳しく調べたい」と話しています。


厳しい冷え込みの中、避難所の住民死亡

読売新聞 3月17日(木)3時4分配信

 東日本巨大地震で津波被害を受けた岩手県陸前高田市で、津波で被災して避難所に逃れていた住民が16日午前0時頃、亡くなっていたことがわかった。

 避難中に死亡が明らかになったのは初めてで、地震後のショックやストレス、疲労による「災害関連死」と認定される可能性がある。

 避難所関係者によると、住民は、地震で被災して同市立第一中学校に設けられた避難所に身を寄せていた。容体が悪化し、病院に搬送されたが、まもなく死亡したという。

 岩手県陸前高田市で避難所生活を送っていた被災者が16日、亡くなった。真冬並みの厳しい冷え込みの中、毛布にくるまって不安と戦う日々。

 各地の避難所では心身の不調を訴えるお年寄りが相次いでおり、食料、燃料に加え、医師や医薬品の不足が深刻化している。

 亡くなった被災者と同じ同市立第一中学校に避難している女性(78)は「寒いので、厚い布団をもう1枚下さい、とスタッフに言ったが余っていないと断られた」と話す。

 この避難所には高齢者が多い。夜間は多くの住民が毛布にくるまって寝る。14日からは電気が通じ、食事はおにぎりやパンなど3食支給されているが、寒さなどから体力を消耗しやすい状況だった。避難所の関係者は「絶対あってはいけないことで、気をつけてみていたのだが」と肩を落とした。


東日本大震災 5県の放射線量が通常値超す
毎日新聞 3月17日(木)1時41分配信

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相次ぐ爆発や放射能漏れが起きている東京電力福島第1原発。左側手前から奥へ1〜4号機=2011年3月15日午前7時33分撮影(東京電力提供)
 文部科学省が設置するモニタリングポスト(自動観測局、MP)の16日午後5時時点のデータで、宮城▽茨城▽栃木▽群馬▽埼玉−−の5県の大気中放射線量が過去の1時間当たりの通常値を上回った。最も高かったのは茨城県の0.252マイクロシーベルト。1回のレントゲン検診で浴びる放射線は50マイクロシーベルト程度で、文科省は「身体には全く影響がないレベルだが、数値の変化に気を配って」と呼び掛けている。

 また、文科省は福島第1原発から西に20〜60キロ離れた福島県内の14カ所の屋外で、16日午前8時15分〜午後2時15分、モニタリングカーによる計測を実施。放射線量は6.7〜80マイクロシーベルトで、15日午後8時40分〜同50分に原発から約20キロ離れた浪江町内の3カ所で計測した255〜330マイクロシーベルトを大幅に下回った。

 80マイクロシーベルトを計測したのは、原発から西北西に25キロ離れた葛尾村付近。北西に約30キロの同村付近でも58.5マイクロシーベルトを観測した。日中に吹いた風で放射線が飛散したとみられる。原発から南西方向では約25キロ地点でも10.5マイクロシーベルト以下だった。

 一方、福島県は16日、福島市方木田の県原子力センター福島支所で午前8時に採取した水道水から、通常は検出されない放射性物質のヨウ素が1リットル当たり177ベクレル、セシウムが58ベクレル検出されたと発表した。原子力災害時の飲食物摂取制限に関する国の基準は、ヨウ素が300ベクレル、セシウムが200ベクレルで、今回は人体に影響のないレベルという。午後の再検査では、いずれも検出されなかった。

 茨城県は16日、北茨城市役所に設置したMPで午前11時40分、通常時の約300倍にあたる毎時15.8マイクロシーベルトの放射線量を観測したと発表した。県原子力安全対策課によると、その後は低下しており、「健康に直接影響はない」としている。同市では15日夕にも5.575マイクロシーベルトを観測した。

 文科省によると、MPの設置は都道府県に1カ所ずつで、自治体全域の放射線レベルを示す数値ではない。【篠原成行、大久保陽一、関雄輔】


東日本大震災 3号機燃料プール沸騰 福島第1原発
毎日新聞 3月17日(木)1時33分配信

福島第1原発の現在の状況について説明する原子力安全・保安院の西山英彦広報官(右)=東京都千代田区で2011年3月16日午後10時15分、馬場理沙撮影
 東京電力福島第1原発3号機で16日に確認された大規模な白煙について、経済産業省原子力安全・保安院と東電は同日、3号機の使用済み核燃料プールの水が沸騰し、放射性物質を含んだ水蒸気が立ち上っていることが原因との見方を明らかにした。保安院によると、4号機でも核燃料プールが沸騰しているとみられる。3号機は原子炉格納容器の損傷が懸念されていたが、核燃料プールへの対応が急務となった。【山田大輔、酒造唯、河内敏康、関東晋慈】

 蒸発によって核燃料プールの水位が低下すれば、露出した燃料が過熱して損傷、大量の放射性物質が外気に漏れ出す危険性がある。水がなくなれば、安全に貯蔵されている燃料が溶融する危険性も高まる。保安院は同日夜の会見で「数日で困った事態になる。プールに注水して冷やすのが最優先事項だ」と危機感を示した。

 東電によると、手配している消防用ポンプ車はすべて1〜3号機の原子炉への注水に使っており、核燃料プール冷却に使えるポンプ車は残っていない。

 4号機では15日に原因不明の爆発が発生し、原子炉建屋(たてや)上部が激しく壊れた。保安院は16日夜、この原因について、核燃料プールの水位が下がり、使用済み核燃料から発生した水素による爆発だったとの見方を示した。

 一方、東電によると、3号機の白煙は現地の職員が目視で確認した。▽白煙が3号機の原子炉建屋の方向から立ち上っている▽煙の色が白く、火災によるものとは考えにくい、と判断した。東電が15日午前7時33分、3号機の北西約500メートルの高台から撮影した写真でも、3号機の建屋付近から白煙が出る様子が写っていた。

 3号機は14日、原子炉建屋内にたまった水素が爆発を起こして建屋上部が吹き飛び、5階にあるプールが野ざらしになった。津波による停電でプールの水を冷やす海水ポンプが動かなくなっているのに加え、爆発で水温計が故障したため水温が測定できなくなっている。東電によると、水位が低下する事態を想定していないため水位計は付いておらず、詳しい水位も不明だ。

 それぞれのプールに貯蔵されている使用済み核燃料は、3号機が514体、4号機が783体。長さ約4メートルの燃料棒を立てて保管するため、通常は燃料の上部に7〜8メートルの水がかぶる程度の水深が確保されている。

 正門付近の放射線量は、白煙が確認された後の16日午後0時半には最大10.85ミリシーベルト(1時間当たり)に達した。東電は作業員を一時退避させたが、その後は午後4時現在で約1.5ミリシーベルト程度と落ち着いている。保安院は「3号機の原子炉格納容器や核燃料プールに損傷があるとは考えにくい」としている。


原発冷却へ警視庁が特殊放水車 福島第一に使用検討 2011年3月17日1時7分
朝日新聞
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警視庁第1機動隊の高圧放水車
 東日本大震災で被害が出た東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の4号機について、警察庁は16日夜、警視庁機動隊の放水車を使って地上から水をかけ、冷却を目指す計画を明らかにした。放水車両はすでに東京を出発して近距離で待機しているといい、健康被害を受けずに作業できることを条件に、17日朝にも放水にかかる方針だ。

 警察幹部によると、使用が検討されているのは、警視庁が全国の警察で1台だけ保有する「高圧放水車」とみられる。通常の放水車は警視庁の各機動隊に数台ずつ配備されるが、高圧放水車は第1機動隊(千代田区)だけが持つ。タンクに入る水の容量は4千リットル。消防車両を大きくしのぐ12気圧の水圧で、100メートル近い距離を飛ばす能力があるという。

 今回は4号機の上部に放水することが検討されており、警視庁の機動隊員ら十数人が、自衛隊の防護服を借りて作業に当たる。放射線量を測定しながら慎重に進める考えで、危険な状況があれば取りやめる可能性もある。

 放水車はもともと、暴徒化したデモ隊や過激派などの鎮圧、規制のために配備されている。過去には1960〜70年代の安保闘争などで過激派に対して使用された。85年の成田空港反対闘争で多数が逮捕された現場や、86年に山谷争議団のメンバーが逮捕された現場に出動。95年に山梨県内のオウム真理教関係先を捜索した際には、銃密造工場の疑いがある施設に横付けされたこともある。

