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「暗雲」垂れ込める富山県財政

暖冬続きの富山県にもまとまった雪が降りました。本来の雪国らしい積雪量には及ばないのに、JRは連日の大混乱。「民営化で人減らし。除雪の作業員がいないのだ。」という声があちこちから聞かれます。しかし、お寒いのは何もJRだけではありません。

○膨らむ県債残高

 全国の自治体を「所管する」総務省は、毎年「地方財政計画」というものを立てます。地方自治体にとって重要な財源保障機能を持つ地方交付税について、2001年度からその振り替えとして臨時財政対策債(赤字地方債)というものを発行し、「後年度その元利償還について100%交付税の基準財政需要額に算入する」という措置が取られました。要するに、「政府に今お金が無いから、とりあえず借金してね。後で面倒見るから。」というものです。2004年度の計画では普通交付税が大幅削減になる予定です。富山県は230億円程度の減の見込みとのことで、極めて厳しいといえるでしょう。以前、推計したところ、2000年度の財政運営を基準にした場合は、2002年度県債残高見込みが9,150億円程度でその後微減に転じると見ていましたが、2002年度決算見込みで9,345億円となり、甘くはありませんでした。赤字地方債の影響が徐々に大きくなり、この流れでは、歳入歳出を絞っても県債残高が頭打ちになるか定かではありません。ただし、対外的には「赤字地方債は後で面倒見てもらえるから心配するな」となり、内部的には「極めて厳しい」となるでしょう。

交付税削減は、私たちには人員減・賃金カットという圧力となり、住民には扶助費の減少を始めとして様々なサービス低下になって現れ、極めて問題です。2004年度政府予算は約半分が借金という、およそ「常軌を逸した」内容ですが、政府・自治体がこうなってきたのも、歳入面で1992年から2002年までだけで国税・地方税で20兆円以上の企業・金持ち減税を行ったことが重くのしかかってきた結果といえます。これで財政が確立するはずなどありません。

○県財政の現状を『家計』に置き換えて考えると

2002年度普通会計決算見込みの状況を家計に例えてみると、「収入が約584万円、うち自前の稼ぎが約228万円、仕送り等が265万円、借金が約91万円、支出は生活に欠かせないものが約241万円、家を建てたり車を買ったり様々な支出が約300万円、借金返済に約89万円」というところでしょう。

また、「借金残高が約935万円ある」ということにもなります。普通の家庭なら、ローンの返済計画にあわせて家計のやりくりをするものです。「借金は何とか減らしてよ」と言う身内も少しはいますが、「これでいいのだ」という主(知事をはじめとした県当局者)や「あれを買って」「これを作って」「生活費を切り詰めろ」という近所や周囲(議会自民党等)に振り回されて、借金は雪だるま式に膨れてきました。

○「赤字をつくりだしたものこそが責任を取れ」と言いたい。

仕送りをしてくれる人は、時々交代し、今はライオンみたいな人(自民党小泉首相)ですが、「俺も苦しいから仕送りは減らすぞ」と大声を出しています。あちら側は、お金を持っている人たちに何度となく大盤振る舞いをして、今は,立ち行かなくなってしまいました。このようなことをやったあげくの責任をわたしたち転嫁されたのでは本当にたまったものではありません。「赤字をつくりだしたものこそが責任を取れ」と言いたい。(以下、次号)