 政府関係者によると、原発の被害拡大を防止する決め手が見つからない中、原発を所管する経済産業省が警察庁に「治安当局で手を尽くすすべはないか」と要請。警察がもっている現状の装備の中で、できうる作戦として浮上したという。
  ただし、本来が災害現場への派遣を想定したものではない警察の放水車両は、放水角度が大きく上がる仕組みにはなっていないという。原発のように高い建物に放水するには、角度をつけるため相当程度離れた所から放水しなければならない可能性が高いという。警察内部には「距離が離れると水勢は弱まり、霧状になって効果が上がらない可能性もある」という見方もある。


天皇陛下がメッセージ「一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています」

産経新聞 3月16日(水)16時39分配信
 天皇陛下は16日、東日本大震災の被災者や国民に向けたビデオメッセージを発表された。陛下がビデオでお気持ちを述べられるのは初めて。

 陛下は「この度の東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9・0という例を見ない規模の巨大地震であり、被災地の悲惨な状況に深く心を痛めています」と述べ「一人でも多くの人の無事が確認されることを願っています」と被災者を案じられた。

 福島第1原発についても「現在、原子力発電所の状況が予断を許さぬものであることを深く案じ、関係者の尽力により事態の更なる悪化が回避されることを切に願っています」と述べられた。

 救援活動にあたる人々の労をねぎらうとともに、被災地以外の国民にも「被災者のこれからの苦難の日々を、私たち皆が、さまざまな形で少しでも多く分かち合っていくことが大切であろうと思います」と述べられた。


もう自宅に戻れない…原発危機で「脱出」の人々

読売新聞 3月16日(水)3時9分配信
 東京電力の福島第一原子力発電所周辺で超高濃度の放射線量が観測された15日。

 政府は原発の半径20〜30キロ圏内の住民に「屋内退避」を要請したが、汚染レベルの十分な情報がないこともあって、現場は大きく混乱している。少しでも原発から離れようとする住民らが圏外の避難施設に殺到し、国道は“脱出”しようとする車で大渋滞した。「おびえながらの生活はいつまで続くのか」。住民らから憤りや不安の声があがった。

 「怖くて急いで逃げてきた」。原発から65キロ離れた福島市の「あづま総合運動公園」。第一原発から20〜30キロ圏内の福島県南相馬市に自宅がある主婦糸井ヨシ子さん(71)は、15日午前の菅首相の退避要請をテレビで見て、すぐ車で移動したという。

 同公園内の体育館は避難所として開放されているが、収容人員は1400人。14日深夜に燃料棒がすべて露出したというニュースが流れると、一時は3000人まであふれかえった。

 ビニールシートや毛布が広げられ、マスク姿のお年寄りは普段着姿のまま毛布にくるまっている。

 妊娠5か月の妻と避難してきた南相馬市の会社員渡部拓也さん(22)は「もっと遠くに逃げたいが、もうガソリンがない」と焦りの表情を浮かべ、妻の真夏美さん(22)も「おなかの子に、もしものことがあったら……。放射能が怖いので、もう自宅には戻れない」と顔をこわばらせた。

 体育館入り口では、放射線の測定が行われ、一時は数百人が並んだ。公園の駐車場はいっぱいで、夕方になっても駐車場の入り口の前には300メートルもの車の列が出来ていた。


<東日本大地震>防衛省に「東電不信」
毎日新聞 3月16日(水)2時30分配信

 東京電力福島第1原発の爆発事故の応急対策を巡り、自衛隊が東電の対応に不信感を募らせ一時撤退する事態に発展。政府内でも被災地への救援物資輸送で調整不足も露呈、支援活動でもぎくしゃくぶりが目立っている。【西田進一郎、坂口裕彦】

 「安全性が担保されていない。慎重に対応すべきだ」。14日夜、北沢俊美防衛相ら防衛省幹部の会議で折木良一統合幕僚長が指摘した。幹部の一人は会議後、「給水活動は危ないのでしばらくできない」と語った。

 きっかけは14日に起きた同原発2号機の爆発事故で給水作業中の隊員4人が負傷した事故。東電からは「安全だから」と言われて指示された活動だっただけに、安全性に対する東電などの判断に疑問が噴出した。防衛省は14日夜、現地に派遣した中央特殊武器防護隊150人など計180人を原発近くの政府などの拠点施設オフサイトセンターから60キロ離れた陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)まで退避させた。午後にオフサイトセンター自体が約60キロ離れた福島県庁に移されたが、自衛隊が後退したのはその15時間前だった。

 中央特殊武器防護隊は核・生物・化学(NBC)攻撃を受けた際、有害物質を検知し、部隊を安全なところに誘導したり、汚染された隊員を除染するのが主な任務。今回行った民間人の除染は国民保護法に定められた活動だが、原発事故への対応は想定外だった。防衛省関係者は「原発関連のノウハウは防護隊は分からない。安全性や、どの現場に向かうかの判断は東電や原子力安全・保安院に従うしかない」と不満を漏らした。

 ◇物資輸送は「一元化」

 一方、救援物資輸送を巡っては、農水省などが物資を集め、防衛省などが物資を運ぶ計画だった。しかし、調整役の松本龍防災担当相は次々と起きる事態への対応に追われ「救援物資の仕切りはうまくいっていない」(政府関係者)ことが判明。防衛省からは「物資が来ずに困っている」との声が出ていた。

 このため、菅直人首相は15日の緊急災害対策本部会議で、救援物資の収集、運搬について「組織力、情報、移動(手段)を持つ自衛隊に中心を担ってもらう」と、防衛省への一元化を指示した。救援物資は都道府県がとりまとめ、自衛隊の駐屯地や基地に持ち込み、自衛隊が被災地の現地対策本部と調整し輸送する。北沢防衛相は15日、「避難箇所への食料・水の供給は態勢が整いつつあり、成果が上がっている」と記者団に強調した。


<福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ>
(3月16 日 午前0時30 分現在)
平成23 年3月16 日
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所
福島第一原子力発電所は全号機(1〜6号機)停止しております。
1号機(停止中)
・原子炉は停止しておりますが、3月12 日午後3時36 分頃、直下型の大きな揺れが発生し、1号機付近で大きな音があり白煙が発生しました。水素爆発を起こした可能性が考えられます。
・引き続き原子炉への海水の注入を実施しております。
2号機(停止中)
・原子炉は停止しており、原子炉隔離時冷却系による給水を行っていましたが、原子炉隔離時冷却系の停止により、原子炉水位が低下、原子炉圧力が上昇しました。国の指示により、安全を十分確認した上で、原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置を行ったこと、原子炉内に海水を注水したことから、原子炉水位や原子炉圧力は回復しました。
・3月15 日午前6時頃に圧力抑制室付近で異音が発生するとともに同室の圧力が低下し、同作業に直接関わりない協力企業作業員および当社社員を一時的に安全な場所などへ移動開始しました。
・引き続き原子炉への海水の注入を実施しております。
3号機(停止中)
・原子炉は停止しておりますが、3月14 日午前11 時1分頃、1号機同様大きな音とともに白煙が発生したことから、水素爆発を起こした可能性が考えられます。
・また、原子炉への海水注入を一時的に中断しておりましたが、3月15 日午前2時30 分に再開し、引き続き注入を実施しております。
4号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。
・3月15 日午前6時頃、大きな音が発生し、原子炉建屋5階屋根付近に損傷を確認しました。
・その後の現場確認で、原子炉建屋4階北西部付近において、出火を確認し、消防署など関係各所へ連絡しましたが、同日11 時頃自然に火が消えていることを当社社員が確認しました。今後、注意深く監視します。
5号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。
追加事項は下線部
6号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。
負傷者等
・地震発生当初、発電所構内において協力企業作業員2名に負傷が発生し、病院に搬送
・当社社員1名が左胸を押さえて立てない状態であったため、救急車にて病院に搬送
・免震重要棟近傍にいた協力企業作業員1名の意識がないため、救急車で病院へ搬送
・原子炉建屋内で作業していた当社社員1名の線量が100mSv を超過し、病院へ搬送
・当社社員2名が1、2号機中央制御室での全面マスク着用作業中に不調を訴え、福島第二
原子力発電所の産業医が受診することになり、福島第二原子力発電所へ搬送
・1号機付近で大きな音があり白煙が発生した際に4名が負傷し、病院へ搬送
・3号機付近で大きな音があり白煙が発生した際に11 名が負傷し、福島第二原子力発電所等
へ搬送。
・当社社員2名が現場において、所在不明
その他
・現在、発電所内の使用済燃料プールに冷却水を確保することについて、関係各所と調整を進めております。
・モニタリングカーによる発電所構内(屋外)の放射性物質(ヨウ素等)の測定値が通常値より上昇しており、以下のとおり、原子力災害対策特別措置法第15 条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断しています。
・3月12 日午後4時17 分に判断(MP4付近)
・3月13 日午前8時56 分に判断(MP4付近)
・3月13 日午後2時15 分に判断(MP4付近)
・3月14 日午前3時50 分に判断(MP6付近)
・3月14 日午前4時15 分に判断(MP2付近)
・3月14 日午前9時27 分に判断(MP3付近)
・3月14 日午後9時37 分に判断(発電所正門付近)
・3月15 日午前6時51 分に判断(発電所正門付近)
・3月15 日午前8時11 分に判断(発電所正門付近)
・3月15 日午後4時17 分に判断(発電所正門付近)
・3月15 日午後11 時5分に判断(発電所正門付近)
・放射性物質放出の恐れがあるため、半径20km以内の地域住民に対して国から避難指示が出されており、また半径20kmから30kmまでは屋内待避指示が出されています。
・3月15 日午前10 時頃、3号機原子炉建屋内陸側で400mSv が確認され、4号機原子炉建屋内陸側で100mSv が確認されました。
・安全の確保に向け全力を尽くしてまいるとともに、引き続き周辺環境のモニタリングを継続・監視してまいります
以 上


放射線、福島原発で400ミリシーベルト=「人体に影響及ぼす可能性」−官房長官

時事通信 3月15日(火)11時33分配信

 枝野幸男官房長官は15日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発3号機付近で放射性物質400ミリシーベルトが確認されたと明らかにした。2号機と3号機の間では30ミリシーベルト、4号機付近で100ミリシーベルトが検出されたという。
 枝野長官は「従来のマイクロの単位とは(ケタが)一つ違っている。人体に影響を及ぼす可能性のある数値であるのは間違いない」と語った。 

<福島第1原発>20〜30キロメートルは屋内待避を 菅直人首相は15日午前の記者会見で、東日本大震災で被災した福島第1原発から20キロメートル〜30キロメートルの範囲内の住民に対し「外出せず、自宅や事務所など屋内に待避するようにしていただきたい」と述べ、屋内待避するよう求めた。(毎日新聞)3/15 10:30


<福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ>

(3月15日 午後1時現在)
平成23年3月15日
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所
福島第一原子力発電所は全号機(1〜6号機)停止しております。
1号機(停止中)
・原子炉は停止しておりますが、3月12日午後3時36分頃、直下型の大きな揺れが発生し、1号機付近で大きな音があり白煙が発生しました。水素爆発を起こした可能性が考えられますが、現在、調査中です。
・原子炉内に海水を注入しております。
2号機(停止中)
・原子炉は停止しており、原子炉隔離時冷却系による給水を行っていましたが、原子炉隔離時冷却系の停止により、原子炉水位が低下、原子炉圧力が上昇しました。国の指示により、安全を十分確認した上で、原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置を行ったこと、原子炉内に海水を注水したことから、原子炉水位や原子炉圧力は回復しました。
・引き続き、原子炉に海水を注入しております。
・6時頃に圧力抑制室付近で異音が発生するとともに同室の圧力が低下しました。
・引き続き、原子炉に海水の注入を全力で継続しておりますが、同作業に直接関わりない協力企業作業員および当社社員を一時的に安全な場所などへ移動開始しました。
3号機(停止中)
・原子炉は停止しておりますが、3月14日午前11時1分頃、1号機同様大きな音とともに白煙が発生したことから、水素爆発を起こした可能性があり、現在調査中です。
・また、原子炉への海水注入を一時的に中断しておりましたが、3月15日午前2時30分に海水の注入を再開しております。
4号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。
・原子炉建屋5階屋根付近に損傷を確認しました。
・その後の現場確認で、原子炉建屋4階北西部付近において、出火を確認したことから、消防署など関係各所へ連絡しました。
・なお、出火については11時頃自然に火が消えていることを当社社員が確認しました。今後、注意深く監視します。
5号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。
6号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。
負傷者等
・地震発生当初、発電所構内において協力企業作業員2名に負傷が発生し、病院に搬送
・当社社員1名が左胸を押さえて立てない状態であったため、救急車にて病院に搬送
・免震重要棟近傍にいた協力企業作業員1名の意識がないため、救急車で病院へ搬送
・原子炉建屋内で作業していた当社社員1名の線量が100mSvを超過し、病院へ搬送
・当社社員2名が1、2号機中央制御室での全面マスク着用作業中に不調を訴え、福島第二
原子力発電所の産業医が受診することになり、福島第二原子力発電所へ搬送
・1号機付近で大きな音があり白煙が発生した際に4名が負傷し、病院へ搬送
・3号機付近で大きな音があり白煙が発生した際に11名が負傷し、福島第二原子力発電所等へ搬送。
・当社社員2名が現場において、所在不明
その他
・現在、1号機の使用済燃料プールに冷却水を確保することについて、関係各所と調整を進めております。
・モニタリングカーによる発電所構内(屋外)の放射性物質(ヨウ素等)の測定値が通常値より上昇しており、以下のとおり、原子力災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したと判断しています。
・3月12日午後4時17分に判断(MP4付近)
・3月13日午前8時56分に判断(MP4付近)
・3月13日午後2時15分に判断(MP4付近)
・3月14日午前3時50分に判断(MP6付近)
・3月14日午前4時15分に判断(MP2付近)(以上、お知らせ済み)
・3月14日午前9時27分に判断(MP3付近)
・3月14日午後9時37分に判断(発電所正門付近)
・3月15日午前6時51分に判断(発電所正門付近)
・3月15日午前8時11分に判断(発電所正門付近)
引き続き、原子力災害対策特別措置法第15条第1項の規定に基づく特定事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生した場合、同様にお知らせしてまいります。
・放射性物質放出の恐れがあるため、半径20km以内の地域住民に対して国から避難指示が出されています。
・安全の確保に向け全力を尽くしてまいるとともに、引き続き周辺環境のモニタリングを継続・監視してまいります
以 上
(お問い合わせ先)
福島第一原子力発電所
広報部
TEL 0240−32−2101(代)


爆発で警察官ら3人被ばく、陸自隊員4人けが

読売新聞 3月15日(火)3時9分配信

 爆発した東京電力福島第一原子力発電所の周辺で活動していた自衛隊員や警察官らも、ケガをしたり、被曝(ひばく)したりする事態となっている。

 14日午前11時ごろに起きた同原発3号機の爆発で、核生物化学兵器の汚染などの対処にあたる陸上自衛隊の中央特殊武器防護隊員ら約30人のうち4人が首や足を負傷した。

 防衛省によると、4人は原発の建屋に近づいて、冷却水を注入する作業にあたっていた。ごう音とともに建屋が吹き飛び、外壁が防護服で身を固めた4人の隊員に降りかかった。うち1人は防護服が破れたため、千葉市の放射線医学総合研究所に運ばれ、被曝が確認された。軽症だという。現場で使っていた大型タンク車2両も大破した。

 自衛隊は、福島第一、二原発周辺に隊員約200人のほか、化学防護車などを投入。また、同県二本松市と川俣町には、住民たちの体から放射性物質を洗い流す「除染」を行う除染所を開設している。

 一方、福島県警では、地震発生後の11日夜から警察官が住民らの避難誘導にあたっていたが、12日午後、同原発1号機が水素爆発を起こした際に約4〜9キロ離れた場所で住民を誘導していた2人の警察官から、微量の放射線が検出された。ほかにも12人が同様に屋外にいたため、被曝の恐れがあるとして検査機関で被曝線量の検査を受けた。

 警察庁によると、自力避難が難しい病院の入院患者らはヘリコプターやバスで搬送しているが、警察官の戸別確認でまだ家に残る人が見つかることもあるという。

<東日本大震災>自衛隊員は軽度の被ばく 福島原発事故
毎日新聞 3月15日(火)1時13分配信

 福島第1原発3号機で14日発生した爆発事故で、3号機発電所付近で作業中に負傷した男性自衛隊員(30)が午後8時半ごろ、千葉市稲毛区の放射線医学総合研究所にヘリで搬送された。男性は右ひざ付近に切り傷、右脇腹に打撲を負い、簡易放射線測定で被ばくが認められたが、治療した明石真言医師は「被ばくはごく少量で命に別条はない」としている。【斎藤有香】



<福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ>
(3月14日 午前3時現在)
平成23年3月14日
東京電力株式会社
福島第一原子力発電所
福島第一原子力発電所は全号機(1〜6号機)停止しております。
1号機(停止中)
・原子炉は停止しておりますが、平成23年3月12日午後3時36分頃、直下型の大きな揺れが発生し、1号機付近で大きな音があり白煙が発生したことから、現在、調査中です。
・海水や中性子を吸収するホウ酸を原子炉に注入しています。
・海水ピットの水が不足しているため、ポンプを一旦止めて、海水ピットに水を補給することとしました。
2号機(停止中)
・原子炉は停止し、原子炉隔離時冷却系で原子炉に注水をしております。原子炉水位は通常より低いものの安定しております。なお、国の指示により、安全を十分確認した上で、原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置を講じることとしました。
・原子炉に海水を注入する準備を行っております。
3号機(停止中)
・原子炉は停止しておりますが、高圧注水系が自動停止し、原子炉への注水ができなくなっていたことから、国の指示により、安全を十分確認した上で、原子炉格納容器内の圧力を降下させる措置を実施しました。なお、格納容器内の圧力を低下させるための格納容器内スプレイは中止しました。
・その後、逃し安全弁を手動で開き、原子炉の圧力を下げ、速やかに中性子を吸収するホウ酸水を原子炉に注入しました。
・その後、消火用ポンプにて原子炉に海水を注入しておりましたが、海水ピットの水が不足しているため、ポンプを一旦止めて、海水ピットに水を補給することとしました。
4号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。
5号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。
6号機(定期検査で停止中)
・原子炉は停止しており、安全上の問題がない原子炉水位を確保しております。
・現時点において、原子炉格納容器内での冷却材漏洩はないと考えております。
負傷者等
・地震発生当初、発電所構内において協力企業作業員2名が負傷が発生し、病院に搬送
・当社社員1名が左胸を押さえて立てない状態であったため、救急車にて病院に搬送
・免震重要棟近傍にいた協力企業作業員1名の意識がないため、救急車で病院へ搬送
・原子炉建屋内で作業していた当社社員1名の線量が100mSvを超過し、病院へ搬送
・当社社員2名が1、2号機中央制御室での全面マスク着用作業中に不調を訴え、福島第二原子力発電所の産業医が受診することになり、福島第二原子力発電所へ搬送
・1号機付近で大きな音があり白煙が発生した際に4名が負傷し、病院へ搬送
・当社社員2名が現場において、所在不明
その他
・現在、1号機の使用済燃料プールに冷却水を確保することについて、関係各所と調整を進めております。
・モニタリングカーによる発電所構内(屋外)の放射性物質(ヨウ素等)の測定値が通常値より上昇しています。また、モニタリングポストの測定値も通常値より上昇しています。引き続き、排気筒や放水口等からの放射性物質の放出の可能性について詳細に監視してまいります。なお、放射性物質放出の恐れがあるため、半径20km以内の地域住民に対して国から避難指示が出されています。
・安全の確保に向け全力を尽くしてまいるとともに、引き続き周辺環境のモニタリングを継続・監視してまいります
以 上
(お問い合わせ先)
福島第一原子力発電所
広報部
TEL 0240−32−2101(代)


毎日新聞 3月13日(日)19時55分配信
<東日本大震災>専門家「非常に深刻」…福島3号機爆発恐れ
福島第1原発1、3号機の構造
 東日本大震災に被災した東京電力福島第1原発(福島県)について、枝野幸男官房長官は13日、1号機に続いて3号機でも炉心溶融が発生し、大量の水素の発生によって、1号機のように原子炉建屋(たてや)が爆発する可能性があると発表した。国の耐震基準をクリアし、「世界一安全」と関係者が胸を張ってきた原発だが、相次ぐ重大トラブルに、菅直人首相も「憂慮すべき状態が続く」と述べた。前代未聞の状況をどう脱却するのか解決の糸口は見えない。【河内敏康、永山悦子、西川拓、種市房子、関雄輔】

 ◇燃料棒、2メートル露出

 東京電力は同午前9時すぎ、3号機の圧力容器内に水を入れ始めたが、給水ポンプに異常が発生。給水が止まって、容器内の水位が大きく低下した。同午後1時12分、給水を海水に切り替えたものの、不安定な状況になった。同午後11時半現在も水位が完全には回復せず、燃料棒が十分冷却できない状態となっている可能性がある。

 経済産業省原子力安全・保安院は「圧力容器内では水面から燃料棒が露出し、損傷した」と話し、炉心溶融しているとの見方を示した。原発の燃料棒が溶ける「炉心溶融」は、スリーマイル島原発事故(79年、米国)、チェルノブイリ原発爆発事故(86年、旧ソ連)でしか起きていない。それが日本で相次いで発生したことになる。

 原子炉の燃料棒は通常、水中にあり、核分裂による熱が除かれる。だが、今回は原発の電源が落ちて水の循環が止まり、冷却できなくなった。その結果、水が沸騰して水位が低下、燃料棒が水面から露出することになった。

 東電によると、3号機は13日午後1〜3時にかけて、4メートルある燃料棒のうち2メートル露出したという。露出して温度約700〜800度に上がると、燃料棒を覆う被覆管のジルコニウムが水蒸気と反応して水素が発生し始める。この水素が、配管などから原子炉建屋に漏れ出し、建屋上部にたまっている可能性があるという。炉心溶融は約2800度で起きることから、炉内の温度はかなり高かったと考えられる。

 吉川栄和・京都大名誉教授(原子炉安全工学)は「高温になるほど反応が強い。長時間、長い燃料棒が水面から露出すると、大量の水素が発生することになり爆発の危険性が高まる。他原発も似た状況になる可能性は否定できない。非常に深刻な状態だ」と話す。

 最初に水を入れていた給水ポンプの故障を受け、東電は1号機に続いて、海水注入に踏み切った。海水を炉内に入れると、設備が傷んで復旧が極めて難しくなり、廃炉になる可能性が高い。

 他に福島第1の2号機も水位が下がった。福島第2原発でも1号機、2号機、4号機で異常が確認されるなど、計6基が十分冷却できていない。

 福島県と東京電力は13日、原子炉圧力容器内の水位を保つための機器が故障した東電福島第2原発1号機(楢葉町)について、修理が進まない場合は炉内の圧力が高まって爆発の危険があるため、14日午前3時にも弁を開けて、放射性物質を含んだ蒸気を外部に放出する方針を明らかにした。東電は復旧に努めているが、同様に同2号機も14日午前6時から蒸気の放出を検討している。

 ◇電源確保にもろさ…ポンプ、冠水で動かず

 原発は、想定以上の規模の地震に見舞われても、原子炉を安全に停止させ、放射性物質の漏出を防ぐ「多重防護」が巡らされている。ある部分が壊れても別の仕組みで補い、致命的な事故を防ぐ「フェールセーフ」という設計思想を反映している。例えば、核燃料は合金製の被覆管や頑丈な原子炉圧力容器など「五つの壁」で、外部への放射性物質の拡散を防ぐ。だが、今回は「少なくとも10メートルの高さ」(東電)という津波で電源機能が失われ、多重防護が働かず、炉内の冷却や放射性物質の封じ込めに失敗した。

 原子炉は大地震発生時に、核分裂を抑える制御棒が自動的に挿入され、核分裂が継続する臨界状態から脱する。さらに緊急炉心冷却装置(ECCS)が働き大量の水を注入して冷やす。福島第1、第2原発では地震の揺れに対して、全10基が想定通り停止した。しかし、直後の津波は、各原子炉に2系統ずつある非常用発電機を動かすポンプなどの設備を冠水させ、注水に必要な電源が失われた。

 ECCSのほかに2系統ある注水システムが使えなくなり、消火用配管からの注水も手間取った。冷却手段を失った結果、炉内の温度や圧力が上昇し、福島第1原発1号機では原子炉建屋内にたまった水素が酸素と反応して爆発。建屋上部の壁を吹き飛ばし、放射性物質を飛散させる重大な事態を招いた。

 東電によると、非常用発電機は原子炉やタービンと同じ重要度で、もう少し標高の高い場所にあるが、ポンプなどは重要度がやや落ち、津波に冠水した。東電の小森明生常務は「あまりに想定外の高さだった。原発はかなりのタフネス(頑健さ)を持っていると思っていたが、電源の重要性を再度、しっかり考えなければならない。重い、厳しい教訓だと、率直に受け止めている」と唇をかむ。


菅総理からの国民の皆様へのメッセージ
平成23年3月13日(日)

 地震発生から3日目の夜を迎えました。被災された皆さん方に心からのお見舞いを申し上げます。また、被災地を始め、国民の皆様には大変厳しい状況にある中で、冷静に行動をしていただいていることに対して、感謝と心からの敬意を表したいと、このように思います。

 昨日に続いて今日一日、人命の救出に全力を挙げてまいりました。これまで自衛隊や警察、消防、海上保安庁あるいは外国からの支援も含めて、約1万 2,000名の方を救うことができました。本日の救援体制を少し紹介いたしますと、自衛隊は陸海空で5万人が展開し、10万人体制を準備いたしております。また、警察官は全国から2,500名を超える皆さんが被災地に入っていただいております。消防、救急隊は1,100隊を超える隊が現地に入っております。さらに災害派遣医療チームも200を超えて現地にお入りいただいております。食料、水、毛布などの搬送は陸路がかなり制約をされておりますので、空路、さらには海路も検討しておりますけれども、そうした搬送に力を入れております。さらに激甚災害の指定を行い、追加的な法律的処置も考えております。こうした中、皆様に御心配をおかけしている福島原発については、憂慮すべき状態が続いております。この点については後ほど枝野官房長官の方から詳しく御報告をさせていただきます。そこで国民の皆さん、皆さんに御理解をいただきたい。お願いしたいことがあります。この福島原発を含め、多くの発電所が被害を受け、東京電力及び東北電力管内の電力供給が極めて厳しい状況にあります。

 国としては、両電力会社に他社からの調達など、最大限の努力を指示しております。また、産業や家庭での節電もお願いをいたしております。

 しかしながら、近日中の復旧の見込みが立たないところから、こうした努力だけでは、電力の供給不足に陥り、そのままでは域内全域で大規模停電に陥る恐れが出てまいりました。突然の大規模停電が国民生活あるいは経済活動に与える打撃は極めて甚大であり、何としても避けなければなりません。

 このため、私は東京電力に対して、明日から東京電力管内で計画停電を実施することを了承いたしました。詳細は、この後、経済産業大臣から説明をいたします。国民の皆さんに対して、大変な御不便をおかけする苦渋の決断であります。電気が切れるだけでなく、場合によってはそのことがガスや水道など、他のライフラインへの影響、また、医療や保健機器の利用など、様々な悪影響も考えられるところであります。

 停電に伴うこうした不安に万全の対応を講じて臨むべく、この問題について、特に政府として対策会議を立ち上げたところであります。しっかりとした対応を講じてまいりますので、そして情報を提供してまいりますので、是非とも御理解をいただいて、この停電に対して、皆さんの生活を守っていくよう、それぞれ工夫をお願いいたしたいと、このように思うところであります。

 私は、今回の地震そして津波、そして原発の今の状況など、戦後65年間経過した中で、ある意味でこの間で最も厳しい危機だと考えております。果たしてこの危機を私たち日本人が乗り越えていくことができるかどうか、それが一人ひとりすべての日本人に問われていると、このように思います。私たち日本人は、過去においても厳しい状況を乗り越えて、今日の平和で繁栄した社会をつくり上げてまいりました。今回のこの大地震と津波に対しても、私は必ずや国民の皆さんが力を合わせることで、この危機を乗り越えていくことができる、このように確信をいたしております。

 どうか、お一人おひとり、そうした覚悟を持って、そしてしっかりと家族、友人、地域の絆を深めながら、この危機を乗り越え、そして、よりよい日本を改めてつくり上げようではありませんか。そのことを心から全国民の皆さんにお訴えをし、私の皆さんへのお願いとさせていただきます。どうかよろしくお願いします。


<東日本大震災>宮城・女川原発でも基準値4倍の放射線量
毎日新聞 3月13日(日)19時52分配信

 東北電力は13日、女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)の敷地内の放射線監視装置で、原子力災害対策特別措置法で定められた通報義務のある基準値の約4倍に達する放射線量(1時間当たり21マイクロシーベルト)を検出。原子力安全・保安院は、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1号機で12日に発生した爆発事故で漏れた放射性物質が南風で約120キロ離れた女川原発周辺に運ばれた可能性が高いと推測している。

 女川原発1〜3号機は11日の東日本大震災発生時に自動停止した後、燃料の核分裂が生じない、低い温度が保たれる安全な状態となっている。このため、保安院は福島第1原発の爆発で放出された放射性物質だとみている。

 保安院は会見で、女川原発で21マイクロシーベルトという放射線量が検出されたことについて、避難区域の拡大は必要ないとする。


「とんでもないことに」「裏切られた」=住民ら、原発爆発に憤り―福島

時事通信 3月13日(日)13時16分配信
 福島第1原発の爆発から一夜明けた13日、福島県田村市の船引小学校に避難した同県大熊町などの住民約400人は、口々に不安を訴えた。
 「ニュースが全然入って来ず、現状が分からない。いつ帰れるかも予想できない」。同町の男性(69)はこう語った。避難所にはテレビがないなど、情報源は限られた状況。12日朝、防災無線の放送などで避難勧告を知り、着の身着のままで家を出た。「銀行の通帳も携帯の充電器もない。2日かそこらで収まると思って来たが、とんでもないことになっている」。新聞が伝える原発の惨状に表情を曇らせた。
 同町の庄子三郎さん(70)は原発から約3キロの地点に住んでいる。「地震だけでも大変なのに、放射線で二重の被害になる。これまで信じてきたが、裏切られた感じだ」。原発の安全管理がままならない現状に憤りを隠さなかった。


<東日本大震災>福島第1原発 160人被ばくの可能性も

毎日新聞 3月13日(日)11時6分配信
<東日本大震災>福島第1原発 160人被ばくの可能性も
避難指示が出された範囲
 東日本大震災に見舞われた東京電力福島第1原発1号機で12日に起きた爆発で、被ばくした住民が新たに19人いたことを13日、福島県が明らかにした。被ばくが判明したのはこれで計22人になった。経済産業省原子力安全・保安院によると、周辺住民約160人が被ばくした可能性があるという。また、東京電力は同原発3号機が原子炉を冷却するための自動注水ができなくなり、原子力災害対策特別措置法に基づき国に通報した。東電は炉内の消火系など別の配管を使って注水を検討しているが、冷却が不十分な場合には1号機と同様に海水を注入する事態になる可能性もあるという。

 保安院によると、福島県の報告などから被ばくした可能性があるのは原発の半径10キロ圏内からの避難指示を受け、原発から約3.7キロ離れた屋外にいた約60人と、爆発後に福島県外にバスで避難した約100人。約100人のうち9人の衣服などを放射線量を計測したところ、直ちに健康被害が起きるレベルではないが、通常を上回る数値が検出されたという。

 爆発した1号機は12日夜から、原子炉を冷却するため海水の注入を始めた。余震の影響で一時中断したが、その後1時間に30トンのペースで海水の注入を続けている。

 保安院は「海水の供給を続けていれば事態の悪化はないというのが、原子力安全委員会を含めた専門家の意見」と説明している。今後、海水で原子炉圧力容器を満たすことができても、さらに安全に炉心を冷やすため、現在途切れている外部からの電源供給を確保する作業を続けている。

 東電によると、11日の地震後に原子炉が自動停止した後、通常の冷却水系統のバッテリーが切れたため、12日から、原子炉を冷やすもう一方の高圧注水系に切り替えた。高圧注水系はそもそも原子炉の余熱を利用するため、炉内の温度が下がった13日午前2時44分に自動停止。その後、炉内の温度が再び通常運転時程度に上がっても、高圧注水系は起動しなくなった。

 午前5時半現在、3号機の原子炉内の冷却水の水位は、燃料棒の上端より約2メートル高い。このまま注水ができないと徐々に冷却水が減少する。燃料棒が露出すれば1号機と同じように燃料棒の破損や炉心溶融につながる恐れもある。

 また、原子炉格納容器内の圧力が高まったため、午前8時41分、1号機と同様に放射性物質を含んだ容器内の気体を外部に排出し始めた。

 一方、第1原発正門付近の放射線量が午前8時20分ごろ、1時間当たりの制限値の500マイクロシーベルトを超え882マイクロシーベルトを記録した。このため、東電は原子力災害対策特措法に基づく特定事象として国に通報、放射線量値が上昇した原因を調べている。【西川拓、関東晋慈、八田浩輔】


<東日本大震災>「建屋の壁の崩壊で格納容器は爆発していない」枝野官房長官の会見詳報
毎日新聞 3月12日(土)22時55分配信

 ただいまの総理からの発言にもございました、東京電力、福島第1原発の件について、私からご報告を申し上げます。まず、本日15時36分の爆発について、東京電力からの報告を踏まえ、ご説明申し上げます。

 原子力施設は、鋼鉄製の格納容器に覆われています。さらにコンクリートと鉄筋の建屋で覆われています。このたびの爆発は、この建屋の壁が崩壊したものであり、中の格納容器の爆発ではないことが確認されました。

 爆発の理由は、炉心にあります水が足りなく、少なくなって発生した水蒸気が、この格納容器の外側の建屋との空間の間に水滴が出て、そこでその過程で水素になっておりまして、その水素が酸素と合わさりまして、爆発が生じました。ちなみに格納容器内には酸素はありませんので、水素等があっても爆発することはありません。

 実際に、東京電力からは格納容器が破損していないことが確認された、という報告を受けています。

 繰り返しになりますが、この度の爆発は原子炉のある格納容器のものではなく、そのため放射性物質が大量に漏れ出すことはありません。

 東京電力と福島県による放射性物質のモニタリングの結果も確認しましたが、爆発前に比べ、放射性物質の濃度は上昇をしておりません。報道されました、15時29分の1015マイクロシーベルトの数字は、この地点の数字はその後15時36分に爆発がありましたが、15時40分の数字が860マイクロシーベルト、18時58分の数字は70.5マイクロシーベルトとなっておりまして、むしろ少なくなっています。

 その他の地点も、14時ごろにベントといいますが、容器内の水蒸気を圧力を高くなることを抑制するために外に出す、きょうの未明来申し上げていますが、これが14時ごろ行われまして、その前後で、14時ごろのベントの前から後で、いったん高くなっておりますが、その後15時36分の爆発をはさんでも、いずれも低下をしていて、低いレベルにとどまっています。

 したがいまして、現時点で、爆発前からの放射性物質の外部への出方の状況には大きな変化はないと認められるものでありますので、ぜひ冷静に対応していただきたい。

 その上で、こうした状況を踏まえ、今後懸念される原子炉容器、および格納容器の破損による災害を未然に防ぐため、東京電力が容器を海水で満たす措置をとる判断をいたしまして、海江田経産大臣において、そのことの指示をいたしました。その際、併せてホウ酸を用いることによって、念のために万が一にも再臨界などの懸念される事象が生じないように工夫することも確認しております。

 政府としては、こうした措置の準備、手順が適切であることを、経産省、原子力保安院ともども、確認をいたしまして、妥当なものと評価しております。この手順はすでに20時20分、着手をいたしております。

 なお、この東京電力福島第1発電所にかかる避難指示につきましては、こうした爆発の状況、そしてそれによる対応策、今回の決定し、実証した対応策、方向性、輪郭、可能性が見えてきた段階で、万が一にもの対応策として、20キロ圏内から退避していただくことに拡大することにしました。

 これまでの対応策同様、今回の措置によって、10キロから20キロの間の皆さんに具体的な危険が生じるものではありませんが、新たな対応をとる可能性のことを考え、念のために、さらに万全を期すために、20キロに拡大したものであります。住民の皆さんは、こうした事情、経緯、判断に基づくものでございますので、警察、自治体の指示に従って、冷静に対応していただきたいと思っています。

Q:爆発的なものが見られたということは、原子炉に対する影響は全く無かったということか。

枝野官房長官:格納容器の中に原子炉があります。その格納容器自体の損傷が認められないということなので、そういうことになります。

Q:建屋の崩壊は、今後の作業であるとか、放射性物質が漏れる可能性にもつながるのではないのか。

官房長官:もちろん建屋はないよりはあった方が安全性が高いことは間違いありません。だからこそ早急に、リスクを低下させるためにホウ酸を利用することと同時に、容器で海水を満たすという対応策を判断したものであります。

Q:念のための措置というのはわかるが、退避範囲を広げることで住民の間に本当に危険性がないのかという心配が広がっているが。

官房長官:住民の皆さんは地震、津波だけによっても相当生活へのダメージを受けておられます。もちろん住民の皆さんには高齢者の方、障害をお持ちの方、お子さんを抱えていらっしゃる方、多々いろんな事情の方がいると思います。こうした状況に対する対応としては、できるだけ必要な最小限の退避にとどめるべきという考えもその観点からあると思います。

 一方で、原子力に関わる問題については、スタートが未曽有の大地震、大津波に端を発しているので、もし必要最小限ということで行った場合の万が一のリスクというものをやはり私どもはしっかり考えて、そして万全を期すべきだろうと、この間対応しているものであります。その両者の兼ね合いの中で、その時点ごとの状況や対応策に応じて、必要最小限からひとつ超えたところの万全のところをとり続けているということです。


東日本大震災 福島第1原発 東電「想定外」に批判の声も

毎日新聞 3月12日(土)21時46分配信
東日本大震災 福島第1原発 東電「想定外」に批判の声も
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福島第1原発1号機付近で爆発音とともに白煙が上がったことを受け記者会見する東京電力の担当者ら=東京都千代田区の同社本店で2011年3月12日午後5時55分ごろ、池田知広撮影
 東日本大震災で被災した福島第1原発1号機は、発生から1日で炉心溶融という事態に至った。原子炉内の圧力を、弁を開いて放射性物質とともに外へ逃がすという「禁じ手」を使ったものの、事前に幾重にも用意された安全対策はことごとく機能しなかった。「想定外の事態」を繰り返す東電に、専門家からは批判の声が上がる。

【福島第1原発】爆発、異常な放射線量…退避20キロ圏に拡大 範囲の地図入り

 原発の安全対策の至上命令は「止める」(緊急停止)「冷やす」(炉心の過熱を抑える)「閉じ込める」(放射性物質が漏れ出さないようにする)の三つ。今回、1号機が実行できたのは、最初の「止める」だけだった。

 元原子炉設計技術者で、福島第1原発4号機の設計にも携わったライターの田中三彦さんは、地震や津波の影響で非常用電源が動かせなくなったため、炉心に冷却水が注入できなくなり、その結果、圧力容器内の水位が低下し、炉心にある核燃料の集合体が水中から露出し始めたとみる。

 この状態が続いた結果、水による冷却ができず、燃料集合体の温度が急上昇。核燃料を覆うジルコニウム合金が溶け始めた。いわゆる「炉心溶融」だ。1979年に米国で起きたスリーマイル島原発事故では、この状態が続いた。

 非常用電源が故障したのは、想定外の津波が原因とみられる。さらに炉内では、燃料棒を冷やすはずの水の水位が予想に反して下がり続けた。経済産業省原子力安全・保安院は12日の会見で「炉心溶融が発生したとみられる」と、最悪の事態を認めた。

 田中さんは「原子炉圧力容器が最後のとりでだが、1号機の場合は営業運転開始(1971年)から40年がたっており、耐久性が落ちている可能性もある」と懸念する。【日野行介】


東北地方太平洋沖地震に関する菅内閣総理大臣メッセージ

平成23年3月12日(土)

 地震が発生して1日半が経過をいたしました。被災をされた皆さんに心からお見舞いを申し上げますとともに、救援、救出に当たって全力を挙げていただいている自衛隊、警察、消防、海上保安庁、そして各自治体、関係各位の本当に身をおしまない努力に心から感謝を申し上げます。

 私は、本日、午前6時に自衛隊のヘリコプターで現地を視察いたしました。まず、福島の第一原子力発電所に出向き、その現場の関係者と実態をしっかりと話を聞くことができました。

 加えて、仙台、石巻、そういった地域についても、ヘリコプターの中から現地を詳しく視察をいたしました。今回の地震は大きな津波を伴ったことによって、大変甚大な被害を及ぼしていることが、その視察によって明らかになりました。まずは、人命救出ということで、昨日、今日、そして明日、とにかくまず人命救出、救援に全力を挙げなければなりません。自衛隊にも当初の2万人体制から5万人体制に、そして、先ほど北澤防衛大臣には、更にもっと全国からの動員をお願いして、さらなる動員を検討していただいているところであります。まず、1人でも多くの皆さんの命を救う、このために全力を挙げて、特に今日、明日、明後日頑張り抜かなければならないと思っております。

 そして、既に避難所等に多くの方が避難をされております。食事、水、そして、大変寒いときでありますので毛布や暖房機、更にはトイレといった施設についても、今、全力を挙げて、そうした被災地に送り届ける態勢を進めているところであります。そうした形で、何としても被災者の皆さんにも、しっかりとこの事態を乗り越えていただきたいと、このように考えております。

 加えて、福島第一原子力発電所、更には第二原子力発電所について、多くの皆様に御心配をおかけいたしております。今回の地震が、従来想定された津波の上限をはるかに超えるような大きな津波が襲ったために、従来、原発が止まってもバックアップ態勢が稼動することになっていたわけでありますけれども、そうしたところに問題が生じているところであります。

 そこで、私たちとしては、まず、住民の皆様の安全ということを第一に考えて策を打ってまいりました。

 そして、特に福島の第一原子力発電所の第1号機について、新たな事態、これは後に官房長官から詳しく説明をさせますけれども、そうした事態も生じたことに伴って、既に10キロ圏の住まいの皆さんに避難をお願いしておりましたけれども、改めて福島第一原子力発電所を中心にして20キロ圏の皆さんに退避をお願いすることにいたしました。

 これを含めて、しっかりとした対応をすることによって、一人の住民の皆さんにも健康被害といったようなことに陥らないように、全力を挙げて取り組んでまいりますので、どうか皆さんも政府の報告やマスコミの報道に注意をされて、冷静に行動されることを心からお願いをいたします。

 また今回の震災に対しては、オバマ大統領から電話をいただくことを始めとして、世界の50か国以上の首脳から支援の申し出もいただいております。本当に国際的な温かい気持ち、ありがたく思っております。

 有効にお願いできることについては、順次お願いをさせていただきたい、このように思っているところであります。

 どうか、まずは命を救うこと。そしてそれに続いては、避難生活に対しての対応、これはかつての阪神・淡路の経験を踏まえて、仮設住宅などいろいろな施策が重要になると考えております。そしてその次には、復興に向けてのいろいろな手立てを考えなければなりません。野党の皆さんも、昨日に続く今日の党首会談の中でも、特に復興については一緒に力を合わせてやっていこうという、そういう姿勢をお示しいただきました。大変ありがたく受け止めております。

 どうか国民の皆さんに、この本当に未曾有の国難とも言うべき今回の地震、これを国民皆さん一人ひとりの力で、そしてそれに支えられた政府や関係機関の全力を挙げる努力によって、しっかりと乗り越えて、そして未来の日本の本当に、あのときの苦難を乗り越えて、こうした日本が生まれたんだと言えるような、そういう取組みを、それぞれの立場で頑張っていただきたい、私も全身全霊、まさに命がけでこの仕事に取り組むことをお約束をして、私からの国民の皆様へのお願いとさせていただきます。

 どうかよろしくお願い申し上げます。


<東日本大震災>福島第1原発爆発 20キロ退避に拡大
毎日新聞 3月12日(土)19時38分配信
<東日本大震災>福島第1原発爆発 20キロ退避に拡大
福島第1原発から半径20キロ、福島第2原発から半径10キロの範囲

 国内観測史上最大のマグニチュード(M)8.8の東日本大震災に見舞われた東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋(たてや)で12日午後3時36分ごろ、爆発音とともに白煙が上がり、建屋の壁と天井部分が失われた。この事故で東電社員ら4人が負傷、敷地では通常と異なる放射線量が検出された。同日午前には1号機から放射性物質の漏えいが確認され、さらに国内初の炉心溶融も発覚した。巨大地震に遭った原発で、未曽有の事態が次々と発生した。地震大国で最も恐れられる「原発震災」。同日夜、炉心溶融を食い止めるため海水が炉心に注入されたが、純水の代わりに塩分を含んだ海水を使うため施設への打撃は大きく、廃炉の可能性もある。

【福島第1原発】爆発、異常な放射線量…退避20キロ圏に拡大 範囲の地図入り

 今回の事態を踏まえ、周辺の住民は、福島第1原発から半径20キロ圏、福島第2原発から半径10キロ圏からの避難を求められた。該当する市町村は富岡町、大熊町、双葉町、広野町、楢葉町、浪江町、田村市、南相馬市、葛尾村、川内村で、約2万5000世帯の約7万人が住んでいる。

 福島第1原発1号機では、原子炉を覆う鋼鉄製の格納容器は鉄筋コンクリートでできた原子炉建屋内にある。

 爆発の原因について、経済産業省原子力安全・保安院は「炉心で発生した水素が格納容器の配管から漏れ出て、水素爆発を起こした」との見方を示した。その結果、建屋は壊れたが、格納容器は損傷していないという。

 放射性物質は大量には漏れ出ていない。放射性物質を測定するモニタリングデータによると、爆発直前の放射線量は1015マイクロシーベルトで、これは1年間に一般人が浴びる許容量を1時間で超える値だった。だが爆発後は、午後3時40分で860マイクロシーベルト、同6時58分で70.5マイクロシーベルトと減少。保安院は「炉心溶融が進行しているとは考えていない」との見方を示した。枝野幸男官房長官は「格納容器は破損していない」としている。

 一方、今回の爆発は、炉心の水位が低下、燃料棒が露出して起きる炉心溶融によって、燃料棒が高熱になったことでもたらされた。海江田万里・経済産業相は東京電力に1号機の原子炉を海水で満たすよう指示。東電は午後8時20分に着手した。しかし、余震発生のため午後10時15分に中断した。純水ではなく塩分を含む海水を原子炉に使うと、さびやすくなることなどが理由となって廃炉になる可能性も出てくる。また、万が一、再臨界が起きるのを防ぐため、中性子を吸収して核分裂反応を抑えるホウ酸を用いた。

 東電の小森明生常務(原子力・立地副本部長)は12日夜の記者会見で「通常と異なる過程で原子炉建屋の上方が開放された。言葉として爆発だった」と認めたが、原因については「会社として水素爆発だったと言えるだけの議論はしていない」と述べるにとどめた。

 ◇ことば・炉心溶融

 原子炉内の温度が上がりすぎ、冷却機能が失われた結果、燃料が融解、破損すること。想定される事故では最悪の事象で、重大な原子力事故につながる危険がある。米国では1979年のスリーマイル島原発事故で大規模な炉心溶融が発生した。

 ◇事故の国際評価尺度「レベル4程度」

 経済産業省原子力安全・保安院は12日の会見で、原子力施設事故の国際評価尺度(INES)で考えると、「レベル4程度と推定される」と評価した。国際原子力機関(IAEA)が定めた世界共通の尺度で8段階で評価する。数値が大きいほど深刻さを増し、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故(旧ソ連)がレベル7、79年のスリーマイル島原発事故(米国)はレベル5。99年のJCOウラン燃料加工施設臨界事故が今回と同じレベル4だった。【八田浩輔】


福島第一原発、中央制御室で1千倍の放射線量

読売新聞 3月12日(土)6時55分配信
 東日本巨大地震で自動停止した東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の正門前で、放射線量が通常時の約8倍、1号機の中央制御室では、同約1000倍に達していることがわかった。

 経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が12日午前6時過ぎ、記者会会見して明らかにした。

 制御室の線量は毎時150マイクロ・シーベルト。そこに1時間いた場合の線量は、胃のレントゲン検診の約4分の1程度に当たる。

 同原発1号機では、格納容器内(建屋)の圧力が異常に上昇し、同日午前6時現在、設計値の約2倍に達している。経済産業省原子力安全・保安院によると、この圧力の異常上昇は、圧力容器(原子炉)から放射性物質を含んだ水蒸気が建屋内に漏れたことで起きていると見られる。圧力の高まった水蒸気が建屋から漏れ出し、施設外建屋外の放射能レベルを上げている可能性が高い。

 東京電力は、建屋の弁を開けて外に水蒸気を逃し、圧力を下げる方針だが、電源系のトラブルで実施できていない。

 これを受け、政府は、午前5時44分、周辺住民の避難指示範囲をそれまでの半径3キロから10キロにまで拡大した。


福島第一原発、半径10キロ以内の住民に避難指示

読売新聞 3月12日(土)6時9分配信
 福島県警によると、政府は12日午前5時45分、福島第一原発の半径10キロ以内の住民に避難指示を出した。


地震 放射性物質出る恐れ 福島第1原発

毎日新聞 3月12日(土)2時39分配信
地震 放射性物質出る恐れ 福島第1原発
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福島第1原子力発電所
 東京電力によると、今回の地震の影響で、福島第1原発1号機の原子炉圧力が上昇していることが分かった。原因を調べている。

【地震と原発】地震:原子炉の冷却機能に異常 福島

 炉内の圧力が高まると格納容器が損傷を受ける。このため、同社は炉内の圧力を外部に逃がす操作の実施を検討している。実施すると、放射性物質が外部に出る恐れがある。


地震 原発周辺に避難指示 福島第1

毎日新聞 3月11日(金)23時42分配信
地震 原発周辺に避難指示 福島第1
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避難指示、屋内待機の出された範囲
 菅直人首相は11日夜、東北沖大地震で緊急停止した東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の冷却機能が十分に働かなくなる恐れがあると判断し、原子力災害対策特別措置法に基づき原子力緊急事態宣言を発令した。この宣言が出されたのは、00年の同法施行後初めて。国は同日午後9時23分、同原発から半径3キロ以内の住民に避難を、半径3〜10キロの住民に屋内待機の指示を出した。放射能漏れは確認されていないが、原発の耐震対策の見直しが求められるのは必至だ。

【写真で見る】東北でM8.8 首都圏など各地でも被害


 政府は宣言発令とともに原子力安全対策本部(本部長・菅首相)を設置。経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発2号機の原子炉の水位は通常より1.9メートル下がっているが、燃料棒より上に3.4メートルの余裕がある。燃料棒は冷やされており、危機的状況にない。

 しかし今後、水位が下がらないようにするための予備電源を供給する車が到着。3号機も冷却機能が停止する可能性があり、別の電源車を派遣している。

 このほか、東北電力女川原発1〜3号機(宮城県)、東京電力福島第1原発1〜3号機、同福島第2原発1〜4号機、日本原子力発電東海第2(茨城県)の計11基が地震の影響で自動停止した。女川原発ではタービン建屋の地下1階で火災が発生。11日午後11時前に鎮火した。


自衛隊8000人を派遣へ

読売新聞 3月11日(金)23時3分配信
 小川勝也防衛副大臣は11日夜の防衛省災害対策本部会議で、「各自衛隊から合計約8000人が、派遣もしくは派遣準備にあたっている。すでに各地で陸海空それぞれの部隊が、被災者の救助などの活動を行っている」と述べた。

<地震>コスモ石油千葉製油所で出火 複数のタンクに延焼

毎日新聞 3月11日(金)21時46分配信
<地震>コスモ石油千葉製油所で出火 複数のタンクに延焼
激しく燃えるコンビナート=千葉県市原市で2011年3月11日午後6時9分、本社ヘリから馬場理沙撮影
 エネルギー関連では、地震の影響でコスモ石油千葉製油所の液化石油ガス(LPG)貯蔵タンクから出火、複数のタンクに延焼している模様だ。経済産業省原子力安全・保安院によると1人が重傷、2人が軽傷。タンクの支柱が折れて破損し、ガスが漏れたのが原因という。製油所は全操業を停止し、所長が従業員約380人に安全な場所への避難を呼びかけた。同社は「連絡がつきにくく、被害の詳細は分からない」(広報室)としている。

 石油精製最大手のJX日鉱日石エネルギーは11日、仙台(仙台市)、鹿島(茨城県神栖市)、根岸(横浜市)の3製油所の操業を停止したが、油漏れなどの被害はないとしている。

 一方、Jパワー(電源開発)は磯子火力発電所(横浜市)2号機と鬼首地熱発電所(宮城県大崎市)を、日本原子力発電は東海第2発電所(茨城県東海村)をそれぞれ停止した。


緊急速報、出ない恐れも=地震観測機器が故障―気象庁

時事通信 3月11日(金)21時29分配信
 気象庁は11日、大地震で東北地方にある地震や津波、火山の観測機器が複数故障していると発表した。今後、東北を中心とした地域で震度3以上の地震が発生した場合、緊急地震速報が発表されない可能性があるという。
 同庁によると、故障の原因は通信回線の切断や停電によるバッテリー切れで、復旧のめどは立っていない。
 津波警報を発表する場合は、航空機からの映像データを使うが、警報を解除する時期に影響があるという。


福島第1原発、冷却機能停止=周辺住民に避難指示―非常事態宣言発令・政府

時事通信 3月11日(金)20時15分配信
 三陸沖の大地震により、東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機の原子炉冷却機能が11日、停止した。東京電力の電源車が到着、復旧作業を急いでいる。政府は同日夜、外部への放射能漏れの恐れもあるとして、半径3キロ以内の両町住民5862人に緊急避難を指示、原子力災害対策特措法に基づく原子力災害非常事態宣言を発令した。これまでに、外部への放射能漏れはない。
 政府は半径3〜10キロ圏内の住民4万5345人に対しても屋内待機を指示。同日夜、首相官邸で会見した枝野幸男官房長官は「万が一に備えた指示。落ち着いて避難を」と呼び掛けた。
 経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発は1〜3号機すべてが地震直後に自動停止したが、1、2号機の冷却水の水位が確認できない状態になっている。2号機は冷却機能が停止。非常用ディーゼル発電機も停止しており、東電が電源車を向かわせた。
 福島県などによると、2号機の原子炉冷却水の水位が下がっており、この状態が続くと燃料棒が露出し、放射能漏れの恐れがあるという。
 また、福島第2原発(同県富岡町、楢葉町)も1〜4号機が自動停止。東京電力によると、1号機の原子炉格納容器内の圧力が上昇し、午後5時35分に非常時に炉内に冷却水を注入する「緊急時炉心冷却装置(ECCS)」が自動起動した。
 保安院によると、冷却水は確保されているとみられるが、2、4号機は冷却のため海水を取り入れるポンプの動作確認が津波の影響でできなくなっているという。 


福島第1原発で停電=冷却機能、予備電源で維持―保安院

時事通信 3月11日(金)18時28分配信
 経済産業省原子力安全・保安院などによると、11日午後3時40分ごろ、地震により運転を停止した東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で停電が起き、原子炉を冷却する機能が停止した。予備の電源を確保し、冷却機能は保たれている。
 保安院などによると、同原発は1〜3号機が稼働中だったが、地震で自動停止した。原子炉冷却に必要な外部からの電源供給がなくなり、非常用ディーゼル発電機も停止。予備の直流電源で冷却機能を保った上で、電源車を向かわせた。 


原発停止は11基、大きなトラブル報告なし

読売新聞 3月11日(金)16時27分配信
 経済産業省原子力安全・保安院によると、午後2時46分現在、北海道、東北、関東、中部地域にある原子力発電所と関連施設計29基にこの地震にともなう大きなトラブルの報告はない。

 地震に伴い運転停止したのは11基。宮城県の東北電力女川原発1〜3号、福島県の東京電力福島第1原発1〜3号、福島第2原発1〜4号、茨城県の日本原子力発電東海第二発電所。

 ほかに定期検査で停止中だったのは8基で、福島第1原発4〜6号、青森県の東北電力東通原発、静岡県の中部電力浜岡原発3号、新潟県の東京電力柏崎刈羽原発2〜4号。

 引き続き運転中なのは9基で、浜岡4、5号、柏崎刈羽1、5、6、7号、北海道電力泊1〜3号機。また青森県の日本原燃六ヶ所再処理施設は非常用ディーゼルで電力を供給している。



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